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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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12月 7日 |
香港国際レースは今週末に沙田競馬場で行われますが、それに先立ち直線の水曜夜に毎年行われているのが、世界中のジョッキーたちが香港島中心のハッピーヴァレー競馬場に集まり腕を競う、ロンジン・インターナショナルジョッキーズチャンピオンシップ(IJC)です。
設定された4つのレースを舞台に、抽選で乗る馬を決めてレース。
1着12点、2着6点、3着4点のポイントを一番稼いだジョッキーがチャンピオンとなり、賞金80万香港ドルを獲得するというジョッキーコンペティションです。
今回は、地元香港代表として出場したザック・パートン騎手が第1レグと第3レグの勝利で通算24ポイントを獲得。IJC5度目のチャレンジで初の栄冠に輝きました。
第1レグ2着、第2レグ1着で18ポイントを獲得したイギリス代表、シルベストリ・デ・ソウサ騎手が2位。フランス代表のピエール・チャールズ・ブドー騎手が第2レグ3着、第4レグで1着で3位に入りました。
2007年から香港を拠点にして現在のところ香港通算750勝超。香港の競馬ファンにもファンの多いパートン騎手。2013/14シーズンにはチャンピオンジョッキーにも輝いた名手にまた一つ大きなタイトルが追加されました。
ちなみに香港では、一日を通じてのジョッキーチャレンジを馬券化していて、そこではパートン騎手は皮肉なことに26倍の人気薄。
ファンが選んだのは海外勢で、ライアン・ムーア、ブドー、去年のIJCの覇者ヒュー・ボウマンといった名前が並んでいました。
盛大なファンファーレと花火とともに始まった今年のIJC。
その直後、パートン騎手は、ダニー・シャン厩舎のアワーヒーローを勝利に導きスタートダッシュを決めました。
道中は中団に控えたアワーヒーローは、直線パートン騎手の拍車に応えて脚を伸ばし、シルベストリ・デ・ソウサ騎手騎乗のシーミーナウを短頭差交わしてゴール。
ライアン・ムーア騎手騎乗のフォーエバーポッシュ(リチャード・ギブソン厩舎)がさらにクビ差の3着に入りました。
パートンはこの勝利について、
「美しいレースができた。ダニー(・シャン師)がこの馬は今日はノッてるって言ってたからね」
と話しました。
続いて第2レグでは、デ・ソウサ騎手が逆転。
キャスパー・ファウンズ厩舎のピースコンビネーションとのコンビでこのレースを勝ち、12ポイントを追加。
一方のパートン騎手は6着で0ポイントでした。
ディフェンディングチャンピオンのヒュー・ボウマン騎手がドクタープロアクティブ(デヴィッド・ホール厩舎)で2着。
ブドー騎手がエクセプショナルディザイアで3着に入り、4ポイントを拾いました。
この勝利で首位折り返しのデ・ソウサ騎手、
「道中はいい気分で折り合えたんで、ラチ沿いで一息入れることができたよ。だから、直線はもう一段伸びてくれるだろうなと思っていたんだ。キャスパー(・ファウンズ師)は馬体もスッキリしたし、この馬は力が出せるだろうって言ってたからね」
と話していました。
ということで、デ・ソウサ騎手が18ポイントで首位に立ち、2位がパートン騎手12ポイント、3位ボウマン6ポイント、4位タイがムーア騎手とブドー騎手という形で折り返します。
逆転を許したパートン騎手。
捲土重来を期した第3レグはその実力を遺憾なく見せ付けました。
ピーター・ホー厩舎のレッツテイクイットイージーを駆った地元の星は、ハッピーヴァレーでは不利と言われる外枠、10番枠からのスタートも物ともせず、逃げるボウマン騎手のスパークリングソードを直線見事に差し切り勝ち。
見事1着12ポイントを稼ぎ、デ・ソウサ騎手を再逆転します。
3着にはブラジル代表レアンドロ・エンリケ騎手騎乗、同じく後方一気のデスティンが入り、こちらはIJC初ポイントを稼ぎました。
「道中非常に気持ちよく走っていたし、ピーター(・ホー師)がヴァレーに戻した判断も良かったよね。この第3レグは今夜最大の勝つチャンスだって思っていたから、期待に応える仕事ができて満足だよ」
と、パートン騎手は達成感に浸っていました。
最終第4レグを前にして、首位はパートン騎手で24ポイント。
2位デ・ソウサ騎手18ポイント。
ディフェンディングチャンピオンのボウマン騎手が2度の2着で12ポイントで続きました。
この時点で、首位のパートン騎手を逆転する可能性が残されたのはデ・ソウサ騎手のみ。
ボウマン騎手は仮に第4レグで1着になっても、1位タイとなりタイトルを分け合うことになります。
その第4レグは、今挙げたどの騎手も3着以内に絡みませんでした。
勝ったのはジョン・サイズ厩舎、ブドー騎手鞍上のバンクオンレッド。
これでブドー騎手はハッピーヴァレー初勝利を飾りました。
1月から短期免許で香港に参戦するフレンチマンにとって、幸先の良い一勝となりました。
「1月2月にここで競馬する自分にとっては、今夜勝てるか勝てないかはとても重要なことなんだ。ムッシュ・サイズは今回ボクに細かくどう乗ったらいいのかの指示をしてくれ、レースは師の言った通りに運んだんだ。(この勝利でIJC3位に入ったことについては)表彰台に登れたのは、うれしい誤算というか、大きなオマケが付いたね」
と、喜びを表現しました。
ということで、チャンピオンに輝いたパートン騎手は表彰式後のインタビューで、
「今夜は普段通りの騎乗を心がけようって思って競馬場に来たんだ。それが吉と出たのかな。勝てたのはとにかく嬉しい。何度もあと一歩でこのタイトルを逃していただけに、今回はデジャビュは避けたかったからね。2勝も出来たのは運も味方してくれたってことだね」
と勝利の美酒に酔いました。
ハッピーヴァレー競馬場には29294人の観衆が詰めかけ、この日の売り上げは13億800万香港ドルに達しました。
IJCの興奮冷めやらぬ中、いよいよ舞台は沙田競馬場へ。香港国際レース本番を迎えます。
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