議題 「2006 FIFAワールドカップドイツ大会アジア地区最終予選実況中継」
6月21日に第286回ニッポン放送番組審議会が開催され、来年のワールドカップサッカードイツ大会に日本が3大会連続で出場を決めた試合を中心に、ニッポン放送が、いかにサッカー中継に取り組んできたかなどについて審議が行われた。
審議の前に、一連の株問題についてのまとめとニッポン放送の新しい役員人事について説明が行われた。新社長には磯原専務が就任することが明らかにされ、亀渕社長から御礼の挨拶があった。これに対して委員からは社長を慰労する言葉が述べられた。
引き続き今回の議題である「ワールドカップアジア地区最終予選中継」の審議に入ったが、最初に、ニッポン放送が取り組んできたサッカー中継の説明が行われた。ニッポン放送では、「Jリーグ」がスタートする前から、正月の天皇杯サッカー等の中継を行っており、また海外でも日本代表の試合を10年以上前から行っているとして、いわゆる「ドーハの悲劇」と言われる試合の中継などをテープで聞き、今日までのサッカー中継の流れを確認した。さらに海外から中継する苦労話等が紹介され、本題の対北朝鮮戦、つまり日本がドイツ行きを決めた試合の中継について審議に入った。
審議会の席には実際に、タイでの試合の際の中継席が再現され、中継アナウンサーと技術担当者が同席して詳細に説明した。今回の対北朝鮮戦は、当事国ではないタイでの開催というイレギュラー開催であり、また観客ゼロの、極めて稀な試合だったことから、ニッポン放送としては、大歓声のない状況下でいかに盛り上げを図っていくか等について検討し、その結果、観客のいないスタジアムの雰囲気をそのままリスナーに伝える方針を決定した。特に技術担当者は、選手の息遣い、監督の大声、ボールを蹴る音など、普段は大歓声で消されて、聞くことが出来ない音を伝えるべく、集音マイク等を効果的に配置したことを説明し、一方、アナウンサーは大歓声の中での中継に慣れているだけに、歓声のない中での中継に苦労したことを明らかにした。
こうした説明に対して委員からは、ゴールした際に、「ゴ〜ル」と叫ぶ中継についての喋り方について、また今回の無観客試合の際の集音など技術的なことについて、次々に質問が出された。また、サッカー協会最高顧問で当番組審議会副委員長の長沼健氏に意見を求めるなど、放送だけでなく、サッカー全般について活発な意見交換が行われ、第286回番組審議会を終了した。次回は7月19日(火)に開催予定。
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