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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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11月19日 |
香港国際レースに向けての前哨戦、ジョッキークラブ3レースが昨日、沙田競馬場で行われました。
今日からの3日間は、その模様をお伝えしていきます。
国際レースはカップ(2000m)、マイル(1600m)、スプリント(1200m)、ヴァーズ(2400m)の4レース制ですが、このジョッキークラブレースは3レース制。
最長距離のヴァーズに相当する2400mのレースがありません。
香港競馬は短距離からマイルまでが主体で、なかなか2400mまでこなせる馬がおらず、出走馬を揃えられないという事情も影響しているのかもしれません。
今年の国際レースは、ヴァーズを除く3つのレースで去年勝ったディフェンディングチャンピオンが出走します。それも、いずれも地元・香港調教馬。
ということで、そうした去年の勝ち馬の動向が注目されるのですが、もっとも連覇に近いとされているのが去年の香港マイル馬、ビューティジェネレーションです。
今年のシーズン初戦からすでに2連勝していて、それもハンデ戦の厳しい斤量をものともせずの勝利。
今回のジョッキークラブマイルも137ポンドという相当重いハンデで「さすがにここは無理だろう」と言われていましたが、蓋を開けてみれば見事な勝利。
普通は負け惜しみを言う2着馬の関係者からも完敗、脱帽という声が上がりました。
2着サウザンレジェンドを管理するキャスパー・ファウンズ調教師はオーストラリアの最強マイラーの名前を出して、
「ウィンクスみたいだね!」
と手放しで大絶賛しました。
勝ったビューティジェネレーションを管理するジョン・ムーア調教師にとっては、昨シーズンの年度代表馬選出、そして今年の香港マイルへの道のりは手慣れたもの。
直近でも、2014/15年シーズンの年度代表馬、エイブルフレンドが同じようなルートをたどっていました。
「たしかにこの馬はエイブルフレンドに似ているよ。大きなレースで堂々としている姿とか、直線力強く伸びてくる姿とか、エイブルフレンドを思い出させてくれるんだ。ここ2走は年度代表馬に恥じないレースをしてくれていて、自分が王者であることを証明してくれているよね。そして、(レーティング評価が現役最高にまで上がったことで)世界中の競馬関係者に香港に名マイラーありと知らしめているんだ」
と、ムーア師は誇らしげに語りました。
ファウンズ師はサウザンレジェンドを送り出しましたが、3馬身差の2着。
勝ったビューティジェネレーションはかつての香港ベストマイラー、グッドババの持つレコードを実におよそ10年ぶりに更新する1分32秒64で走破しました。
ファウンズ師は、
「今日はもう、勝ち馬が驚異的だったことに尽きるよ。レコード破りの好走だなんて、それも3コーナーからあんな風に捲っていって勝つなんて、凄い競馬を見せつけられたね。その意味で、ウィンクスのような別次元の馬ということで、今回我々が負けたのだって仕方のないことさ」
と、脱帽しきりでした。
ビューティジェネレーションは勝ち鞍数でいえば29連勝のウィンクスに及びませんが、しかしながら香港移籍後11戦して8勝という圧倒的な力を見せています。
さらに、昨日の勝利でこのところ4連勝です。
「この馬(ビューティジェネレーション)のレーティングはもう天井知らずだよねぇ」
と、ファウンズ師。昨日のレースでは3角捲りもさることながら、直線では最内から大外まで大斜行しながら3馬身差の圧勝。
その破天荒な勝ちっぷりにも驚かされていました。
ライバル陣営たちが昨日のレースで完敗だと実感したとしたら、レース後にビューティジェネレーション陣営から入ったこのニュースは彼我の実力の違いをさらに思い知るものになってしまいます。
ムーア師は、
「実は、レース前、蹄に不安があるまま臨んだんだ。でも、本番まで3週間あるから良くなると思うよ」
と語りました。
戦略的な騎乗で勝利に貢献したザック・パートン騎手もまた、勝ったビューティジェネレーションを誉めました。
「この馬は本当に素晴らしい馬で、見るたびに良くなっていくんだ」
パートン騎手は、普段は先行してペースを握る戦いぶりのビューティジェネレーションに対して、序盤の先手争いをあえて回避し控える作戦を選択しました。
「先行馬たちは前半800mを信じられないぐらいのハイペースで進んでいたから、ボクはしめしめと思っていたよ。先行馬たちが前半でエネルギーを使ってくれればラクに交わせると思ってね」
一方、負けたジョッキーたちの敗戦の弁を聞くと、やはり何の言い訳もなく完敗のようでした。
2着サウザンレジェンドのダグラス・ホワイト騎手は、
「ボクの馬は本当にいいレースをしてくれた」
だったし、3着ビューティオンリーのニール・カラン騎手は、
「実力通りのいいレースだったと思うよ」
そして、4着シンガポールスリングのチャド・スコフィールド騎手も
「こんなもんだったんじゃないかな」
というコメントでした。
もちろん、ファウンズ師は次走12月の国際レースについては前向きです。
「12月の本番に向けて調子を上げていくつもりだったから、今回はその一端を示すことが出来たんじゃないかな。いいレースで2着に入ることが出来たし、調子は上昇を続けているからね。2着で賞金を積みますことも出来たし、本番に向けてまだまだ良くなる余地があるよ。ただ、現状勝ち馬まではまだまだ差があるかなぁ」
やはり、香港勢の中心はビューティジェネレーションで揺るぎないようです。
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