5月28日
|
川崎球場1000円の大入袋
|
いやぁ、あれから30年なんですねぇ。
川崎球場、ロッテオリオンズ・張本勲さんの、
前人未到の3000本安打!
昭和55年5月28日、川崎球場。
ロッテ対阪急11回戦、6回ウラ。
阪急3番手投手、山口高志投手から、
ライトスタンドの向こう「リーネット」の上のほうに当たる
特大の2ランホームランで金字塔を打ち立てました。
(当時の川崎球場ライト側は民家が密集していて、
当時レロン・リー選手の打球が民家に飛び込むのを
防ぐためにつくられていた)
何を隠そう、 その場面を実況中継したのは、
入社4年目の私なんですよ。
巨人戦がもちろん、ラジオ中継の本番でしたが、
大記録なので、張本選手の打席だけ呼びかけられて
中継しました。
故郷・広島からお母さんを呼んで、その前での快挙!
試合終了後の記者会見で、張本さんが感涙に咽んでいたのを、
よく憶えています。
我がニッポン放送では、私・アナウンサー栗村、
ディレクター加藤久雄さんの2人で中継のあと、
この記者会見の音を録音するために放送ブースを出て、
会見場で機材のコードを準備してたのですが、
なんとその間に、関係者に配られる大入袋が、
関係者席に配られました。
よく寄席とかコンサートで、お客さんが大入りのときに
ご祝儀として配られるアレですよ。
プロ野球では最近、東京ドームや甲子園、
ナゴヤドームでは廃止されたようですが、中身は通常100円。
でも、その日の川崎球場は“大入り”!
ま、30000人の器に1万5000人ですから、
本来は「大入り」ではありませんが、
前人未到の大記録達成を祝して、
なんと1000円の大入袋が配られたのです。
しかし、私たちニッポン放送のスタッフは、
どさくさにまぎれてしまって貰えなかったのですよ。
あとで新聞記者の方に話をきいて、
ずいぶん悔しい思いをしたものです。
それ以降、落合博満選手が3冠決定した時も
出ませんでしたから残念です。
国立演芸場で、鶴光師匠が前座さんから
大入袋を受け取るのをみて、ふと思いだした次第。
このとき、前人未到と言われた記録も、去年、イチロー選手が
日米通算でオーバーしてしまいました。
そういえば、そのゲーム、11対4でロッテが勝ったのですが、
リリーフでセーブを挙げたのは、
AKB48の倉持明日香ちゃんのお父さん、倉持明投手ですよ。
いやぁ、私も年取ったもんだ…。
|
 |
5月21日
|
リトル松井の解雇
|
いやぁ、驚きましたねぇ。
ヒューストン・アストロズの松井稼頭央が電撃解雇!
今年は、日本人メジャーリーガーの芳しい情報がなくて、
メジャーのニュースに目を通すのが、
億劫になるほどだったのですが、
心配していたリトル松井が解雇とは…。
6年前、所はアトランタターナーフィールド。
前年21勝を挙げていたブレーブスの開幕投手、
ラス・オーティースから、
1番ショート、プレイボール直後の初球を
センターバックスクリーンに叩き込む鮮烈なデビューを、
何を隠そう、私・栗村、現地アトランタからライブで、
日本に中継したのですよ。
リトル松井のこれ以上ない、
派手なデビューでしたから、まさかねぇ…。
天然芝になじめず、守備面で苦しみ、
その後は、一年として満足な成績を上げられませんでした。
でも、やることは派手で、
アメリカへ行って、3年連続初打席ホームランのスタート。
いつか、期待通りのシーズンをと思っていましたが、
34歳になり、衰えも隠せなくなって、
21打席ノーヒットでは…。
しかも、チームが最下位で、
もう来季に照準を定めてる状態ですから、
5億の高年俸も負担になり、
若手にチャンスを奪われてしまいました。
今でも、あのデビュー初打席初球ホームラン。
アトランタの真っ青な空に弧を描いた
あの打球が、脳裏から離れませんよ。
日本球界にカムバックの路が無いわけではないし、
リフレッシュして、再スタートを切ってほしいですね。
思えば、彼が西武にいた頃
「巨人・松井とリトル松井。
どちらがメジャーで活躍するか?」なんて、
アメリカ球界で注目の的だったんですがね。
コロラド・ロッキーズ時代の2007年ワールドシリーズで、
レッドソックスの松坂と
ワールドチャンピオンを争った栄光をきっかけに
波に乗れるかと思ったんですが…。
残念です。
|
 |
5月14日
|
必死剣鳥刺し
|
「しゃべれども・しゃべれども」「てれすこ」の
平山秀幸監督の新しい作品、
藤沢周平の「必死剣鳥刺し」の試写会に行ってきました。
元来、映画って、一般放映のシネコンで、
ふんぞり返ってみるのが好きなんですよ。
ホラ、試写会って、偉い評論家の先生方や記者さんが
集まりますからねぇ。
まさか大声で笑うわけにもいかず、
堅苦しくて苦手なんですが、
今回だけは、一般上映が待ちきれず、
東映の試写室に足を運んだのですよ。
藤沢周平作品の映画化。
チャンバラシーンが壮絶な、
とても面白い作品に仕上がっています。
豊川悦司の無口な剣客。
岸部一徳の悪役ぶり。
池脇千鶴のいじらしい可愛さ。
それぞれ味のある演技が光る中、
瀧川鯉昇師匠の堂々たる演技に感心しました。
思えば、今年1月、寄席の楽屋にお邪魔した時、
恥ずかしそうに、鯉昇師匠が見せてくれた写真…。
なんと!白装束におろし髪、三方を前に、
紛れもない滝川鯉昇師匠が!
そして切腹の介錯役の侍は、
お弟子さんの春風亭傳枝さんじゃありませんか!!
「し、師匠、忠臣蔵の判官さんの恰好ですねぇ!」
「いや、平山監督のお誘いで、このたびの新作品で
弟子とちょこっと出してもらったんですよ。
チョットだけですよ…へっへっへっ」と照れ笑い…。
今回の試写会には、たまたま、高田文夫さんも
後ろの席にいらして、黙っていられない私は、
「先生、鯉昇さんが出てるんですって」と御注進。
目をサラのようにして、スクリーンを見つめていたら、
出てきました!
海坂藩主のお妾さんが、政治にまで口を出すようになり、
藩主の愛人の浪費を咎めた、勘定方のお侍役が鯉昇師匠。
切腹させられる悲劇の侍を演じているのです。
チョイ役なんて師匠は言ってましたが、とんでもない。
白装束で切腹シーンまで、シリアスに演じていました。
スクリーンいっぱいに、上下装束のちょんまげ姿が、
画面に大写しになったところで、若干二人ほど。
「クスクス…」と笑い声が…。
だって、鯉昇師匠でしょ。
何かおかしいコトいうんじゃないかと
思ってしまったのでつい…。
台詞回し、演技といい、全く違和感のない
素晴らしいものでしたよ。
そういえば師匠、噺家になる前、
地方周りの役者を一時期やってらしたという話は、
耳にしたことがありますが、
江戸時代そのままのちょんまげ姿が板に付き、
師匠が演じる侍が登場する噺を、
無性に聞きたくなりました。
「宿屋の仇討ち」は時折、高座にかけられますが、
「しびん」「普段の袴」「柳田格之進」
「目黒の秋刀魚」「やかんなめ」なんてネタを、
聞きたくなりました。
きっと、いいと思いますよ。
7月10日から全国東映系でロードショー公開です。
|
 |
5月 8日
|
アカシアの店へ行くとき
|
今年は、急に震え上がるような気温の変化に苦しんで、
何だか、冬と春の境目なしに、もはや風薫る5月…。
やっといい季節になりましたねぇ。
新宿末広亭にも鮮やかな幟が、
“さつきの風”に気持ちよさそうにはためいています。
折から落語芸術協会・真打昇進披露興行の真っ最中。
昔々亭慎太郎・春風亭鹿の子・三笑亭可龍、
瀧川鯉の助改め10代目春風亭傳枝。
4人の新真打が、交互にトリを張り切って取っています。
先日、パーティーで祝辞を述べさせていただいた
傳枝さんの担当日は、6日と9日。
差し入れ持って、この日曜日でも伺おうと思って
楽しみにしています。
さて、新宿末広亭に寄席見物の際、
必ず立ち寄るのが、3丁目の洋食屋「アカシア」。
自家製のハムを使ったハムエッグ。
KRBとカンパリソーダで先ず一杯…。
仕上げに、名物のロールキャベツとごはん!!
「おお〜よだれがでそう…」なんて思い浮かべながら、
金曜泊まりの弁当を買いに東京駅に降りたら、
いやぁ、変わっていることにびっくり!
今、流行のエキナカが1階と地下に…。
特に地下は「グランスタ」と名づけられた食べ物やさんがずら〜り!
人ごみの中でもまれながら歩いていると、
見憶えのある「アカシア」の文字が…。
自慢のロールキャベツ・鶏から揚げ弁当買って、
晩御飯を、今宵も美味しくいただきました。
ホントに便利になりました。
9日の日曜日に行くつもりでいた、
あっ、「アカシア」のロールキャベツを食っちまった…。
さぁて、新宿の新しい寄席見物の立ち寄り処、
ドコにするかなぁ…。
また、食べ物や歩きの楽しみが増えました。
|
 |
5月 1日
|
10ドルのコーヒー
|
かつての「赤坂プリンスホテル」、
今の「グランドプリンスホテル赤坂」が、
来年3月いっぱいで営業終了とのニュースには驚きましたね。
プロ野球中継に携わっていただけに、
かつての中日、そして今、阪神が、
東京遠征時の宿舎に使っている
日本を代表するホテル。
何度も取材で訪れたり、アナウンサーですから、
新館・旧館でのパーティー、結婚式の司会などで、
以前は、頻繁に出入りしてたんですが…。
たくさんの思い出があるだけに残念ですねぇ…。
そういえば、確か2000年、日本初のメジャー開幕戦。
「ニューヨークメッツ」対「シカゴカブス」を開催する時に、
その「赤坂プリンスホテル」を、選手関係者が宿舎に使ったんですよ。
そのときの思い出…というか、
その翌年・2001年、アメリカ大リーグ取材で
サンディエゴに行った時、当時のクアルカムスタジアムで、
世界の盗塁王、後に野球殿堂入りするリッキー・ヘンダーソン選手と、
再会したときの彼の言葉です。
「おい、おいコーヒーが10ドルする物価の高い国が、
イヤんなって、アメリカに来たのかよ?
それはいいけど、あの時泊まった、
1杯10ドルするコーヒーを出していたホテルは、
まだ、お客さん来てるのかね?
日本人はつくづく金持ちだと思ったぜ!
あれから日本の思い出というと、
ホテルのコーヒーがとてつもなく高いってことだったよ!」と
苦笑いしながら話していたことを思いだします。
確かに今もロビーの喫茶室では、
コーヒーが1杯1100円しますから、
当時のアメリカ人がぶったまげたのも仕方ありませんね。
ニューヨークメッツの一員として来日した
スーパースターの日本の思い出が、
「コーヒーの高さ」とはねぇ…。
「いや、あのホテルはハイグレードで、
サービスも徹底されているから、
コーヒーが高かったんだよ。」と必死に説明しても
聞き入れてくれませんでした。
「赤坂プリンス、営業終了…」のニュースに接し
懐かしい出来事を思い出しました。
日本“バブル”の栄枯盛衰と共に歩んできたホテルですねぇ。
|
 |