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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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10月24日 |
昨日に引き続き、12月の香港国際レースのステップのステップのご紹介。
今日は、スプリント戦線を占うG2プレミアボウル(1200m)です。
層の厚い香港スプリント界ですが、このところ核になるような馬がおらず群雄割拠の状態。
その中で新たなヒーローになりそうなのが、今回プレミアボウルを制したミスタースタニングです。
ジョン・サイズ師が管理するミスタースタニング、今シーズン初戦は10月1日のナショナルデーカップ(G3・1000m)で6着でした。
まだ5歳と将来を嘱望されるこの馬、このレースの9日前に行われた調教試験では同厩舎のザウィザードオブオズを抑えて目の覚めるような末脚を見せていました。
今回も同様に、豪快な差し切り勝ちを演じています。
「今回はこれ以上ないって位に自信があったよ」
下馬したナッシュ・ラウィラー騎手は明かしました。
今回はトップハンデ133ポンドを背負いながら、半馬身差勝利でした。
「斤量もキツいとか、いろいろ逆風はあったけど、この馬のタフさに敵う馬なんているのか?って思っていたからね」
ジョッキーの自信とは裏腹に、大方の評価はやはりハンデを不安視し、単勝9.1倍の3番人気。
1番人気は昨シーズンのG1チェアマンズスプリントプライズの勝ち馬ラッキーバブルズで2.5倍。次いで同厩舎のザウィザードオブオズで3.3倍でした。
レースは、そうしたオッズ上の低評価を嘲笑うかのようでした。
ファビュラスワンが先行して作った淀みのないペースの中、ラウィラー騎手は愛馬を中段やや後方、人気のラッキーバブルズの外に控えさせました。
直線に入り馬場のちょうど真ん中に出して気合いをつけると、その反応は素晴らしいものでした。
末脚を伸ばすミスタースタニング。
残り150mで先頭に躍り出ると、遅れて伸びてきたラッキーバブルズを見事に抑えきり、チェアマンズスプリントプライズの雪辱を果たしたのでした。
「いやぁ、非凡な馬だよ」
と、ラウィラー騎手はミスタースタニングを称えました。
重賞勝利は昨シーズンのG2、スプリントカップ(1200m)以来です。
「この馬に乗ったレースで、初めて運が向いた気がするよ。いい位置につけられたし、道中折り合っていけたしね。それにしても、素晴らしい末脚だった。特に、これだけの重いハンデがありながらね」
勝ち時計はこのクラスとしては標準以上の1分8秒10。
ミスタースタニングの上がり400mは21秒95を記録しました。
一方のラッキーバブルズは、ザック・パートン騎手の手綱で内に控えて最後に伸びてくるという競馬。
展開が一つ違えば順位が入れ替わっていた可能性も高いわけで、今回の1着2着は恐らく来月のジョッキークラブスプリントでも、本番の香港スプリントでも角突き合わせることになるでしょう。
「今シーズン初戦だったし、この馬なりにいいレースをしてくれたよ。特に末脚は良かった」
と、レースを振り返ったパートン騎手。陣営にとっては収穫の多いレースだったようです。
3着には、勝ったミスタースタニングと同厩舎のアメイジングキッズが2着から半馬身差で入りました。
この馬もゴール前強襲。上がり400mはメンバー中最速の21秒76でした。
騎乗したブレット・プレブル騎手は、
「彼は脇目も振らずにゴールを目指して脚を伸ばしてくれたよ。道中ほとんど最後方にいてもしっかりと折り合ってくれていた。最後にいい脚を持っていることは分かっていたから、とにかく道中は消耗しないようにしてね。そうしたら、やはりいい脚を見せてくれた。ただ、いつもあと一歩のところで捕まえきれないんだよねぇ。でも、素晴らしい能力の一端を見せることができたし、いつか必ず前の馬を捕らえる日が来ると思うよ」
もう一頭の同厩馬、6月のプレミアカップでは印象的な勝ちっぷりだったザウィザードオブオズは11頭立ての9着に沈んでいます。
どうやら、香港スプリント界はミスタースタニングとラッキーバブルズという両雄を軸に回っていきそうです。
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