11月 3日
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ヘンスリー・ミューレン(ミューレンス)
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2010年のワールドシリーズは、
サンフランシスコ・ジャイアンツの1954年以来、
そして、サンフランシスコに移動した1958年以降初の
ワールドチャンピオンの座につきました。
2008年、09年のナ・リーグ、サイヤング賞投手
ティム・リンスカムが26歳。
そのほかの先発投手も、マット・ケインが26歳、
マディソン・バンガーナーが21歳、
ジョナサン・サンチェスが27歳。
キャッチャーでクリーンナップを務める
バスター・ポージーが23歳といい、
生え抜きの若手選手が主力ですから、フリーエージェントで、
よその金満球団に引っこ抜かれることも無く、
しばらくは、西海岸に王国を築くことは間違いないでしょう。
相手のレンジャーズは猛打線、
そして実績と経験のあるポストシーズン請負人、クリフ・リーが
投手陣の柱ですから、
戦前の下馬評は、レンジャーズ有利と言われていたんですよ。
あのヤンキース打線が、彼の前に2年越しで手も足も出なかった、
エースピッチャーを攻略してのチャンピオンですから、
これは価値がありますね。
何しろ、勝負を決めた第5戦は、
2年連続サイヤング賞受賞の「ティム・リンスカム」VS
2008年ア・リーグサイヤング賞の「クリフ・リー」の
息詰まる投げあいは、高レベルの“これぞメジャー!”といえる
素晴らしいゲームでした。
そして、MVP、エドガー・レンテリアの3ランで決まり、
欣喜雀躍する若きジャイアンツ戦士達の中に、
大きなずんぐりとしたスキンヘッド…。
懐かしき「ヘンスリー・ミューレン」打撃コーチの姿を
テレビで見つけて、いやぁ、感激しましたよ。
強力なテキサスの投手陣を攻略した、
サンフランシスコの打撃コーチに、今年就任していました。
今から16年前、ヤンキースの控えの野手だった彼を、
千葉ロッテの渉外担当、我が親友春日昭之介さん(現在楽天寮長)が、
日本に連れてきたのですよ。
当時、現役メジャーの実績で来日した、
メル・ホールにいじめられて、苦しい一年目でしたが、
翌年、フレンドリーなトーマス・オマリーと、
野村ヤクルトでチームメイトになり、
1995年、ヤクルトのリーグ優勝・日本一に貢献した
恐怖の8番バッターといったら
「あー、あの選手か!」と思い出されると思います。
南米のコロンビアの遥か沖に浮かぶ
オランダ領アンティル諸島キュラサオの出身。
生い立ちから、オランダ語・英語・スペイン語・日本語を操れる
器用なプレイヤーでした。
日本にいたとき大きな口に、小さな風船ガムを
「くちゃくちゃ」噛んでいるのを見て、
95年アメリカメジャーリーグ出張取材のお土産に、
メジャーリーガーがゲーム中に噛む、
バズーカという風船ガムをまとめて箱買いして、
買って帰り、プレゼントして、
大喜びしてくれたのもいい思い出です。
かつてはやり取りした、クリスマスカードを
久しぶりにフロリダの自宅に送ってみようと思っています。
きっと、日本でのプロ野球生活の経験が
(とくに野村克也さん監督の下)
今回のワールドシリーズの投手攻略に大きく役立ったことでしょう。
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10月28日
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川小英明さん
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極端な季節の変化、皆さん大丈夫ですか?
秋は、どこに行ってしまったのでしょうか?
今月上旬、夏日で驚いてたら、今度はいきなり木枯らしですよ。
たまったもんじゃないですねぇ。
夏場に、暑さしのぎの襟巻きとか、
スプレーがドラッグストアで売り切れになっていましたが、
今度は、携帯カイロが売り切れになったり、
薬屋さんは、この不景気に、ホクホクですね。
昨日、薄手のスーツを着て、
震えながらグランドプリンス赤坂へ…。
かつてヤクルトスワローズ通訳・渉外部長を勤められた、
川小英明さんを偲んだ「お別れの会」の進行役を、
務めさせていただいたのですが、
私が、最初にプロ野球中継アナウンサーとして、
外人選手との会話法を教えてくださった思い出の方なのです。
今春、84歳でお亡くなりになり、
有志で「お別れの会」を催したのです。
産経新聞運動部野球デスクからヤクルトへ。
昭和44年から平成6年まで、球団に在籍されました。
メジャーリーグの師匠はパンチョ伊東さん。
そして、外国人選手との会話のやり方は、
川小さんから教わりました。
調子のいい選手には「Stay hot !」
ヒットの続いているときは「Keep it up your hot streek!」
ホームランやタイムリーヒットを打った直後は、
「Good job !What pitch did you hit?」
「いいしごとしたね?打った球は?」てな具合で、
基本中の基本から、教えてくださった方なのです。
几帳面な日本人が、キャンプ中、選手に聞きたがる
「今、何%の出来ですか?」なぁんて、英語には無いでしょ。
それをうまく英語でおそわりました。
「On the scale1to10,how is your condition now?」
「1から10の定規のなかであなたのコンディションは、
いまどれくらいの仕上がり状況でしょうか?」
出席者の顔ぶれは懐かしい限り。
中西太、土橋正幸、関根潤三元監督。
松岡・安田・梶間投手などなど、昔話に花が咲きました。
そういえば今年、2年連続のワールドシリーズ進出は、
あと一歩でかなわなかった、赤鬼ことチャーリー・マニエル
(現フィラデルフィア・フィリーズ監督)を、
助っ人に取ってきたのも川小さんなんですよ。
偲ぶ会とはいうものの、
お酒の大好きだったチーフ(みんなこの愛称で生前呼んでいました。)を
偲ぶ会ですから、高齢の酔っ払いがいっぱい出たのはご愛嬌でしたよ。
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10月19日
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クリフ・リー&芸協らくごまつり
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いやぁ、今朝のアメリカメジャーリーグ、
アメリカンリーグチャンピオンシップ第三戦。
テキサスレンジャーズのエース、
クリフ・リーの華麗なピッチング!!!
猛打ヤンキースを、8回までわずか2安打13奪三振の零封。
衛星放送に釘付けになって、
その美しさにため息をついていました。
去年のフィリーズ時代に、ワールドシリーズでヤンキースに2勝。
今年もヤンキース打線を沈黙させました。
これでポストシーズン
(地区優勝決定戦・リーグ優勝決定戦・ワールドシーリーズ)
8戦7勝ですよ。
大一番の今日も、ブラウン管から伺う彼の表情はナーバス…。
緊張気味でしたが、ウリもののコントロールは、
ビシバシ決まり、いざという時の、
彼のパフォーマンスの素晴らしさに、改めて感心しました。
今日見逃した方、中3日の第6戦か、
中4日の第7戦でお見逃しなく!
メジャーで今、旬を迎えたサウスポーですよ。
さて、一昨日10月17日、
西新宿「芸能花伝舎」(旧・淀橋第三小学校)で行われた、
「第4回・芸協らくごまつり」に行ってきましたよ。
今年で4回目。
合わせて、社団法人・落語芸術協会創立80周年記念ということで、
4000人のお客さん、落語・寄席ファンで膨れ上がりました。
一昨年「鶴光の串カツ・冷やし飴」の屋台で、
鶴光一門の皆さんと売り子をやったこともあり、
例年どんどん盛況になり、嬉しい限りです。
元の小学校の建物と校庭を再利用した会場だけに、
催し物もコンパクトにまとまっていて良かったですよ。
私は、林家今丸・花、師弟指導による「紙きり教室」に参加。
カブトムシ・鍬潟・ハートなど紙きりの基本を、
楽しく丁寧におそわりました。
今丸師匠や、弟子の花ちゃんが、自分の作品に、
手直しに鋏を入れて下さったりしましたよ。
特に今、売り出し中の林家花ちゃん!
高座着じゃない平服姿の胸の大きさにウットリ、
ニヤーリとしたり、ホントに楽しい一日でした。
一方、楽輔師匠の静岡おでんの屋台は、黒山の人だかり。
チューハイをちびちびやりながら、道具屋の店番してる、
左円馬さんの退屈そうな顔。
高座で見る芸人さんが、すぐそばにいて、
まさに、芸人と客の交流の場として、
今後もずっと、続いていくことでしょう。
鶴光師匠も差し入れた「ユンケル(イチバン効く奴)」を
飲んでがんばってました。
ただ、師匠、協会最長老まもなく85歳の笑三師匠にも
「ユンケル」飲ませちゃあ、アブなくないですか?
それでなくても笑三師匠お歳の割には、エラい元気ですから。
アレ以上元気が出たら…???
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10月14日
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クリフ・リーを見るべし!
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プロ野球・パリーグのクライマックスシリーズが、
いよいよ開幕!
アメリカ・メジャーリーグも、アリーグ、ナリーグの、
リーグチャンピオンシップが、日本時間の土曜日に始まりますね。
日米共に「終盤の大詰め」です。
そういや昔、そそっかしい先輩アナが、
「オーバンのシューヅメ」って言ってしくじってましたが…。
何はともあれ、いよいよです。
昨日、あのテキサス・レンジャーズがタンパベイ・レイズを破り、
球団創設50年目にして初のリーグチャンピオンシップ進出を果たしました。
レンジャーズは、1961年、ワシントン・セネターズで始まり、
1972年、テキサス州アーリントンに移転した球団。
いやぁ、感慨深いですよ。
かつて、ヤクルトの助っ人でホームラン王、
ラリー・パリッシュ(通称鰐おとこ)、
ロッテのピート・インカビリア、フリオ・フランコが所属していた、
メジャーリーグの新興弱体球団の印象が強かったチーム…。
でも、ついに若手を中心としたチーム作りが実って、
プレーオフ進出、夢のワールドシリーズまで、
あと一息のところまで来たのですよ。
1989年から10年間、アメリカ・元大統領、
ジョージ・W・ブッシュがオーナーだったことでもおなじみですが、
かつて、本拠地・アーリントンスタジアムは汚くて、
夏場の日中、摂氏40度をゆうに超える猛暑のため、
オールスターゲーム誘致がかなわなかったことでも、
バカにされていたチーム。
そういえば、あのボビー・バレンタインが、
監督を務めていたことでもおなじみですよね。
94年、本拠地を新装成った
「レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン」にしてから、
何度もチーム強化を図り、
その間、チームが競売にかけられたり、紆余曲折の末の快挙です。
何といっても決め手になったのは、
若手中心メンバーに7月、メジャーの必殺仕事人、
クリフ・リー投手を、同一地区のマリナーズから獲得したこと!
何しろ、2008年のサイ・ヤング賞。
(アメリカの最優秀投手、沢村賞のような名誉あるタイトル)
去年はフィリーズで、ポストシーズン5試合で4勝した、
大試合に強いサウスポーですからね。
メジャー9年目の32才、今が旬!
145キロのストレート、サークルチェンジ・カッターを
きっちりコーナーに投げ分ける
ピンポイントコントロールを持つ好投手。
テレビでいいですから、是非ご覧あれ〜!
美しいサウスポーって、野球の醍醐味でしょ?
そういえば、去年のワールドシリーズ、
「ヤンキース×フィリーズ」にも出場。
第1戦と第5戦に登板して、いずれも勝ち投手になりながら、
ワールドチャンピオンになり損ねており、
今年は、レンジャーズのユニホームに替えて、
再び、王者・ヤンキースに挑戦します。
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10月 3日
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悲報と朗報
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いやはや、今週は落ち着かない、慌ただしい一週間でした。
先ず火曜日(9月28日)、浅草演芸ホール夜の部、
橘家円太郎師匠がトリとのご案内で、
楽屋にあんみつ差し入れて、客席で寛いでいたら、
リンリンと楽屋の電話が騒々しく…。
何があったのかと関係者に訊けば、
「今、古今亭志ん五師匠がお亡くなりになりました」とのこと。
我が耳を疑いました。
志ん朝一門の頼りになる惣領の志ん五さんが、
敬愛する志ん朝師匠より、2歳も若く逝ってしまうなんて…。
ものすごい与太郎演出で評判をとり、
師匠没後、出囃子まで「芸者ワルツ」から「藤娘」に変え、
与太郎を捨てて、本寸法の志ん朝ネタの継承に
勤め始めた矢先のことでした。
「素人義太夫」「付き馬」「大山詣り」「干物箱」…。
軽くていい味出していたのに、
悔しく悲しい、志ん五師匠の訃報でした。
一方、金曜日はプロ野球!
ライバル・阪神タイガースが破れて中日ドラゴンズ優勝!
落合博満監督就任7年目、
2004年、2006年に次ぐ4年ぶりのリーグ優勝。
2007年にリーグ2位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、
チームは53年ぶり2度目の日本一にはなっていますが、
長いシーズンをトップで勝ち抜き、
そして「日本シリーズ」で覇権をつかむというポリシーからして、
今回が、これまでの無念を晴らす
大きなチャンス到来といったところでしょう。
現役時代、バッティングの真髄を極めようと
切磋琢磨した男だけに、打撃のもろさ、投手力の強化が、
長いペナントレースを勝ち抜く決め手という信念で
丹精こめて作った、堅固な投手力のチームの戦いぶり。
セリーグ・クライマックスシリーズファイナルは、10月20日開始。
それまでにチューンアップして、
素晴らしいゲームを期待したいものです。
それにしても、私と同じ昭和28年生まれ。
祝勝会でビールまみれになった落合監督のおつむも、
地肌にビールの冷たさがしみるほど、薄くなったなあ…。
ビールかけで思い出すのは、
1994年10月8日の名古屋都ホテル。
巨人・落合博満、長嶋ジャイアンツが、
中日との同率決戦に勝利した時のビールかけ。
中継で、一緒にビールと酒まみれになった時は、
何度も頭から滴り落ちる歓喜の美酒を顔をぬぐって、
インタビューをしたのもいい思い出ですね。
就任7年目、ようやく彼の描いた守りの堅いチームを率いて、
どんな采配を振るうのか楽しみです。
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