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みのりの日記
栗村 智
栗村 智
 
diary
6月 8日
やっぱり、猫八師匠は素晴らしい!
そろそろ梅雨、うっとうしい季節を前に、
つかの間の緑のそよ風を楽しんでいるのですが、
ついに聴きましたよ!
ホトトギスの鳴き声!
都会から、離れること1時間、
自宅の近くのふるさとの森を歩いていて、昨日遭遇しました。

「トッキョキョカキョク・・・キョキョキョ・・・トッキョキョカキョク」

よく寄席で聴いた、亡くなった江戸家猫八師匠の指笛と一緒なんですねぇ。
改めて、猫八師匠の芸のすばらしさがわかりました。
生前の高座で、「特許許可局って本当にそう・・きこえるんですよ」との言葉に
これまで聴いたことのなかった私は、
「まさかぁ〜」と失笑していたものでした。
本当に「トッキョキョカキョク」って啼くのですよ。

森の中を、歩きながら思わず口ずさんだのが、
♪卯の花のにおう垣根に、ほととぎす早も来啼きて、
忍びねもらす、夏は来ぬ〜♪
心が癒されながら、
歩いてる時に、ふと口ずさむ歌って、童謡・唱歌って多いんですよね。

来週(6月16日)、再来週(6月23日)の
「栗村智 あなたと朝イチバン」は、
「ふるさとの童謡・唱歌リクエスト」です。
皆さん、こぞってのリクエスト、お待ちしています。
5月29日
駅前の本屋にて…
近頃、言葉を知らないというか、揃って間違った使い方をしていたり、
店員の客への対応があまりにもマニュアル化して、
呆れてしまうことなどが多くなりました。

こんな噺があります。
ハンバーガーショップへ一人で行って、
「ハンバーガー10個」って注文したら、
「店内で、お召し上がりですか?お持ち帰りですか?」…。
“一人で10個も食えるかいな?”
1万円をレジで出したら「1万円から、お預りしま〜す。」
“僕からお預りしたんでしょ???”
「領収書ください。」
「あっ、上さまですね?」…
“わしゃ、殿様じゃないわい!!!”
「“まえかぶ”で、田中商事でお願いします」って言ったら、
「マエカブ田中商事」と書いてよこした。
商品の用意ができたら、
「お待ちどうさまでした。ハンバーガー10個になりまーす。」…
“えっ、袋の中で何かがハンバーガー10個に変身するんかいな?
エー加減にしてくれ!!!”と名札を見たら、
一人が「実習生」、もう二人は「研修生」に「派遣」と書いてあったので、
「君らしっかりせんかい!日本語を、勉強しないと!
自分の国の言葉を大事にしなさい!」と叱ったら、
「すみません、私たち中国からの留学生、
ジツ・シュウセイとケン・シュウセイにハー・ケンです。」という
オチ(さげ)がつくと、客席は爆笑の渦。

これは最近、桂文珍さんがよく高座にかけている自作の新作、
「マニュアル時代」という落語です。
文珍師匠の実体験をモチーフにした面白い作品なんですが、
同じような経験を、私も昨日しました。
駅前の集合ビルの中に入っている大きなチェーンの本屋さんで、
先日出版された、秋山真志著「寄席の人たち」という本を、
店頭に無かったので、取り寄せをお願いしておいたのですが、
昨日、その返事が携帯電話にきました。

「栗村様、ご注文の“キセキの人たち”が届きましたのでお待ちしています」
「えぇ〜私はヘレン・ケラーじゃありません。ヨセでしょう??」
「あっ、失礼しました。ヨセキの人たちでしたね…」

呆れながら、お店に受け取りに行って、
電話の声の主、その人から本を受け取りました。
彼女のふくよかな胸につけてあった名札には、
紛れもない日本人の苗字で、その上に「実習生」と書いてありました。
(近くのR大学の学生さんでした)
5月25日
ワンさんの冷やし中華
先週は「三社祭」、そして今週は、新宿で花園神社の祭り、
湯島で天神祭りと、まわりはすっかり初夏の装いですよね。
東京の初夏の風物詩夏祭りのころにあわせて、
街の中華料理屋さん
(昔、町内に一つはラーメン屋と呼ばれる店があったものですが…)
のガラス戸や、ディスプレイケースの横に
「冷やし中華はじめました」の貼り紙に、
気温の上昇を身をもって感じたものでした。
今では、結構、冬場でも冷やし中華をメニューに載せているところもあって、
季節も何もあったものではありませんが…。

私は19歳まで広島に住んでましたが、
そのころは、夏になれば、冷そうめんや冷麦が好みだったのですが、
親元を離れて武蔵小山で一人暮らしをはじめて、
「冷やし中華」の魅力にトリツカレタノデス。
4畳半一間のアパートの近く、目黒本町の狭い路地に
「王さん(ワンさん)」という小さな中華料理屋があり、
そこで“三社さま”の時期にあわせて、
冷やし中華そばを出していました。
ワンさんのつくる中華丼と冷やし中華そばは絶品で、
定番のスライスハムではなくて、
ワンさんお手製のチャーシューとゆで鳥が、こんもりとのっかっていて、
きゅうり、ほそ切のねぎに錦糸卵。
たれは、今流行りの胡麻だれではなく、さっぱりした甘酸っぱいしょうゆ味。
応蘭芳(マグマ大使のお母さん役)に似たおかみさんのすすめで、
丼いっぱいのご飯のおかずにして、よく食べていました。
毎年、この冷やし中華の時期になると、
あのワンさんの冷やし中華の味を求めて、
いろいろなお店で試すのですが、どうも同じような味に出くわしません。

されば、ワンさんに行けばよいと、先日武蔵小山に行きましたが、
今や、東急目蒲線ではなく「目黒線」と名称を変え、
パルム商店街は、変わっていないのですが、
目黒本町側の変わりようといったら…。
迷い、迷い、32年ぶりにワンさんを訪ねましたが
あのこじんまりした中華料理屋が建っていた場所は、
路地もつぶされ、小奇麗なマンションが建っていました。
最近は高級な中華料理店が、各ステーションモールのレストラン街にあって、
これも比較的リーズナブルな値段ですみますが、
やっぱり、生姜焼き定食、レバニラ定食、カツどん、親子丼も出す、
ラーメン屋いや、中華料理屋で、硬い椅子に座って、
首が痛くなるほど見上げて、高いところに祭ってあるテレビを観ながら、
手繰る「冷やし中華」…、これなんだよなぁ〜!

そういうお店も、ほとんどなくなってしまいました。
新聞とらなくても、週刊誌買わなくても、ちゃんとそこで読めたんだけどなぁ〜。
今の一人暮らしの人たち、結構不自由なんじゃないでしょうか?
5月17日
アメリカ唯一の全国紙から読み解く「イチロー」の姿
実は私、時折“英字新聞”に目を通すことがあるんです。
その新聞とは、ニッポン放送にも毎日届けられる「USA TODAY」。
少々、読むのに時間がかかりますが、 この「USA TODAY」というのは、
東西で「3時間」の時差がある広い国土を持つアメリカで、
唯一の全国紙なのです。

日本でいえば、産経・朝日・読売・毎日のようなものですが、
アメリカでは、各都市に有名な地方紙があるので、全国紙が一紙しかないのです。
だって、ニューヨークは「ニューヨークタイムズ」「ニューヨークポスト」。
ロサンゼルスは「LAタイムズ」。
サンフランシスコは「SFクロニクル」。
シアトルは「シアトルタイムズ」。
セントルイスは「ポストディスパッチ」などなど、
その土地土地で、権威と伝統のある新聞社があるのです。
しかも、日本のように、野球・競馬・サッカー・芸能を網羅した、
日刊のスポーツ新聞なんて、一紙も存在しないのです。
だからスポーツ欄も、地方紙の地元のチームの記事中心に書かれているのです。

そんなアメリカ唯一の全国紙「USA TODAY」5月16日付けの、
スポーツ面1面から2面にかけて、大きな写真付きで
「イチロー」が特集されていました。
こんなこと、野茂が完全試合をやった時以来というくらい珍しいことですし、
イチローがシアトルという田舎町のチームの一選手という認識ではなく、
全米の野球界のスーパースターであるという証拠なんですよ。

5月に入って、イチローは連続盗塁更新中。
打率も3割を超えて調子が出てきましたが、
読めば、大リーグ入り7年目、今年が4年契約の最終年の彼が、
今年のシーズン途中にも、ワールドシリーズ出場可能な、
強力なチームに移籍しそうだという記事。
常にレベルの高いところで、自分を切磋琢磨できるチームで
プレイしたいという欲求が強く、
今、所属しているチームへの愛着だけでは残留しないとありました。
インタビューでは、45才まで衰えなくやっていけると思っていると、
自らを他球団に売り込む様な発言を、イチロー自身がしています。
まずは、トレード最終期限の6月末まで、
イチローの周囲があわただしくなりそうです。

確かに去年まで、3年連続アメリカンリーグ西地区最下位。
今年こそ、5割前後に居るマリナーズですが、
どう見ても、プレーオフ、ワールドシリーズには進出できそうな、
チームではありません。
もしかすると、松坂のいるレッドソックスに加入することだって、
ヤンキースにいくことだって考えられるのです。
そうなったら、松坂・岡島・イチローとか、松井・井川・イチローとか、
日本人トリオそろって、ワールドシリーズ出場も夢ではなくなるわけですよ。

あの野茂が大リーグの扉をこじ開けてから13年。
遠かったアメリカ大リーグは、もう私たちニッポンの野球ファンの、
すぐ手元の、存在になってきているんですねぇ。
5月11日
あのゴンザレスじゃないかっ!
きのう朝起きて、ぼんやりスポーツ新聞を見ていて「おや?」と
目がとまったのです。
「巨人に2人目のゴンザレス・メジャー30勝右腕と契約、来週中に来日」と
ありました。

ややこしくなるなぁー。
内野手ルイス・ゴンザレスに、今度はジェレミー・ゴンザレス投手か、
ヒスパニックの苗字で「ゴンザレス」は、
日本の田中・鈴木・渡辺のようなもんだからなぁー。
待てよ、ジェレミー・ゴンザレス投手。
実況でしゃべったことがあるような気がして、
彼の経歴を調べました。

やっぱりっ!
97年には、シカゴカブスで、メジャーデビュー。
いきなり先発で11勝。
しかしその後、ひざの手術で、マイナーに落ち、
2003年、タンパベイ・デビルレイズに昇格し
2004年にはローテーション2番目の先発投手として、
大リーグ・日本開幕戦、東京ドームで行われた
「ヤンキース対デビルレイズ」戦で来日し、
2戦目の3月31日、ヤンキース戦に先発し、
ゴジラ松井”故郷に錦”の2ランホームランを打たれるなど
ボコボコにされて帰ったあのゴンザレスだったのです。

その日、私が実況していました。
ストレートは140キロでればいいほうで、
変化球もさほどの切れがなかったのを覚えています。
コントロールは、割合まとまっていましたが…。

日米の野球の実力差が、急激に縮まってきている今日、
そんなに日本で戦力になるような投手じゃないと思いますが…。
ジャイアンツは今季、好スタートをきめ、首位なんだから、
まっ、いいか…。

でも長い間、野球に携わっていると、こういうこともあるんですねぇ。
 
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