放送局・放送日時
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今回のゲストは、車いすバスケットボールの植木隆人(うえき・たかと)選手と山口健二(やまぐち・けんじ)選手です。
鈴木亮平さんが、東京2020パラリンピックで実施される競技に挑戦するWeb動画シリーズ『鈴木亮平の熱血パラリンピックスポーツチャレンジ!』で、両選手はお手本を見せてくれたり、鈴木亮平さんと“対決”もしています。
鈴木さんが車いすバスケットボールに奮闘する様子、そして、植木選手と山口選手の華麗な車いす操作を、ぜひチェックしてみてください!
(番組ホームページにあるリンクからアクセスできます)
さて、植木隆人選手が車いすバスケットボールを始めたのは18歳の時。
小・中学生の頃は野球に励んでいましたが、交通事故により脊髄を損傷。車いすでの生活となりました。その後、リハビリをやっていた時に出会った車椅子メーカーの方の勧めで車いすバスケを始めますが、最初は何もできなくて悔しい思いをしたと言います。
その“悔しさ”が車いすバスケットボールにのめり込むきっかけとなりました。
山口健二選手は、19歳の時にバイク事故により片足を切断。入院中に地元・福井県で車いすバスケをやっている方から、一緒にやらないかと声をかけられます。
しかし当初は、“障がい者スポーツ”というものが受け入れられず、興味もなく、かっこいいとも、やりたいとも思わなかったそうです。
退院をして社会復帰もしてしばらくすると、何か新しくできることがあったらいいなと思うようになります。そういえば、入院中に誘われたなというのを思い出し、地元の車いすバスケットボールチームの練習に顔を出したのがきっかけとなり車いすバスケットボールを始めることになりました。
それまでスポーツの経験がない山口選手にとって、はじめは“楽しい”よりも“悔しい”という気持ちがほとんどでした。同じ歳で、同じような人間なのに、自分だけできない・・・
その“悔しさ”が今でも原動力となっています。
「やるからにはうまくなりたいし、負けたくないので、楽しいよりも悔しいという気持ちがいつもある。“悔しい”って思わないと続けられない」
そう語る植木選手には、チームを強くしていく上で、自分がチームの勝利に導く選手でありたいという思いがあります。
試合で負けた時には、結果ではなく、チームに貢献できなかったふがいない自分に対して、毎回 “悔しい”と思っていると話しました。
千葉県の強豪、車いすバスケットボール・クラブチーム「千葉ホークス」では同期だという植木選手と山口選手。
それぞれのプレーの強みについて伺いました。
山口選手が思う植木選手の最大の武器は、日本一の速さを誇る「圧倒的なスピード」
「もう日本一ではなく、世界一なんじゃないかと思うくらいの速さ」だと大絶賛!
さらに、走りながらそのスピードを活かしてシュートする「ランニングシュート」は植木選手の一番好きなプレーだと教えてくれました。
植木選手が思う山口選手の強みは「日本一の高さ」
高さがあって、なおかつパワフルで、動きがシャープ。
ゴール下のシュートは絶対はずさないし、それだけではなく、アウトサイドからのシュートや、チームが一番苦しい時にミスマッチのショットを確実にしとめてくれるのが魅力だと、こちらも大絶賛です。
お互いのプレーへの信頼とリスペクトがうかがえます。
千葉ホークスに加入した当初、同期の仲間と「このメンバーで一緒に全国大会で試合に出たいね」と語り合ったという両選手。
その夢は数年前に叶ったといいます。
今や、中心選手として、チームには欠かせない存在となった植木選手と山口選手。
5月19日(土)と20日(日)には、車いすバスケットボールのクラブチーム日本一を決める国内最高峰の大会 『天皇杯 第46回 日本車いすバスケットボール選手権大会』が、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで開催されます。
両選手が所属する「千葉ホークス」も出場し、頂点を目指します!
植木隆人選手のリクエスト曲:釣りよかでしょうのテーマソング / 江頭勇哉
釣りが好きで「釣りよかでしょう」というYoutuberの動画をよく見ているという植木選手。リラックスできてワクワクするこのテーマ曲を、試合前に聴いたりするそうです。
試合前に“アツい”曲を聴いてボルテージを上げるスポーツ選手も多い中、そういう曲を聴いてしまうと、「気持ちが高ぶりすぎて、体にものすごく力が入り空回りしてしまう」ので、こういうリラックスできる曲を聴くことによっていいコンディションを作っていると、その理由を教えてくれました。
次回も、車いすバスケットボールの植木隆人選手と山口健二選手をお迎えして、「千葉ホークス」について、そして、天皇杯への意気込みを伺います。どうぞお楽しみに。
パラトライアスロンの宇田秀生(うだ・ひでき)選手を迎えてお送りした第2回目。
2人の息子さんのお父さんでもある宇田選手ですが、家では「全力で子供と遊ぶ」パパ。
最近の日課は、寝る前に本気で相撲をとることで、塩を撒く土俵入りから始めるという徹底ぶりだということです。
さて、今から5年前。
宇田選手は事故により右腕を失いました。リハビリでプールに通っている頃、トライアスロンがリオ2016大会からパラリンピックの正式競技になることを知ります。
「パラリンピックに出たい!」
これまでサッカーで走っていて、今は水泳に取り組んでいる、あとは自転車をやれば、もしかしたらいけるんじゃないか・・・
そんな思いから、トライアスロンを始めることになりました。
ふだんは会社員として仕事をしながら、出社前、早い時は朝4時半に起きてトレーニングをして、仕事後はジムに行く毎日。
日本トライアスロン連合の強化指定選手に選ばれてからは、合宿に参加して競技に必要なテクニックを習得しながら、出場大会で着実に記録を残していきました。
そして、昨年、ITU世界パラトライアスロンシリーズ・エドモントン大会で2位(PTS4 クラス)になったことにより、国際トライアスロン連合(ITU)のパラトライアスロン・ポイントランキング世界一となりました。(現在は、世界ランキング3位)
レースの結果で付与されるポイントによる、このランキング。
「実力でいうと世界1位でも3位でもない。もっと強くて自分より早い選手が海外にいるので、しっかり、実力でランキング通りの上位に入れるようにしたい」と、冷静に語ります。
これまで出場したレースで印象深かった大会は、昨年、横浜で開催された『ITU世界パラトライアスロンシリーズ』だといいます。
気候や海の波など、コンディションがよくない中で行われたこの日のレース。
気合い充分で臨んだものの、高い波で荒れる海では自身の泳ぎが全く通用せず、スイムの弱さを痛感した大会となりました。
6位という結果に終わり悔しいレースにはなりましたが、課題がみえて、海外選手の技術から学ぶことや発見することがいろいろとあったと振り返りました。
パラトライアスロンをやっててよかったと思うことは、
「ゴールした時の達成感。そして、いろんな所に行って、いろんな国の選手と出会えること」
“東京2020パラリンピック出場!”という目標に向かって、宇田選手は全力で泳ぎ、漕いで、走り続けます。
最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい“Going Up”な一言を伺いました。
『やる時はやる!!』
オンとオフをしっかり切り替えて、子供と遊ぶときは遊ぶ、競技をやるときは真剣にやる!という決意が込められた言葉です。
5月12日(土)と13日(日)には、横浜の山下公園周辺で『2018 ITU世界トライアスロンシリーズ横浜大会』、そして、6月17日(日)には宇田選手の地元・滋賀県で『第4回びわ湖トライアスロンin近江八幡』が開催されます。
観戦を楽しむポイントは「スタート前の緊張感」、そして「ゴールした後の選手たちのやりきった表情」!
そう教えてくれた宇田選手も出場予定のこのレース。
ぜひ足を運んで、パラトライアスロンの魅力を満喫しましょう!
宇田秀生選手のリクエスト曲:Life is Beautiful / 平井大
(リラックスしたい時によく聴く曲)
次回のゲストは、車いすバスケットボールの植木隆人選手・山口健二選手です。どうぞお楽しみに!
今回のゲストは、パラトライアスロンの宇田秀生(うだ・ひでき)選手です。
トライアスロンは、スイム(水泳)バイク(自転車)ラン(長距離走)の3種目を連続して行う、まさに超人レース。
パラトライアスロンでは、スイム750m、バイク20km、ラン5kmの合計25.75kmと、一般のトライアスロンの半分の距離で行われ、その合計タイムで順位を競います。
リオ2016大会から、パラリンピック正式競技となったパラトライアスロン。
パラスポーツ特有のルールとして障害に応じた「クラス分け」がありますが、パラトライアスロンでは、現在、大きく「シッティング(座位)」 「スタンディング(立位)」「ブラインド
(視覚障がい)」の3つのカテゴリーに分けられています。
(※東京2020大会での、クラス分けや種目数は現在のところ未定です)
シッティング(座位・PTWC)のクラスは、 両足に障害を持つ車いすの選手たちのクラスで、バイクではハンドバイク(ハンドサイクル)、ランでは競技用車いす(レーサー)を使用します。
視覚障害(PTVI)のクラスでは、ガイド(同性の伴走者)がレース全体を通して1人つき、バイクでは、2人乗りのタンデムバイクを使用します。
スタンディング(立位)のクラスは、障害の度合いにより(障害が軽い順に)PTS5、PTS4、PTS3、PTS2の4つのクラスに分かれています。
陸上競技のように障害の内容(上肢障害や下肢障害等)によるものではなく、“機能評価”によって分けられるため、例えば、上肢障害の選手であっても下肢障害の選手であっても、障害の程度が同じくらいであれば、同じクラスということになります。
宇田選手のクラスは、PTS4というスタンディング(立位)のクラスで、バイクでは健常者の選手と同じロードバイクを使用します。
事故により右腕を切断した宇田選手専用に、自転車は、1つのレバーで前後同時にブレーキがかかるように改造されています。(ロードバイクの改造は許可されています)
スイム、バイク、ランの中で、宇田選手が最も得意なのはラン。
小学生の頃から大学まで、ずっとサッカーをしていたというのが、現在の強みになっています。
反対に、苦手なのはスイム。怪我をした後に始めたため、どうしても幼い頃からやっていた選手とは差がでてしまうそうです。
パラトライアスロンでは、スイムからバイク、バイクからランに移り変わる「トランジション」にかかった時間も合計 タイムに含まれます。
そのため、いかに早く着替えて次の種目に移れるか、選手たちはそれぞれに工夫します。
宇田選手が今回、こっそり(?)教えてくれたのは、スイムからバイクへのトランジションをより早く行うため、ウェットスーツを着る前に“リンスを全身に塗る”ということ。
ベトベトせず、サラッとしているので、ウェットスーツがスポッときれいに脱げて、しかも、全身 “いい香り” で次の自転車に移れるという素敵なおまけ付きです。
この“工夫”は、ブラジルの選手に教えてもらったもので、宇田選手はこれを、日本のパラトライアスロン選手たちにも教えてあげたそうです。
レースでは、それぞれの選手たちの“工夫”にも注目ですね!
『超人レース』とも呼ばれるトライアスロンは、
「正直、つらいです…」
ただ、「辛ければ辛いほど、ゴールした時の達成感は大きい!」
と、パラトライアスロンの魅力を教えてくれました。
宇田秀生選手のリクエスト曲:Yes I am / ONE OK ROCK
気持ちが“あがる”曲。ジムでトレーニングする時にずっと聞いているそうです。
次回もパラトライアスロンの宇田秀生選手にお話を伺います。どうぞお楽しみに!