1242 ニッポン放送
週間井筒書店
井筒和幸
Diary
3月19日
「焼肉の文化史」(佐々木道雄著/明石書店刊)
きょうは、すんごい立派な本ですよ。
分厚くて、2800円もします。

でもって2800円の本に、
どんなことが書いてあるのかっていいますと、
延々と「焼肉」のお話です。
「えっ、焼肉?」と思われたアンタ。
ナメちゃアカンですぞ。
もう、ただの「うんちく本」とはちゃいます。

「焼肉」は、いつ頃からあるのか?
元は、朝鮮料理だってのは、ご存知かもしれませんが、
誰が最初に肉を焼こうとしたのか?
日本に、どう伝わったのか?
仏教との関係は、どうだったのか?
私も映画に登場させた「ホルモン」…、
「ホルモン」=「放るモン」(捨てるもん)って
俗説が関西にはありますが、
どうやらちゃんとしたモンらしい…などなど。
「いったい、焼肉って何ぞや?」という疑問に、
トコトン答えた本ですわ。

そうそう、ボクがいつも不思議なのはね、
網(鉄板)で焼いてる時は、ン百度もする熱さ。
でも、たれ付けて、口に持ってくるまでには、
食べごろに、スッと冷めてる。
その距離、わずかに30センチ!
あの数秒間のマジック…これぞ「焼肉」の醍醐味ですわ。


<著者について>
佐々木道雄(ささき・みちお)
本名・道淵信雄。
1947(昭和22)年、岩手県盛岡市生まれ。
1970(昭和45)年、山形大学文理学部卒業。
現在、朝鮮半島を中心とする東アジアの食文化史研究に専念。
著書に「朝鮮半島の食文化〜日本・中国との比較から」
「韓国の食文化」など。
この「焼肉の文化史」は、2004年刊。




 
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