飯田コージの外はおまかせ！

飯田コージ

1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。

香港競馬通信

3月20日

香港ダービーデーの沙田競馬場では、準メインレースとしてクラス１のラッパードラゴンハンデ（芝１６００ｍ）が行われました。
チャンピオンズマイルに続く春のマイル戦線の裏街道といったこのレース。
アクシデントなどで始動が遅れた実力馬と、ここを足掛かりに重賞戦線へと飛躍を狙う上り馬がぶつかり合い、馬券的には非常に妙味があるメンバーでしたが、穴党がほくそ笑む番狂わせが起こりました。
ダークホースのサウザンレジェンド（キャスパー・ファウンズ厩舎）が、人気を集めた実力馬パキスタンスターやピンウースパークを向こうに回して見事に逃げ切り勝ちを収めたのです。
６頭立てという少頭数のレースとなりましたが、サウザンレジェンドはチャド・スコフィールド騎手を背に外連味なく先手を奪います。
そこから淀みないテンポで馬群を引っ張り、直線へ。
脚は衰えず、残り１００ｍでピンウースパークに捉えられますが、ただでは引き下がらずに叩き合いに持ち込みます。
単勝１７倍のダークホースながら、サウザンレジェンドは最後にもうひと伸び。
ピンウースパークに短アタマ差をつけて、先頭でゴール板を通過しました。
同じくファウンズ厩舎のジョイフルトリニティが３着。人気のパキスタンスターはさらに遅れて４着に沈んでいます。
「こんな素質馬を管理出来て幸せだよ。まさに今、トップクラスのＧ１レベルに駆け上がろうとしている上り馬だからね」
鮮やかな逃げ切り勝ちに、管理するキャスパー・ファウンズ師は饒舌でした。
「葦毛馬（ピンウースパーク）が負かしに来たんだけど、残り２０ｍで確かにこの馬が差し返したよね。そこで勝負が決まった。力強い競馬だったよ。素晴らしい結果だったし、いい騎乗だった。道中は折り合って進みたかったけど、一方で先手は取りたかった。スタートでけしかけ過ぎずに先頭に立てたのはジョッキーの手柄。あれが勝利には必要不可欠だったんだ」

サウザンレジェンドにとっては、こうした番狂わせは２度目の経験です。
一度目は香港国際レースデー、クラス１のフライングダンサーハンデ（１４００ｍ）で単勝１．２倍のナッシンギライクモアを下しています。
この時も単勝２４倍の人気薄でした。
「格上げ挑戦だったけど、この馬は確実に実力を付けていっているよ。着実に良くなっているし、さらにエキサイティングなのはまだまだ力が伸びる余地があるということ。おそらく、今年の１２月ぐらいに力のピークを迎えるんじゃないかな」
と、ファウンズ師はサウザンレジェンドの伸びしろに期待を膨らませています。
当面は、僚馬ジョイフルトリニティと共にＧ１チャンピオンズマイル（４月２９日）を目標としているようです。
その後は、海外遠征も視野に今シーズンを終えるプランを組んでいます。
「ボク自身は遠征は好きだけど、こればっかりはオーナー次第だからね」
と、ファウンズ師。続けて、
「サウザンレジェンドはどこまで伸びるのか、今後が試金石だね。そして、安田記念に遠征できればそれで今シーズンを終えることになると思う。ジョイフルトリニティについては、シンガポールの新しいＧ１、クランジマイルにピッタリじゃないかって思うんだ」
と、具体的な遠征プランを明かしました。

ピンウースパークは負けてなお強しという内容。上りの４００ｍはメンバー中最速の２１秒８８をマークしました。
ベノ・ヤン厩舎、デレク・リョン騎手のコンビは、４月８日のＧ２・チェアマンズトロフィー（１６００ｍ）から４月２９日のＧ１クイーンエリザベス２世杯を目指すローテーション。
このプランは、４着のパキスタンスターも同じ道を辿るようです。