飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
11月22日
香港国際レースの前哨戦のジョッキークラブレース。
3つのステップが設定されていますが、ここまで中・長距離路線のジョッキークラブカップ、短距離戦線のジョッキークラブスプリントを紹介してきました。
今日紹介するのは、最後に残ったジョッキークラブマイルです。
このレースは、去年のクラシック戦線を沸かせながらも今一歩栄冠に届かなかったシーズンズブルームがついに念願の重賞制覇を成し遂げた一戦となりました。
それも、G1レースをすでに2勝している実績馬、ヘレンパラゴンを半馬身差下したという価値あるもの。
これで、本番の香港マイルに向け、若武者ながらマイル戦線の地元勢筆頭に躍り出ました。

手綱を取ったのは、2014年のエイブルフレンド以来のジョッキークラブマイル制覇となったホアオ・モレイラ騎手。報道陣に対し、
「とってもいい馬だし、今日はこの大一番で非常に落ち着いてこちらの思い通りに走ってくれたよ」
と褒めました。
特に末脚が素晴らしく、上り400mはメンバー中最速の22秒55で駆け抜けました。
この、去年のクラシック組は強力で、3着にもビューティジェネレーションが入っています。
2着のヘレンパラゴン、4着に入ったビューティオンリーはG1レースの常連。
両馬ともG1を勝っているので、規定により5ポンド斤量が上乗せされています。
着差が半馬身・半馬身・アタマと接戦だっただけに、この5ポンドが効いたのかもしれません。
勝ち時計は、1分34秒13でした。

「今日のこの馬のパフォーマンスを見ると、次走香港マイルでも好走を期待できそうだよ。何しろ、香港のマイル戦線の第一人者たちを今回負かしたからね。それも12頭立ての9番枠からだよ!」
と、モレイラ騎手は饒舌に話します。
「ダニー(・シャン調教師)はレース運びをすべてボクに任せてくれたんだ。本当に、何の指示も事前になかった。それだけ信用してくれたんだから、彼の期待に応えなくっちゃね。この馬はテンのスピードはない馬だから、道中はラチから3頭目の外に位置どって控えたよ。ベストポジションってわけじゃなかったけど、少なくとも前が壁になったから折り合って道中をやり過ごせたのはよかったかな。」
と、道中のポジション取りを詳細に解説。そして、
「直線に向いてちょっと焦ったんだ。前が開くかなって。でも、最後まであきらめずによく脚を伸ばしてくれたよ。最後の200mでも手応え抜群だった。ダニーは本当に良く仕上げてくれたよ。今日はそれが出たね」

シーズンズブルームは単勝3.7倍。ビューティオンリーと並んで一番人気に支持されていました。
今回は、10月1日のセレブレーションカップ(G3)以来のレース。
その時は、シーズン初日のクラス1戦(1200m)で勝利して臨みましたが、今回3着のビューティジェネレーションに先着を許し2着でした。

「大一番の前に中間がちょっと開くのはセオリー的には良くないんだけど、オーナーが僕の決断を尊重してくれたんだ」
と、管理するダニー・シャン調教師。
「この馬は決して大きな馬じゃないからね。とにかく疲れを残さずに、機嫌よくレースを迎えることに腐心したんだ。プレッシャーにも強い馬だから、きっと12月の本番でもいいレースをしてくれるハズさ。ベストを尽くすよ」
と、ジョッキークラブマイル初制覇後にメディアに答えました。

ヘレンパラゴンは僚馬ビューティジェネレーションに残り100mで迫られながらもトップを保っていましたが、最後の最後にシーズンズブルームの末脚に屈し2着でした。
騎乗したトミー・ベリー騎手は、
「レース前にはみんなが、この馬は一叩きしないとダメだって言ってたよね。それが今日出たと思う。残り100mで息切れしちゃった。でもこれで、12月のレースが非常に楽しみになったよ」
と、一叩きして本番での変わり身に期待していました。

3着のビューティジェネレーションは勝ったシーズンズブルームとは同い年のライバル同士。
特にマイル戦では、去年のクラシック第一戦、香港クラシックマイルでシーズンズブルーム2着、ビューティジェネレーション3着。
一方、前述のセレブレーションカップではビューティジェネレーション1着、シーズンズブルーム2着。
勝ったり負けたりを繰り返しています。
騎乗したデレク・リョン騎手は、
「とても誠実に走ってくれた。いいレースだったよ。残り600mでちょっと前が詰まって一旦ブレーキを踏んだんだけど、そこで諦めずに良く伸びてくれた。素晴らしかったよ」
と話しました。
さあ、いよいよ本番。若いコンビが活躍するか、それともG1常連のベテランが巻き返すか、あるいは海外勢か。興味は尽きません。


 
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