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5月2日(3日)の放送では、前回に引き続き、陸上の山本篤(やまもと・あつし)選手と電話をつないでお話を伺いました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出自粛の生活が続いています。
思うようにトレーニングができない状況にあるものの、一方では、家にいる時間が多くなったことで「子どもと触れ合う時間が増えてよかった」と話す山本選手。
家の中でプラレールを組み立てて走らせたり、どんどん言葉を覚えている息子さんと言葉のお勉強をしたりして遊んでいますよ、とパパの顔をのぞかせました。
山本選手は、2008年の北京大会からロンドン、リオと3回の夏季パラリンピック、そして、2018年には平昌冬季パラリンピックに出場しました。
パラリンピックは、「4年に一度行われる最大なる祭典。世界のトップアスリートしか出られない大会なので、本当にすごいパフォーマンスを見ることができる」と話します。
1年延期となった東京2020パラリンピックに向けては、「観客が満員になるくらい入ってもらえるのが一番うれしい」と思いを寄せます。
これまでには2回にわたり東京2020パラリンピック観戦チケットの抽選販売が行われましたが、山本選手はこんなエピソードを明かしてくれました。
「僕も抽選に申し込んで一生懸命チケットを購入しようと努力したんですけど、家族とか親戚の分全部は集まらなかったんです。(チケットが)はずれるっていうことは、それだけたくさんの人が申し込みをしているっていうことだなと思ったので、(競技会場は)満員になるんじゃないのかなと期待していますね」
その満員の観客の中で最高のパフォーマンスを発揮するため、今必要なのは“スピード”だといいます。
「世界のトップの選手と比べて僕に足りないのはスピード。自分ではもう少しスピードが出せる気がしているので、今スピードを鍛えている状態ですね」
昨シーズンの始めには、走り幅跳びで自己ベストを更新。進化を続けられる秘密を伺いました。
「秘密はあまりなくて(笑)。自分がどういうふうに走れば速く走れるのかということを常に考えながらトレーニングをしているからこそなのかなと思います。あとは、自分にまだもう少し伸びしろがあると思えるところがあるからですかね」
その上で、その伸びしろを可能にするのは、”経験”だと語ります。
「やはり体力的には落ちていると思います。学生と練習するとき、学生のタイミングで走ると、まだ体力が回復していないうちに次の練習にいってしまうことがあります。学生よりも体力を回復させる能力は低いのかなと思いますが、その分、いろいろな経験をしてきたことで考えながらやれるという部分が大きいと考えています」
東京2020大会が終わった後、2022年には神戸で「世界パラ陸上競技選手権」が開催されることが決定しています。
(※世界パラ陸上は当初、2021年9月に予定されていました。放送では「東京2020大会延期により開催がいつになるのかまだわからない」とお伝えしましたが、4月30日、2022年8月26日~9月4日に開催されることが正式に発表されました。100ヵ国から約1300名の選手が参加する見込みだということです)
山本選手は、「その世界陸上までは現役でやっていきたいという気持ちではいますね」と意気込みを語りました。
東京2020大会のその先も、パラスポーツ、そして、山本選手の活躍に期待が高まります。
最後に、改めて、東京2020パラリンピックにかける思いを語っていただきました。
「開催は2021年になりましたが、僕が跳ぶ日に向かって、僕自身の最高のパフォーマンスが出せるように、最高の準備をしていきたいと思います。そして、東京パラリンピックでたくさんの人たちと一緒に盛り上がって、いい結果が残せるようにがんばりたいと思います!」
次回は、アーチェリーの上山友裕選手にお話を伺います。
山本篤選手のリクエスト曲: パプリカ / Foorin
山本選手の息子さんはこの曲が流れると踊るんだそうです。パパになって初めて臨むパラリンピック。「(東京パラリンピックの開催が)一年延びたことで、子どもの記憶には残りやすいかなというふうに捉えています」と優しい声で語っていました。
4月25日(26日)の放送では、陸上の山本篤(やまもと・あつし)選手と電話をつないでお話を伺いました。
山本選手は、2008年の北京から、ロンドン、リオと、3大会連続でパラリンピックに出場。
北京大会では、走り幅跳びで銀メダルを獲得し、前回のリオ大会では、走り幅跳びで銀メダル、4×100mリレーで銅メダルを獲得しました。
また、2018年の平昌冬季パラリンピックにも日本代表として出場するなど、多才ぶりをいかんなく発揮しているトップアスリートです。
Going Upには、2018年10月以来、2回目のご出演となりました。
今回は、新型コロナウイルス感染拡大による競技への影響や、東京2020オリンピック・パラリンピック延期についての思いを伺いました。
収録時時点(4月上旬)では、練習拠点となっている大学で練習ができない状況が続いているということでした。
そのため、家の中でトレーニングをしたり、家の前の道路で走ったりしているそうです。
そんな中、3月には東京2020オリンピック・パラリンピックが1年延期されることが正式に決まりました。
この結論に至るまでには、中止や無観客といった声もありましたが、最終的に”延期”という決定がなされたことについて率直な気持ちを語っていただきました。
「こういう状況なので、やったとしても大成功には終わらないなと思っていたので、そういう意味では、延期でよかったのかなと思います。そして、選手側としては、やっぱりたくさんの観客の中、応援してくれている多くの人の中で競技をしたいというのはあるので、無観客という選択はなくてよかったなと思います」
ただ、この”1年”という延期期間については、複雑な心境ものぞかせました。
「なんとも言えないです。僕自身がもう38歳で、来年になると39歳になってしまうので、どこまで体力の低下を抑えながら技術の向上ができるかというところは、はっきりわからないです。でも、もう決まってしまったことなので、今できることをしっかりやって技術的な要素を上げて、より遠くに跳ぶ、いいパフォーマンスをする、ということを来年に向けてやっていかなければと思っています」
今の言葉にも表れていましたが、山本選手の場合、気持ちを切り替えるのはそんなに難しくはなかったと語ります。
「僕は、そうなってしまったことは仕方がないなと思う方なので。一年開催が延びたからといって落胆するわけではなく、一年延びて今やれる事がもうちょっと増えたかな、みたいな捉え方ではいますね」
4年というサイクルで開催されるパラリンピック。
パラリンピックを目指すアスリートたちは、本番にピークを合わせ最高のパフォーマンスをするために、たゆまぬ努力を積み重ねてきました。
2008年の北京大会から、ロンドン、リオと、これまで3回の夏季パラリンピックに出場している山本選手は、パラリンピック開催の年にピークが来て、そこから2年間は少しパフォーマンスが落ちる傾向だったといいます。
2016年リオ大会では銀メダル(走り幅跳び)を獲得。その後、2017年と2018年にはパフォーマンスが落ち、パラリンピック前年(当時)となった昨シーズンは、走り幅跳びで自己ベストを更新して好調なスタートを切りました。
「2020年に向けてモチベーションも上がり、パラリンピックの年に記録がドンと出るだろうというのを期待しながら今シーズンを迎えました。もし、4年周期で僕の体が来てしまっていると、2021年は落ちる年なんですよね。モチベーションの問題なのか、サイクルの問題なのかというのはわかりませんが、それがサイクルではないということをしっかり自分の中で計画して、作っていかなければいけないなと思います」
例年だと、すでに陸上のシーズンが始まっている時期ですが、大会が中止という状況が続いているなかで、コンディションの維持について難しさを感じているといいます。
「今、コンディション的にはすごく上がってきてると思います。だけど、それを試合で試すことができないので、今は緊張感を持った試合のスタイルにはなっていません。この状況がけっこうな期間続いてしまったら、練習が全力でできる機会も少ないですし、器具も完璧には揃っているわけではないので、どういうタイミングでどういうふうにというのが見えないのが、ちょっと難しいなと思いますね」
山本選手は昨年の世界選手権で、走り幅跳び(T63)・銅メダルを獲得し、東京2020パラリンピック日本代表に内定しました。
3月には、日本パラ陸上競技連盟からこの内定資格が維持されることが発表されました。
「2019年の世界選手権の結果がないがしろにされるわけではなかったので、やってきたことはしっかり積み上げられているという気持ちではいます。内定をもらっていることによって焦る必要はないので、じっくりと自分に向き合える時間ができたという、前向きな捉え方でいます」
決してブレない姿勢で語られる言葉には、山本選手の強い信念が表れていました。
次回も、陸上・山本篤選手にお話を伺います!
山本篤選手のリクエスト曲:Hero / 安室奈美恵
4月18日(19日)放送では、前回に引き続き、メンタルトレーニング上級指導士の田中ウルヴェ京さんをゲストにお迎えしてお送りしました。
今回は、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため外出自粛生活が続いている今、お家での過ごし方についてのアドバイスをいただきました。
Q. 自粛生活のなか、リラックスするいい方法はありますか?
・まずは「笑顔」を作るということ。
幸福学という面白い研究があるのですが、「楽しいから笑う」のではなく「笑う表情を作るための筋肉を動かすと、脳は楽しくなる」と言われています。例えば、落ち込んだり、不安だったり、この先が見えないという時、笑顔を作ってニコニコしながら「あぁ、この先どうなるのかしら」と言ってみる。笑いながらだと、課題解決の思考も高まるのだそうです。また、笑いながら考えると、建設的にいろいろなプランを思いついたり、クリエイティブになる、というようなこともよく言われているそうです。
・ストレッチなどの運動もいいです。
ラジオ体操でもいいし、手や足をぶらぶらさせるだけでもいい。要は、血流を良くさせるということなのですが、座っていても立っていてもしょっちゅうどこかを動かすと言うことは大事ですよ。
・ルーティンを変えないことも大切です。
心と体の健康を維持することが大事ですが、例えば、朝起きる時間を決める、できれば夜更かししない。そして、必ず、朝 ◯◯をやる、昼 ◯◯をやる(昼寝を15分する!でも、もちろんいいですよ)というように、規則正しい生活を送るということはとても大事です。
Q. 家で勉強や仕事をしていると、ゲームや漫画…など誘惑に負けそうになるのですが、そんな時にはどうしたらいいですか?
気が散ってしまう時には、例えば、ベランダや玄関の外など、外に出て空気を吸ったりするだけでも、少し意識する場所が変わり気晴らしになります。
瞑想もいいですね。瞑想は一日だいたい10分ぐらい、椅子に座って、あるいは、あぐらをかいて、鼻で吸って口で吐いて…というように呼吸を意識します。ただ、それを意識し始めると、急に苦しくなるという人もいらっしゃるので調整しながら行ってください。それができるようになると、「鳥のさえずりはありがたいことだな」とか「息をしているだけでも実はとても大事なんだな」と、すごく本質的なところに気づけたりします。
Q. 家で家族とずっと一緒にいると、ついイライラしてしまうことがあるのですが…
本来、人はつながると良いこともありますが、一方で衝突もありますよね。一人の時間を作るということはとても大事です。家のタイプにもよりますが、この時間だけは一人ずつこの場所を使うとか、何時まではお互い話さないことにするとか、そういうことをしてみるのも大事です。
家族同士のストレスではなく、新型コロナウイルスがストレスの原因なのに、ウイルスに対しては何もできないから、できること(家族)で発散しようとしてしまう。でも、それは結果的に人間関係を悪くするという、マイナススパイラルになってしまいます。なんとなく家族に悪いことを言ってしまう、夫婦げんかをするというのは、相手のせいではなく新型コロナウイルスのせいなんだとお互いが思っておくことが大事ですよね。
Q. ピンチやマイナスといった状況を、プラスに替えるメンタルのコツは?
これができない、あれができないではなく、「今日できることは何かな?」と、言葉を換えてみるのは一つの方法です。例えば、家にいなければいけない、ではなく、今日も家にいられる、というように。そうすると、じゃあ掃除をしよう、◯◯をしてみようとなる。小さなピンチをチャンスに替えられてますよね。これは、言葉(セルフトーク)を言い換えるというメンタルトレーニングのひとつです。感情や思考だと頭の中をぐるぐる回ってしまうので、行動につながる言葉をしゃべる(発言する)ようにすることを心がけてみてください。「今日は、今からお皿を洗います」「今日は、今から寝ます」と言うのが大事です。行動を言葉にすると、少しは建設的になりますよね。
いかがだったでしょうか?
自粛生活が続くなか、心も体も健康に過ごすためのヒントとして、少しでも参考になれば幸いです。
鈴木亮平さんは、「建設的な作業をしていると気持ちも前向きになるので、この時間を生かして、今までできなかったこと、例えば、僕はピアノを再開してみようかな」と話していました。
“目標を持つ”、”没頭する時間を持つ”ことはとてもいいということなので、みなさんもぜひ、気負わず実践してみてはいかがでしょうか?
番組では、みなさんからのメールをお待ちしています。
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