05月08日岐阜県養老郡養老町

岐阜県 養老郡養老町編

養老山麓に広がる県民憩いのスポット、「養老公園」。
パークゴルフ場、テニスコート、こどもの国などを有する広大な都市公園です。

巨岩老樹に囲まれた公園の一番奥にそびえるのが、「養老の滝」。
高さおよそ30メートル、幅およそ4メートル。
岩角を打って流れ落ちる水は大迫力で、日本の滝百選にも選ばれています。

そこから歩くこと15分。ひっそりと建つ養老神社が見えてきます。
古くは養老明神といい、1504年、永正元年には菅原道真を合祀しました。

境内には、滝の水がお酒になったという親孝行の昔話
「養老孝子伝説」に出てくる霊水、「菊水泉」が。

昔々、貧しい若者が老いた父親に大好きな酒を飲ませてあげたいと願うと
清水が酒に変わったという言い伝え。
その噂は、遠く奈良の都にまで届き、
時の帝・元正天皇はこの地に訪れ、元号を「養老」と改定。
その霊水を飲んだ元正天皇は若返ったのだとか。

「うわ〜、菊水泉からは、今もこんこんと水が湧き出しているのね」

養老と元号が変わってから、来年で1300年。
湧水の生命力に、想像を絶する歴史の重みを感じます。

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1995年、平成7年オープン、養老公園の一角にある「天命反転地」。
世界的に有名なアーティスト、荒川修作氏と
そのパートナーで詩人のマドリン・ギンズ氏の30数年に及ぶ構想を実現した、
壮大な芸術作品です。

園内には天地が逆だったり、水平な地面が少なかったりといった、
平衡感覚を錯覚させるような仕掛けが満載。
身体を使い、バランスをとり、
自分の身体の持つ様々な可能性を発見しながら進んでいきます。

作品の1つ、「極限で似るものの家」。
岐阜県の形をした屋根が特徴の建物で、内部は迷路のようになっています。

「へえ、『地霊』という作品は、中は暗がりになっている。こっちは…『運動路』?
  不思議、中にはいくつものソファと流し台が置かれている」

「養老天命反転地記念館」は、
十二単の羽衣を着た天女が空から舞い降りたような鮮やかな建物。
不規則に注ぐ太陽の光とあいまって、不思議な空間を作り出しています。

今まで出会ったことがない不思議体験の数々。
まさに迷宮に迷い込んだ気分です。

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岐阜県道56号、南濃関ヶ原線の別名は、「焼肉街道」。
この辺りには、飛騨牛などの精肉企業が集結。
そこに軒を連ねる焼肉店は安くて美味しいお肉が味わえると評判です。

まずは「やきにく藤太」へ。
人気の秘密は、極上の飛騨牛を驚きの価格で食べられること。
厚切りにカットされたお肉を、
さっと炙って特製のおろしポン酢でいただきます。

「内モモの下のところにある球状をした赤身肉は『シンタマ』。
  もも肉の特に柔らかい部分は『イチボ』っていうのね。
   貴重な部位も、メニューに載っているんだ。
    さあて、お味は‥。ん〜、柔らかくって、口の中でとろけちゃいそう」

続いては、屋外に作られた施設でバーベキューをすることができる
「養老うまいもん広場」へ。
隣にあるお肉の直売所で買った飛騨牛や養老山麓豚などを持ち込み、
焼いてもらえるというシステム。
野菜やお皿も料金に含まれているため、手ぶらで来られるのも魅力です。

焼肉街道のすぐ西側には養老山脈が広がり、眺望も最高。
県外から多くの食通が通うのも納得です。

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愛宕神社の春祭、「高田祭」。

愛宕神社の火の神「カグツチ」を祀るもので、
養老町の中心にある高田地区の火伏せを祈願して行われます。
その起源ははっきりとはわかりませんが、
1759年、宝暦9年、地元の若衆が愛宕神社の祭礼に「獅子にわか」を奉納し、
その3年後に「獅子やま」を求めたことが、古文書に記録されています。

高さは優に6メートル、重さおよそ6トン。
県指定重要文化財の「やま」三両が、
揃いの法被・ゆかた姿の「やま曳」によって曳かれます。
「やま」は250年ほど前に作られ、修繕しながら受け継がれているのだとか。

優雅な横笛、太鼓の囃、謡。
やま曳きの勇ましいかけ声と拍子木の音。
ギュウギュウと軋む重い「やま」。
それらの音色が1つになって、見る者の興奮を煽ります。

「やま」は所々で止まると、人形からくりや神楽などを披露。
なんともあでやかで、なんとも荘厳な時代絵巻です。

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<街歩きパートの曲紹介>

養老の町歩きと併せてお届けした曲は‥

  M1‥ボストン、「アマンダ」
  M2‥リマール、「ネヴァー・エンディング・ストーリー」
  M3‥キム・ワイルド、「キープ・ミー・ハンギン・オン」
  M4‥エンジェル・グラント、「アイ・ラヴ・ユー」
    そして
  M5‥シカゴ、「シング・シング・シング」でした。




<花鳥風月〜旬の言の葉>

四季、時とともに移りゆく春夏秋冬。
そして、自然の流れにそうように存在する、数々の言葉。
彩りのある日本語を、季節の歌とともにお届けする
「花鳥風月〜旬の言の葉〜」
今回、注目するのは…『カーネーション』

日本には日々の暮らしに溶け込み、
心和ませるいくつもの風物詩が1年を通じて巡ってきます。
それらが季節の景色を彩り、風にのって薫り、聴こえ…私達のまわりを包むことで、
趣きのある言葉が紡ぎ出されます。
花鳥風月、季節ごとの草花や生き物、旬の味覚、年中行事、詩まで、
日本の気候風土に寄り添うように存在している数々の言葉を知ることで、
日常生活を心豊かなものにしたいですね。
今回、ご紹介する旬の言の葉は、『カーネーション』。

「母の日」に贈る花、カーネーション。
歴史はとても古く、古代ギリシアの時代から香料として栽培されていました。
またヨーロッパではキリストが処刑されたときに
聖母マリアが流した涙の後から生えた花、という言い伝えがあります。
カーネーション全般の花言葉は「無垢で深い愛」ですが、
色ごとに花言葉が異なります。
赤は、血の色であり、通い合った血縁の意味を持つので「母への愛」や
「情熱」「信頼」など。
母の日に赤いカーネーションを主流に贈るのは、このような意味合いからです。
可愛らしくて柔らかい印象を与えるピンクのカーネーション。
花言葉は「温かい気持ち」や「気品」「感謝」などです。
家族や友達をはじめ、仕事関係で贈るときなど、
ピンクを入れることで優しい印象になるのでオススメとも。
そして、白いカーネーションの花言葉は「尊敬」や「純潔」「別離」などです。
一説では、母の日には母が健在ならば赤いカーネーションを贈り、
亡くなられているなら
お墓などに白いカーネーションを供えるとも言われますので、参考までに。


  M1‥森山良子 with 50人のお友だち、「この広い野原いっぱい」
  M2‥吉田山田、「母のうた」