飯田コージの外はおまかせ！

飯田コージ

1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。

香港競馬通信

12月15日

タイムワープの香港カップ制覇で、地元馬３勝、海外馬１勝で幕を閉じた今年の香港国際レース。
すべてのレースが終わった後に香港ジョッキークラブＣＥＯ、ウインフリート・エンゲルブレヒト＝ブレスゲス（ＥＢ）氏の恒例の記者会見が行われました。
会見冒頭、ＥＢ氏は、
「我々はこの香港国際レースを芝コースでの世界一の競馬イベントを目指してきた。今回はまた素晴らしいパフォーマンスの数々をお見せすることができたと思う。とても高いレベルの、世界的なレースになった。しかしながら、この進歩には終わりはないし、次回に向けてどこに成長の余地があるのか、落ち着いて検討したいと思う。世界一のスポーツイベントという目標に向かって、まだまだ潜在能力は隠されていると思うんだ」
と語りました。
沙田競馬場には９万４５６０人の観衆が詰めかけ、総売り上げは過去最高、去年と比べて５．４％増の１６億香港ドルに上りましたが、ＥＢ氏はいつものように手放しで喜ぶのではなく、むしろ淡々と語り、気を引き締めていました。

国際レースを振り返ると、香港ヴァーズではヨーロッパの賞金王、ハイランドリールが勝利。
アイルランドの名伯楽、エイデン・オブライエン調教師が育てたさすらいの旅人は、この香港ヴァーズをもってついに引退。
世界各地の競馬場を巡る旅に終止符を打ち、クールモアスタッドに繋養されることが決まっています。
一方、香港スプリントではミスタースタニングが勝利。香港で最もレーティングの高い馬となりました。
「今年のレースのクオリティの高さは、世界トップクラスの馬たちと地元香港馬がガチンコで勝負できるようになったことからも窺えるよね。その中でも、香港ヴァーズは史上最高といってもいいほどのいいレースになったね」
「ハイランドリールがこの香港を引退レースの舞台として選んでくれたこと、そしてオブライエン師が自身２８勝目のＧ１勝利を記録したことはまさにこの国際レースが世界第一線のイベントとなったことを示していると思うよ」
と、ＥＢ氏は胸を張りました。

そして、沙田競馬場のスタンドを埋め尽くした地元のファンがこの日一番の歓声を響かせたのが、ローカル騎手デレク・リョン騎手が栄冠を手にした香港マイル。勝ったのはビューティジェネレーションでした。ＥＢ氏はこのレースを振り返り、
「デレク・リョン騎手の勝利は、とんでもない勝利。素晴らしい勝利だったよ。彼は完璧な騎乗をしたね」
と称えました。続けて、
「我々はここ１０年１５年、ジョッキー養成学校に投資を続けてきた。そこ出身のジョッキーが、我々の主催する国際レースの大舞台で活躍するのを見るのは本当に素晴らしい。観衆が彼を祝福する姿を見ると、震えるほど嬉しかったね」
と、相好を崩しました。

この日の観衆は過去の香港国際レースと比べても２番目に多い人数。そしてＥＢ氏にとって売上高も満足いく数字だったようです。
「過去２番目に多い観衆は去年と比べても若干減っただけだし、このお客さんの熱気が素晴らしい雰囲気を作ってくれた。そして、去年と比べて８２００万香港ドルも多い過去最高の売り上げ。この結果は言うことないね」
と達成感とともに語りました。
そして、この結果を作り出した関係者、スポンサーのロンジン、香港の競馬ファン、世界各地のホースマン、さらにジョッキークラブのスタッフたちに何度も謝意を示していました。
「ロンジンの変わらぬ支援にはまずもって感謝申し上げたい。彼らはエレガントで格調高い雰囲気を持ち込んでくれて、それが世界最高峰のレースを作り上げるのに大きな役割を果たしてくれた。まさに、余人をもって代えがたい、このイベントのキーファクターの一つだよ」
「そして、世界中からやってきたホースマンたちは、我々と変わらぬ情熱で馬を仕上げてくれた。毎年１２月、ロンジン香港国際レースで彼らの仕事ぶりを見るのは本当に楽しいんだ」
と、最後は一競馬ファンの表情で語ってくれました。