飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
11月24日
香港国際レースの出走登録馬紹介、今日は香港スプリントと香港ヴァーズです。
まずは、短距離の香港スプリント。
例年香港馬の層の厚さが目立つ短距離界なのですが、今年は日本から遠征のファインニードルに注目が集まっています。
3月の高松宮記念と9月のスプリンターズステークスという、1200mの2大G1を制しての遠征ですから、日本最強スプリンターが香港上陸と見られているようです。
香港独自で日本のG1レースの馬券を売ったりしているからかもしれませんが、本当に香港の競馬ファンは日本の競馬をよく見ています。
この馬があのゴドルフィンの持ち馬であるということ、さらに4月には沙田のG1チェアマンズスプリントプライズに遠征してきていて初めての環境ではないことなども細かく知った上で、侮れないという評価を下しているようです。

もちろん、遠征で慣れない環境の中力を発揮しなければならないというのは厳しい条件であることは確か。
迎え撃つ香港勢だって層の厚さは例年通りで、注目は若武者ホットキングプローンが定量戦、国際レースでどこまで通用するかです。
今シーズン初戦のG3から3連勝中。前走は前哨戦のジョッキークラブスプリントを制しています。
前走、前々走といずれも逃げ切り勝ちを納めているのですが、気になるのは前走2着、前々走3着に下したミスタースタニングとの着差です。
去年の覇者ミスタースタニングと上り馬ホットキングプローンですから、ハンデ戦や賞金別定戦ではどうしても負担重量に差が出来てしまいます。
前々走は11ポンドのハンデ差で着差は1馬身4分の1。
前走は5ポンドの差で着差は半馬身。ハンデ差が詰まると確実に着差も詰まっています。
これをどう考えるか…。去年のこのレースを制しているだけに、国際舞台での経験はミスタースタニングの方が上です。
香港からは他に、今年の春先は目いっぱい輝いていたG1チェアマンズスプリントプライズ馬アイビクトリーが、近走絶不調からの巻き返しを狙います。
また昨シーズンのG1センテナリースプリントカップ馬DBピンも虎視眈々です。
一方、短距離ではあまり存在感がなり欧州勢ですが、今年はG1ジュライカップ4着のサーダンサロットが筆頭格。シンガポールからはリムズクルーザーが2012年のスーパーイージー以来の参戦。5月にシンガポールG1ライオンシティカップを制して遠征します。
全体的には、香港VS日本の激突となりそうな香港スプリントです。

続いて、長距離の香港ヴァーズ。
ここは香港勢が最も苦手にしているカテゴリーで、例年欧州勢が優勝争いをしています。
今年もその流れは変わらず、G1サンクルー大賞を制したヴァルトガイストを筆頭に欧州勢が争覇圏です。
ヴァルトガイストはサンクルー大賞を含め今年4勝のトップクラス中距離馬。
10月には凱旋門賞でエネイブルの4着に入る実力馬で、管理するアンドレ・ファーブル調教師にとって3度目のヴァーズ制覇を狙います。

何しろ過去24回の香港ヴァーズのうち、実に欧州勢が20勝しているというこのレース。
その中でアイルランド馬はわずか2勝にとどまっているのですが、その2勝ともエイデン・オブライエン厩舎のハイランドリールでした(2015年と17年)。
今年は今までとはまた違った重厚な布陣で臨みます。
オブライエン厩舎からは去年の愛ダービーとセントレジャーの2つのG1を制したカプリが参戦し、息子のジョセフ・オブライエン厩舎からも今年の愛ダービー馬にして今月初めにはG1マッキノンS(フレミントン競馬場芝2000m)で小差の2着に食い込んだラトローブが出走します。
オブライエンシニアはさらに、G1メルボルンカップ5着のロストロポーヴィチも送り出します。
結局、アイルランド勢というか両オブライエン厩舎と言うことになりますが、今回は気合が入っています。

日本からは今月のエリザベス女王杯のワン・ツー、リスグラシューとクロコスミアが参戦。
イギリスからは2000年にダリャプールでこのレースを制しているマイケル・スタウト調教師が秘蔵っ子、ミラージュダンサーを送り出します。あまり人気にならないかもしれませんが、8月にはグッドウッド競馬場のG3グロリアスSを制しています。
欧州勢は他に、メルボルンカップ3着のプリンスオブアラン(イギリス)、アイルランドのサルウィンはG1コロネーションカップでクラックスマンのアタマ差2着、今回の凱旋門賞では末脚の切れ味を見せての6着でした。

香港勢は、2013年にドミナントが勝って以来勝ち鞍がないというこのレース。
今回はジョッキークラブカップのワン・ツー、イーグルウェイとエクサルタント、さらに2度G1を制しているパキスタンスターが強力な欧州勢を迎え撃ちます。

香港国際レースは12月9日(日)の午後、順次開催されます。


 
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