飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
10月26日
12月10日に行われる予定の香港国際レース。
一日に4つの国際G1レースが行われるというビッグイベントですが、その第一次登録受付が締め切られ、世界各地から集まったエントリーが発表されました。
その数210頭。そのうち59頭がG1ウィナーです。
国別で見ても、地元香港や日本、オーストラリアといったアジア太平洋地域はもちろん、ヨーロッパや南アフリカ、アメリカと全地球的に集まっています。

海外勢の注目は、イギリスのスターマイラー、リブチェスター、2015年の香港ヴァーズ馬、アイルランドのハイランドリール、その僚馬でトップクラス牝馬のローリーポーリー、日本からは今年のクイーンエリザベス2世杯を制したネオリアリズム、さらにリアルスティール、サトノアラジン、菊花賞馬キセキ、フランス勢では凱旋門賞2着のクロースオブスターズ、アメリカからは実力馬ロイエイチとオスカーパフォーマンスがエントリーしています。
ちなみに、世界の競走馬ランキングで今挙げた馬たちを調べると、クロースオブスターズが6位、リブチェスターが8位、ハイランドリールが9位と、トップ10のうち3頭がエントリーしています。

第一次登録ですからここからキャンセルが出ることも織り込んでの数字ですが、海外馬151頭に対して香港馬は59頭がエントリー。
その中には、去年の香港年度代表馬ウェルテル、前回の香港マイルを制したビューティオンリー、さらに香港スプリント界を背負って立つと言われるラッキーバブルズとミスタースタニングも登録されています。

エントリーは13の国と地域、5つの大陸と日本から到来。
海外勢の中では日本勢が最も数多くエントリーしていて、51頭を記録。
これは、去年の数字と比較すると13頭多くなっています。
次いでオーストラリア所属馬で17頭。
去年の30頭と比べると激減していますが、これには理由があります。
香港ジョッキークラブとオーストラリア政府での馬の移動に関する取り決めで現在流動的な部分があるのが理由です。
具体的には、香港側が来年にも本格的に稼働させる中国本土、広州市従花区のトレセンとの馬の行き来をどう判断するかで結論が出ていないのです。
オーストラリアの従来の取り決めでは、香港は特例で帰国の際の検疫が簡易なものでOKになっています。
一方、中国本土から豪州に入る馬は180日の着地検疫を義務付けています。
豪州馬が従花トレセンに入ることはまずないでしょうが、従花と沙田の間を行き来しているローカル馬がいる場合、沙田を香港特別区と見なせるかどうか。
従花からの移動馬に関する伝染病対策に漏れがあった場合、沙田で中国本土の伝染病が蔓延し、それが豪州馬にも感染してしまうことを豪州政府は恐れているようです。
その場合、香港遠征馬も帰国の際に180日足止めを食う可能性もあります。
そのリスクを考えて、今回エントリーが減少したと見られているのです。
ちなみに、リスクを覚悟でエントリーしてきた中にはヴェガマジック、レッドキルクウォーリアがいます。
国同士の取り決めによってこれだけ左右される部分があるのですね。

さて、ジョッキークラブのレースビジネス・運営担当役員、アンソニー・ケリー氏は、
「香港内外からこれだけのメンバーを揃えることができて、非常に満足しているよ。まさに、国際競馬のカレンダーの中での最高峰のレースイベントという感じだね。世界中のトップホースマンたちが香港を意識し、香港にチャレンジしてみたいという期待をひしひしと感じるよ」
と、まずは発表の席で胸を張りました。
「全体で見ても、去年と比べて同時期で26頭も多くのエントリーを貰ったことにとても喜んでいるよ。特に、日本、イギリス、アイルランドからの登録馬が伸びた。オーストラリアとの間は競走馬の行き来に関する交渉の行方を見ようという向きも多くて残念な結果になったけど、これは想定の範囲内さ。それでも17頭がエントリーしてくれたことの方をむしろ評価したいと思うね」
と、豪州関係については前向きなコメントに終始しました。そして会見の締め括りに、
「まさにターフワールドチャンピオンシップの名にふさわしい馬が集まったと思っているよ。すでに本番に向けたカウントダウンは始まっていて、リブチェスターやハイランドリール、ネオリアリズム、クロースオブスターズ、リブリサブリーズ、リアルスティールなどの海外一線級と地元香港馬が激突すると考えると、ワクワクしてくるね」
と、役職を離れて1ファンとしての気持ちも明らかにしました。
本番まであと1ヶ月半。最終的にゲートに並ぶ顔ぶれはどうなるのでしょうか?


 
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