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2021年5月19日
ノルディックスキー・川除大輝選手 (2)

5月15日(16日)の放送には、前回に引き続き、ノルディックスキーの川除大輝(かわよけ・たいき)選手にリモートでご出演いただきました。

 

2019年4月、日本大学に入学。

大学ではスキー部に所属し、平日はランニングをしたり、長い休みに入ると登山やローラースキーを使った練習をしているといいます。

しかし、コロナ禍による影響で、大学の授業はすべて対面からオンライン授業に切り替わり、チームで動いていたスキー部の活動も休止。

ランニングやウエイトトレーニングなど一人でできる練習を行っていましたが、「切磋琢磨して競い合える相手がいない」ことでメンタル面で影響を受けたと話します。

 

モチベーションとなっているのは「寝られる」ということ。

もともと「寝るのが好き」だということですが、大学生になるとどうしても寝る時間が少なくなっていました。

そこで、(オンライン授業になって時間に余裕ができたので)「寝られるぞ!」という気持ちを励みに、「練習時間も増える」とプラスに考えてトレーニングに取り組んでいます。

 

今年2月、来年の北京2022パラリンピック代表選考を兼ねた「2021ワールドパラノルディックスキージャパンカップ札幌大会」が開催されました。

久しぶりの実戦、そして北京大会の出場権を獲得するためのポイントレース対象となる重要なこの大会で、川除選手はフリー・ミドル(12.5km)とフリー・ショート(7.5km)で優勝し、今シーズン初勝利。

「課題というよりは良い点の方がたくさんあった」と手応えを感じる大会となりました。

クロスカントリースキーは体の負担が多い競技で、レースの次の日に全身筋肉痛になることもあるそうです。そのような状況でも「しっかり体を動かせた」と言い、そのことで「しっかり練習ができていた」ことを実感できたと話します。

 

その後、3月にはフィンランドでワールドカップ開催、昨年2月のドイツ大会以来の海外遠征へと向かいました。

「会場ではマスクを必ず着けて、合宿期間中はP C R検査を合計で5回くらい行いました。食事も各国ごとに部屋が分けられていました」

感染予防対策を講じながら行われたシーズン最終戦。

川除選手はレースをこう振り返りました。

「ロシアの選手が表彰台を独占して、タイム差で優勝しましたが、(パラリンピックまでに)自分がそこに追いつけるかどうかというのが不安になりました。ロシア勢が強かったので、そこに向けて北京までに仕上げないといけないという気持ちになりました」

 

その不安と焦りを払拭するため、パラリンピックシーズン前のこの夏場には下半身強化に取り組むといいます。

「札幌大会でレースの後、筋肉痛になったという話をしましたが、やはり下半身がまだ弱いから筋肉痛になると思っています。下半身強化をしていかないとまだ速くなれないなというのはフィンランド大会でも感じました」

そして、10ヶ月後に迫った北京2022冬季パラリンピックに向け、意気込みを語りました。

「強豪ロシアがいる中ではありますが、自分の実力を発揮できれば自然と結果はついてくると思っています。パラリンピックで着実に実力を発揮できるように、日々の練習を積み重ねていきたいと思います!」

 

最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい“Going Upな一言”を伺いました。

『チャンスがあればチャンスを生かす』

いろいろな選択がある中でチャンスを生かせる選手でありたい、という思いが込められた言葉です。

笑顔がとっても素敵で「応援したくなる!」と鈴木亮平さん。

パラノルディックスキー界の若きエース・川除大輝選手の今後の活躍に期待が高まります!

 

川除大輝選手のリクエスト曲:START / Gaho

昨年の春、外出自粛期間中にハマったというのが韓国ドラマ。4つのドラマを見たそうです。

その中から「梨泰院クラス」のテーマソングをリクエストして頂きました。

 

 

次回のゲストは、バレーボール元日本代表の大林素子さんです。

どうぞ、お楽しみに!

2021年5月15日
ノルディックスキー・川除大輝選手 (1)

5月8日(9日)放送には、ノルディックスキー界・期待の若手、川除大輝(かわよけ・たいき)選手にリモートでご出演いただきました。

 

2001年2月生まれ、現在20歳の川除選手。

6歳のとき、いとこに誘われてスキーを始めました。

当時所属していたスポーツクラブでは、冬にクロスカントリースキーを行い、そこでこの競技の楽しさや面白さを教わったといいます。

パラリンピックの存在を知ったのは、小学生の頃。

長年にわたり日本のノルディックスキー界をリードし、パラリンピックチャンピオンに輝いたレジェンド・新田佳浩(にった・よしひろ)選手に出会ったことがきっかけでした。

ただ、その時はまだ「パラリンピックを目指そうか迷っていた」と語ります。

 

転機が訪れたのは中学2年生のとき。

北海道・旭川で開催されたノルディックスキーのワールドカップ(W杯)にオープン参加し、そこで世界のトップ選手たちの滑りを間近で見て、心が動きます。

「自分もこの世界で戦いたい。この選手たちに勝ってみたい!」

小さな炎が灯った瞬間でした。

 

そうして、パラリンピックを目指して本格的に競技に取り組む生活が始まります。

2016年からは強化指定選手としてトレーニングに励み、2018年、ついに念願のパラリンピック出場を果たします。

高校生(17歳)にして出場した「平昌2018冬季パラリンピック」では、クロスカントリー・ロング(20km)で9位、ミドル(10km)で10位の成績を収め、アンカーを務めた混合10kmリレーでは、日本チームとして過去最高の4位に入賞しました。

自身初のパラリンピックとなった平昌大会をこのように振り返ります。

「個人の9位、10位という成績は自分の中であまり納得できる結果ではなかったので、悔しい気持ちが大きいですが、初めてパラリンピックに参加したというだけですごく大きな経験になりました。世界の選手と滑り合えるというのは自分の中でもプラスになるので、とても良い経験になりました」

 

平昌大会では悔しい思いもしましたが、それが翌シーズンの大躍進を生む原動力となります。

W杯・フィンランド大会での銀と銅の2つのメダル獲得を皮切りに、2019年2月の世界選手権ではスプリント・フリーで銅メダル、そして、ロング・クラシカルでは日本勢として2003年の新田佳浩選手以来となる金メダルに輝きました。

「平昌から1年後で、まさか自分が金メダルを獲れるとは思っていなかったので、びっくりした気持ちが大きかったです」と、当時の率直な心境を語る川除選手。

「レース中に(今の順位が)1位って言われて、それでも世界の選手たちは後半に抜いてくるんだろうなと思って、まだまだ自分の力が足りないなと考えていました。そうしたら、タイム差が意外に縮まらなくて、『このままいけるんじゃないか』って、レース中に一人ですごくウキウキな気分になっていました」

 

世界選手権の後に行われたW杯・札幌大会でもミドル・フリーで金メダル、ショート・クラシカルで銅メダルを獲得し、世界に大きな存在感を示しました。

今では、ずっと追いかけてきた憧れのレジェンド・新田選手の背中もしっかりとらえています。

「新田選手は目標でもあり、ライバルでもあります」

 

川除選手は身長161cm、スキー選手の中では小柄です。

体格の大きい選手が下り坂で加速しスピードに乗るのに対し、体重が軽いとあまり加速ができないため(下り坂では)「不利」になることもあるといいます。

一方で、小柄ゆえに得意な動きがあると胸を張ります。

「僕は小柄な分、“体のキレ”が他の選手よりもあると思っています。そこを生かしてレースをしているので、一番の強みは“体のキレ”だと思います」

この体の“キレ”とは体を速く動かすことを言い、例えば、レース中の「勝負どころ」でいかにタイムを落とさず他の選手を上回ることができるか、という場面で必要になると話します。

体と向き合い、自分の滑りを極めていきます。

 

「自然の中でスキーを滑ることができる」のがクロスカントリーの楽しさだと語る川除選手。

次回は、10ヵ月後に迫った北京2022冬季パラリンピックに向けての想いを伺います。

どうぞ、お聴き逃しなく!

 

川除大輝選手のリクエスト曲:サザンカ / SEKAI NO OWARI

初めて出場したパラリンピック・平昌2018冬季大会の思い出が詰まった一曲だということです。

2021年5月8日
車いすバスケットボール・豊島 英選手 (2)

5月1日(2日)の放送には、前回に引き続き、車いすバスケットボールの豊島英(とよしま・あきら)選手にリモートでご出演いただきました。

 

今回は、豊島選手がキャプテンを務める車いすバスケットボール男子日本代表について伺いました。

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、昨年の外出自粛期間中は代表合宿をはじめとする競技活動が中止となりました。

その間、チームメイトとは電話やグループでビデオ通話をしながらコミュニケーションを取っていたと話します。

先の見えない状況のなか、お互いの近況について話し合ったり、海外チームと対戦している試合動画を見て意見を出し合い全体でシェアしたといいます。

 

しかし、男子日本代表は2019年12月のアジアオセアニアチャンピオンシップス(タイ)以来、試合を経験しておらず、国内でも大会の中止が続きました。

豊島選手は、実戦ができていないことへの心境を率直に語ります。

「ヨーロッパではリーグが再開されていて、強い強度の中プレーできています。しかし、日本は代表合宿でしか試合形式を実施できていないので、海外のチームよりも劣っている可能性はあると思っています。代表合宿ではできるだけ強度の高い、例えば海外で経験した選手が引っ張っていくということも行っていますが、(実践という部分では)少し課題はあるかなと思います」

 

男子日本代表では2019年から「一心」というキーワードを掲げています。

豊島選手の提案によるものだったといいますが、どういう思いから生まれた言葉だったのでしょうか?

「このチームに何か軸になるものがあった方がいいと感じて、ひとつになれる言葉だったりみんなが意識して強くなるキーワードみたいなものがあるといいなと思ったんです。最終的には僕が決めたのですが、選手たちと相談しながら意見を出し合って決めました」

そして、この「一心」は、チームメイトの心をつなぎ、心の支えになったのです。

「コロナ禍において救われた言葉でもありましたね。先が見えなくて、どうしていこうかとチームがバラバラになりつつあった時期に、やっぱり東京2020パラリンピックに向かってひとつになって向かって行こう!というものにもなりました」

 

心を一つにして、東京2020パラリンピックでのメダル獲得を目指す車いすバスケットボール男子日本代表。

今回Going Upでは、2016年のリオ大会以降キャプテンを務める豊島選手だからこそ知る、日本代表候補選手たちの素顔に迫りました。

 

題して「男子日本代表候補選手で一番〇〇なのはこの選手だ!」

 

Q.日本代表候補選手で一番ストイックなのは?

赤石竜我(あかいし・りゅうが)選手

「若い選手ではありますが、コートの中で声を出し続けてプレーで引っ張っています。常に自分に満足せず、先輩に追いつこう、上手くなりたい、というのが見て取れます。そして、いつも一番初めにコートに立って練習を開始しています!」

 

Q.日本代表候補選手で一番オシャレなのは?

篠田 匡世(しのだ・まさつぐ)選手

「服装にもたぶんお金をかけていると思いますし、髪型もコロコロ変えて、女性受けを狙っているなって思います(笑)」

(鈴木亮平さん談:若干、言葉にトゲがありますね~笑)

 

Q.日本代表候補選手で一番のムードメーカーといえば?

面白いのは土子大輔(つちこ・だいすけ)選手です!

「最年長ですが一番ふざけていると思います(笑)もちろん真面目な時は本当に真面目なのですが、オフの時は基本的にみんなを笑わせようとこっそり考えています」

 

鈴木亮平さんは前のめりに話を聞いていました(笑)

時間の都合上わずか3問ではありましたが、日本代表候補選手たちの仲の良さがうかがえました!

 

最後に、中学2年生で車いすバスケットボールを始め、もうすぐ競技歴20年を迎えようとしている豊島選手に、今後の目標を伺いました。

「まずは東京2020パラリンピックでメダルを獲るということが今の一番の目標です。その先に何が待っているのかはまだ考えていませんが、このパラリンピックを集大成として、結果を残して、次を考えたいと思っています」

 

豊島選手の“Going Upな一言”は「あきらめない」。

この言葉を体現するという強い決意を口にしました。

「東京2020オリンピック・パラリンピックが延期になったことによって選手を引退した方もいらっしゃったと思います。言い方は悪いのですが、自分の中でそれはあきらめに近いのかなっていう思いも正直あったんです。というのも、僕もその時期にどうしようかなと考えた一人でもあったので。でもそこで自分は、メダルを獲るために踏ん張ってこの一年間やりたいと思ったので、あきらめず最後まで進みたいと思っています!」

 

豊島英選手のリクエスト曲:ワタリドリ / Alexandros

「一心に羽ばたいて」という歌詞に心を掴まれたという豊島選手。日本代表チーム一人ひとりが渡り鳥のように、人々に何かを届けたい、という思いが生まれた曲だということです。

 

 

ここで、嬉しいニュースをお知らせします!

5月9日(日)、車いすバスケットボール男女強化指定選手による「有明特別強化試合」が行われます!

会場は東京2020パラリンピックの車いすバスケットボール会場のひとつである、有明アリーナ。

残念ながら無観客での開催となりますが、試合の模様は「JWBF(日本車いすバスケットボール連盟)公式YouTubeチャンネル」でライブ配信されます。

・10時00分  女子強化指定選手vs千葉ホークス(男子クラブチーム)

・13時30分  男子強化指定選手による紅白戦

ぜひ、ライブで、車いすバスケットボールの迫力あふれる試合をお楽しみください!!

 

 

次回のゲストは、クロスカントリースキーの川除大輝選手です。

どうぞ、お楽しみに!