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2020年4月3日
トレーナー・仲田健さん (1)

3月28日(29日)の放送では、トレーナーの仲田健(なかた・けん)さんをゲストにお迎えしてお送りしました。

 

仲田さんはこれまで、元・阪神タイガースの桧山進次郎さん、柔道でオリンピック3連覇を果たした野村忠宏さん、ゴルフの石川遼選手、リオ五輪・陸上 4×100mリレー 銀メダリストの山縣亮太選手をはじめとする数々のトップアスリート、そして、話題を呼んだドラマ「テセウスの船」で鈴木亮平さんの息子役を演じた竹内涼真さんのトレーニングも指導してきました。

「トレーニングコーチ」として、栄養アドバイスや、コンディション・体づくりの調整、メンタルのケア、選手によっては技術指導のアドバイスを行うなど、幅広くトレーニング指導を行なっていらっしゃいます。

 

競技ごとの特性がありながら、例えば、野球でいうと、同じピッチャーというポジションでも、選手によって課題が違うためトレーニング内容も全く違うといい、同じ選手であっても、年齢やその時々の状態によってトレーニング方法が変わってくるそうです。

実は、トレーニングは好きではない、競技で結果を出すために仕方なくトレーニングをやっている…というアスリートの本音があることも確かで、そのモチベーションを上げることも仲田さんの仕事。

選手の性格に合わせて、時には厳しく言ったり、時にはおだてながら指導しているそうです。

 

中学生のときにはバレーボール、高校、大学時代には陸上の円盤投げに励み、ジュニアの日本代表(円盤投げ)にも選ばれたことがあるという仲田さん。

トレーナーの道へと進む大きなきっかけとなったのが、ある選手との出会いでした。

 

大学生の頃、スポーツに関連した仕事がしたいと思っていたという仲田さんですが、当時(30年前)はまだ「トレーナー」や「パーソナルトレーナー」といった仕事の地位や認知度が低い時代。

スポーツクラブのインストラクターなどが主で、個人で契約するというのはまだまだ少ない状況でした。

そのため、そういう仕事に携わりたいという気持ちはあっても、どうやったらいいかわからないという中で、スポーツクラブでアルバイトをしながら、何かちょっと違うなという思いを抱えていたそうです。

そんな時、たまたまテレビで、野球の球団(近鉄・当時)でコンディショニングコーチをしている方の特集を見て、(私はこういうことしたいんだ、競技選手を教えたいんだ)と思ったという仲田さん。

そうはいっても、全くコネクションもないし、どうしたらいいのかと考えていたところ、当時アルバイトをしていたスポーツクラブに、偶然、阪神タイガースの桧山選手が来たそうです。

その出会いが、その後の人生を大きく変えることになります。

 

桧山選手とは同級生にあたる仲田さんですが、当時、プロ1年目の桧山選手の存在については知らなかったといいます。

空いている時にトレーニングに来る桧山選手と出会い、そのうち話をするようになった二人。

「1日でも長く野球選手としてやっていきたい」

「トレーナーという仕事をできるようになりたい」

頑張ってやるから頑張ろうね、と、お互いの思いが一致しました。

 

「お金はいらない、結果が出た時にお金をくれればいい。その代わり、一生懸命やってくれ」

それから3年、桧山選手は一軍と二軍を行ったりきたり。ひたむきにトレーニングを重ね、4年目にはついに4番バッターとなりました。

年俸も増え「やっと健ちゃんにお金払えるわ」と、それまでのトレーニングのお礼を渡してくれたそうです。

それが、トレーナーとして初めて選手からお金をもらった経験となりました。

最近はだいぶ長くなっているそうですが、プロ野球選手の実働年数は6年くらいだと言われているそうです。その中で、桧山選手は22年間も球団に在籍し、プロとして活躍しました。

仲田さんは、この出会いがきっかけとなり、今までトレーナーの仕事を続けられるとは思っていなかったと感慨深く話しました。

 

余談ですが、桧山選手が4番を打ってた頃、ちょうど甲子園球場でビール売りのアルバイトをしていたという鈴木亮平さん。

「桧山選手と同時にスタートして、一緒に上がって行って、お互いが成功した。ロマンがある話ですね」と、柔らかな表情で語っていました。

 

現在も、数々のトップアスリートを指導している仲田さん。

最後に、トレーナーという仕事の魅力について伺いました。

「スポーツには勝った負けたというのがある中で、努力したことに対して結果が出ると、すごく達成感があります。(鈴木さんが)作品を作られる時もそうだと思いますが、映画とかドラマでは、俳優、監督、美術…と、いろいろなスタッフがいて。その中でいい作品ができて、視聴率がよかったとか何かの賞が獲れた時の達成感と一緒です。もちろん主役は選手たちですが、一緒になってチームとして頑張って、選手に記録が出たり優勝したときの達成感や、負けたら負けたで悔しいと思う、そういうところが魅力ですね」

 

次回も、仲田さんをゲストにお迎えします。

どうぞ、お楽しみに!

2020年3月25日
アイドルグループ・仮面女子 猪狩ともかさん (2)

3月21日(22日)の放送では、史上最強の地下アイドル・仮面女子の猪狩ともかさんをゲストにお迎えしてお送りしました。

昨年5月から、東京都の「パラスポーツバリアフリー応援大使(パラ応援大使)」を務めている猪狩さんは、パラスポーツの普及活動にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。

 

猪狩さんは、2018年に起きた事故により車いす生活が始まりましたが、入院していたときに、仮面女子の関係者と知り合いだった武井壮さんがお見舞いにきてくれたそうです。

そこで、武井さんがしてくれたのが、パラスポーツの話。

選手たちはみんな、充実した人生が送れていると言っているという話を聞いて、猪狩さんも興味を持ったといいます。

 

パラ応援大使として、バリアフリーに対するディスカッションをしたり、試合を観に行くこともあるそうですが、「(試合を観ていると)自分と身体能力が違う」と感じると話します。

例えば、イベント等で選手と会った時、猪狩さんはちょっとしたスロープを上るのにも苦労したり、誰かに押してもらわないといけないこともあるそうですが、選手たちはひとりでスイスイ上ったりするので、全然レベルが違うなと思ったそうです。

また、車いすバスケットボールや車いすラグビーといった競技を観て、車いすでもこんなに激しく戦えるんだと(車いすの)概念が変わった、というエピソードも話してくれました。

 

自らも積極的にパラスポーツを体験している猪狩さん。

初めて挑戦した競技は、車いすバスケットボールでした。

競技用車いすに初めて乗った時は、「ブレーキもついていないし、背もたれも低かったので自分が不安定な気がして怖かった」といいますが、今ではそれも平気。

競技用車いすの方が日常用より少ない力で軽く動けるので、軽やか〜という印象だったと楽しそうに語りました。

他にも様々な競技を体験した中で、とくに手応えを感じたのが、水泳。

「12年間、水泳を習っていたので、水泳を初めてやった時には意外と泳げる!と思いました」

そして、その時の様子をこう振り返りました。

「腕で水をかく力で進んでいくという感じでした。脚が動かないので溺れてしまうんじゃないかなとか、ちょっとは怖い気持ちもありましたけど、先生がついて支えてくれていて、何かあったらすぐ助けてくれたので大丈夫でした。楽しかったですね、ぷかぷか浮くので。体が自由になった気がしました」

 

また、昔からスキーやスノーボードといったウィンタースポーツも楽しんでいた猪狩さんは、冬にチェアスキーも体験したそうです。

一本のスキー板の上に、椅子が乗っているような形状のチェアスキー。

「目線が低いことに対してはあまり違和感はなかったんですけど、バランスをとるのがすごく難しくて、すぐ転んでしまうという感じでしたね。インストラクターがついてくれて、ロープで繋いでスピードコントロールをしてもらって、という感じでした」

チェアスキーは、冬季パラリンピックでアルペンスキー競技として行われています(※チェアスキーは各種目の「座位」クラスとして行れます)が、猪狩さんはご自身が体験した後、平昌2018冬季パラリンピックで金メダルを含む5つのメダルを獲得した村岡桃佳選手などの動画を見たそうです。

実際に体験したことで、さらにパラアスリートのパフォーマンスの高さに驚いたと話します。

「(アスリートのみなさんとは)神ですね、人間じゃない!自分とはレベルが違いすぎるなと思って。本当に同じ人間なのかと思っちゃいました」

 

そんな猪狩さんが、今注目している選手のひとりが、先日、Going Upにも出演して頂いたテコンドーの田中光哉選手です。

その理由をこう語ります。

「テコンドーが東京2020パラリンピックで初めて正式競技になったということで、競技自体、とても注目しています。田中選手は選手になって3年でパラリンピックの切符を掴みました。これからパラスポーツを始めたいと思っている人にとって、希望の星です。田中選手が活躍することで、たくさんの人に希望を与えるんじゃないかなと思うので、すごく期待しています!」

 

パラスポーツの魅力を「工夫」と語る猪狩さん。

「選手それぞれ障害の程度や種類が違うなかで、練習方法とか戦い方とか、誰かの真似をするのではなくて、自分独自のやり方をどんどん工夫してやっています。この人はどういうふうにトレーニングして、どういうふうにこういう戦い方をしているんだろう…と、どんどん知りたくなるというのが魅力だと思います」

 

そんな猪狩さんにとっての、“Going Upな一言”を伺いました。

『夢や目標は言葉にすること』

言霊という言葉があるように、言葉にすることで引き寄せるということがあると思うので、どんどん言葉にしていきたいと話していました。

 

最後に、パラ応援大使の猪狩さんから、東京2020パラリンピックを目指すアスリートに熱い応援メッセージをいただきました。

「みなさんの戦い方を見て、自分にはできないことをやっているなと尊敬します。私は、エンターテイメントの視点からパラリンピックを盛り上げて行きたいと思います。みなさん、がんばってください!」

2020年3月20日
アイドルグループ・仮面女子 猪狩ともかさん (1)

3月14日(15日)の放送では、史上最強の地下アイドル・仮面女子の猪狩ともかさんをゲストにお迎えしてお送りしました。

 

小学校の頃、モーニング娘。が好きだったという猪狩さん。

自分もアイドルになりたい、というよりは、当時はファンとして応援していました。

その後、管理栄養士の専門学校に進んだ猪狩さんは、4年生になり就職活動をします。

小学校の栄養士になりたいと考えていたものの試験に合格できず、どうしようかと考えていた時に「アイドルになりたい!」と思い立ちます。

そうして、22歳で芸能活動を始めました。

 

実は、仮面女子の正式メンバーになるためには、研究生、候補生というステップがあるそうで、猪狩さんは3年間の下積み時代を経験しました。

晴れて、正式メンバー入りを果たした翌年の2018年4月、ある大きな出来事が起きます。

強風で倒れた看板の下敷きになって脊髄を損傷。車いす生活が始まりました。

「とにかくステージに戻りたい!」

生活をするためというよりは、ステージに戻りたい一心でリハビリに励みました。

しかし、気持ちが折れそうになったこともあったといいます。

そんな時には、涙を流して感情を溜めずに外に出したり、人に話すことで気持ちを楽にさせていたそうです。また、家族やメンバーがお見舞いに来てくれたのも大きな心の支えになっていたと話します。

懸命な努力の末、入院からわずか4カ月後にはステージに復帰しました。

 

復帰後、初めてステージに立った時の心境を、こう語ります。

「すごく緊張しましたね。久しぶりのステージということで、デビュー当時くらい緊張したんです。初めて車いすに乗っている姿を見せたので、デビューみたいな感じで、どういう反応をされるんだろうとか、車いすの姿を見てお客さんがどう思うんだろうと、不安というかドキドキしました」

しかし、その心配をよそに、当日の会場はとても温かい雰囲気だったそうです。

「おかえり」と声をかけてくれて(猪狩さんの担当カラーである)黄色いサイリウムで迎えてくれたことが、すごくうれしかったと振り返りました。

 

障がいがあるという、一見するとネガティブに捉えがちなことを、ポジティブに考え活動の場を広げる猪狩さん。

「私が何かをしてSNSにアップすると、応援してくださる方が『元気をもらえる』『すごく勇気をもらえます』と言ってくれるんです。自分のためにやっていることが、人のプラスになっているんだと思うと、すごくうれしくて、それが原動力になっています」

 

先月、今年9月のワンマンライブをもってグループを卒業することを発表しましたが、そこにはこんな思いがあったと話します。

「今は、車いすで活動する”アイドル”として注目されていると思うんです。その”アイドル”という枠を飛び出して、個人の猪狩ともかとして、これから挑戦していきたいと思ったのが大きなきっかけです」

卒業後は「パラスポーツの魅力を広めていく活動を中心にしていきたい」という猪狩さん。

その他にも、Youtubeのチャンネルを開設して、車いすの人でもできるの?というようなことを、楽しく、面白おかしく発信していきたいと抱負を語りました。

 

そして、5月には初の著書「100%の前向き思考 生きていたら何だってできる!一歩ずつ前に進むための40の言葉」(東洋経済新報社)を発売する予定です。

アイドルになる前から今に至るまでの数年間を赤裸々に綴りながら、これまで、前を向くために自分にかけた言葉や、人に言ってもらって前を向くことができた言葉などが書かれているということです。

猪狩さんから、Going Upリスナーのみなさんにメッセージをいただきました。

「私は車いす生活になりましたが、前向きに生きていたことで、すごく幸せがたくさん舞い込んできたので、みなさんにも前向きになってもらえたらと思っていますので、ぜひ「100%の前向き思考」、発売したら買ってください!よろしくお願いします!」

 

現在、猪狩さんは、東京都の「パラ応援大使」を務めるなど、パラスポーツの普及活動にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。

次回は、その活動について伺います。どうぞ、お楽しみに!

 

猪狩ともかさんのリクエスト曲:先陣☆CUTTER / 仮面女子