1242 ニッポン放送
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みのりの日記
栗村 智
栗村 智
 
diary
11月11日
11月中席・寄席情報!
いつまでも、暑い暑いと思っていたら、
ここへきて、まるで帳尻合わせのように、
秋が深まってきましたね!
服装の調整を誤ると、大風邪をひきかねませんから、
くれぐれもご注意を!

アメリカのワールドシリーズが終わり、
日本のプロ野球もクライマックスシリーズが終わって、
少々間があいて、秋の夜長を趣味の寄席通い・・・。
最近「落語を一度生で聞いてみたいんですけど、
だれの落語会に行けばよいでしょうか?」などの、
相談を受けるのですが・・・。
「じゃ、この会のチケット買っていきなさい」とは、
簡単に言えないのですよね。
だって、人それぞれに、好みってぇものがありますからね。
ひとまず、都内にある寄席に思い切って行って、
自分のフィーリングに合う噺家さんをみつけることですね。
寄席の出演者は、ファミレスのメニューみたいなものですからね。

お悩みの諸兄に11月中席(11日から20日まで)の
おすすめの都内定席をご紹介しましょう。
まず、新宿末広亭・夜の部。
(ここは入れ替えなし正午から夜9時までいても構いません)
市馬・小満ん・トリが、人気の喬太郎師匠。

浅草演芸ホールは、中席後半・昼の部、
落語芸術協会の芝居で、遊雀・笑遊
トリが桃太郎師匠。

昼夜入れ替え興業の上野鈴本演芸場は、
昼の部がおすすめ!
一朝・喜多八・文左衛門。
トリが実に聞きやすい南喬師匠。
色物でひざ替わりは、紙きりの正楽さん。

池袋西口のビルの地下二階、秘密クラブの趣がある、
100人で満員の池袋演芸場は、
夜の部、喬太郎・市馬。
トリがとぼけた語り口がおかしいはん治師匠と、
いずれの寄席も達者な噺家さんの顔ぶれで、
初心者もすんなりなじめる雰囲気ですよ。

一度勇気を出して、チケット売り場へ!
2500円〜2800円で
十分にリフレッシュできること請け合いです。

(追伸)
落語タッチで楽しめる映画「素敵な金縛り」も
2時間22分と長めですが、
肩の凝らない作品で、笑わせてもらいました。
世知辛いご時世、笑いがなくては、たまらない!
10月30日
あっ!マーク・マグワイアだ!
気温10℃、澄み渡ったセントルイスの夜空に
鮮やかに花火が打ち上げられ、
欣喜雀躍するカージナルスナインの笑顔に
七色の紙吹雪が降り注ぐ!
押しつ押されつ大接戦となった
アメリカ大リーグ・ワールドシリーズは、
レギュラーシーズン中地区第2位、
ワイルドカードでポストシーズンに突入した、
セントルイス・カージナルスに軍配が上がりました。

第6戦・9回裏、延長10回裏2死から、
2度とも2点差を追いつくという驚異的な粘りを見せ、
最後は延長11回、メジャー3年目、
1度も100試合出場のない
無名のデービッド・フリース三塁手のサヨナラホームランで
勝負を第7戦に持ち込んだ勢いそのままに
猛打テキサス・レンジャーズをうっちゃりました。
第7戦も同点2点タイムリーを放ったフリースが
MVPに選出され、アメリカ伝統の
高級スポーツカーが送られていました。

実に47992人、鈴なりの大観衆の前で、
ワールドチャンピオン記念キャップをかぶった、
カージナルスナインが抱き合う歓喜の渦の中に、
ひときわ目立つ中年の大男。
あごにはあのトレードマークのひげが銀色に輝いて・・・。
そう、マーク・マグワイアです!
ステロイド使用を告白して、
去年から、古巣カージナルスのバッティングコーチとして、
恩師・トニー・ラルーサを支えてきていたのです。

2005年まで使用したブッシュスタジアムのすぐ横に、
2006年に建てられたのが、今のブッシュスタジアムですが、
バックネット裏から見えるセントルイスの街は、
以前より外野スタンドを低くして眺望がきいて、
「これより大西部」の目印・アーチも、
グランドの選手たちを祝福していました。

1998年9月8日、30度近い蒸し暑い夜8時18分。
当時、大リーグシーズン最多ホームラン、
ロジャー・マリスの持っていた61本を破る、
マーク・マグワイア62号ホームランを実況した
懐かしい思い出が脳裏によみがえってきました。
ま、大リーグは使用を禁止していたわけではないのですが、
当時、全世界が興奮した快挙が、
ステロイドの力を借りていたとは・・・。
ステロイド疑惑が起こってから、
あの思い出を忘れよう・・・忘れようとしていたのですが、
あの頃がたまらなく懐かしくなってしまいました。
60本と王手をかけてから、単身でセントルイスに
急きょ出張を命じられ、治安がデトロイトとならんで
全米最悪ということも知らず、
平気でダウンタウンから乗り合いバスに乗ったり、
平気でメトロリンクという路面電車に乗って、
ブッシュスタジアムまで通っていたんですからね。

あれから13年、アメリカの景気状態は衰退の一途。
失業者も急増して治安は、さらにさらに悪化しているようですね。
今ではとても危険な都市として有名ですが、
野球ファンの熱烈度は、全く変わらず。
少々遠慮気味な喜びようながら、
世が世なら殿堂入りも間違いなかった
マグワイアの姿をテレビで見て、
あの頃の熱狂が懐かしく思い出されたわけですよ。
当時、テレビ局の仕事で来ていた我が師・パンチョ伊東さんと、
翌日、ユニオンステーショングリルで
分厚いプライムリブを食べながら、
バドワイザーで素晴らしい出来事に居合わせた幸せを、
互いにたたえあって乾杯したのですよ。
あの頃、パンチョさんも元気だったなあ・・・。

さあ、今度は日本のクライマックスシリーズ!
そして月遅れの日本シリーズだァ・・・!!
野球人気が云々される昨今ですが、
やっぱり、野球は、面白い!!!
10月20日
ホール落語の殿堂・イイノホール新築こけら落とし
「放送演芸会、今夜は、東京・霞ヶ関の、
イイノホールで行われている東京落語会の高座から、
古今亭志ん朝さんと三遊亭円生さんの落語で
お楽しみいただきました。
では、これで、放送演芸会を終わります」

(時報)プッ・プッ・プッ・ピー!

「こんばんわ、10時のNHKニュースです」

ガシャガシ!・・・ラジオの前に置いてある
買ったばかりのアイワ・カセットテープレコーダーの
録音スィッチを切ってから、大あくび。

「ふぁ〜、試験に出る英単語・英熟語、
毎日ノルマの20個を暗記した後は、
英文解釈精講を6ページやって、
日本史の傾向と対策6ページ。
やるまで寝てはいられぬ!!!
行きたいなぁ〜東京・・・霞ヶ関のイイノホールで、
志ん朝や談志観たいなぁ・・・。」

今を去ること38年。
砂を噛むよなあじけない浪人生活を、
故郷・広島で送っておりました。
当時、年に2回くらい広島労音で催されれていた
落語会以外に、大好きな落語に接する機会もなく、
ラジオ・テレビの落語の全国放送を、
こまめにチェック。
当時人気のアイワ・カセットテープレコーダーの、
内蔵マイクをくっつけて録音したものを
何度も何度も聞いていたものでした。
憧れの東京、ホール落語といえば、
決まって霞ヶ関・イイノホールの名称が出ていたもんですよ。

東京の大学で、落語研究会があるところなら、
ドコでもいいや!てな具合で中央大学に進学した、
栗村智少年の夢は、悶々としながら聞いていた
ラジオから流れる霞ヶ関・イイノホールという所へ行って、
落語を聞くことでした。

4月、大学の履修届出す前にNHK東京落語会。
今や伝説となっている二朝会(古今亭志ん朝・春風亭柳朝の会)の
当日券売り場に胸高鳴らせてならんだものでした。
イイノビル隣の高層ビルの一階に、
ガソリンスタンドがあるのにもたまげましたね。
イイノホールは、まさに憧れの東京の象徴だったのです。

夏場の圓朝祭などたくさんの思い出を残して、
新しく建て直されめでたく、
このたび「こけら落とし」となったのです。
10月18日にっかん飛び切り落語会が、
新しいイイノビル4階の新イイノホールで
大入り満員のお客様の中で開催。
万難排して、こけら落とし公演のチケットを
ゲットしたものの、お値段はゲェ〜!
「9450円(記念品・ワンドリンク付き)」!!!
落語協会から柳家小三治会長。
落語芸術協会から桂歌丸会長。
円楽党・三遊亭圓楽、立川流・立川志の輔。
東京4派の筆頭格が揃うからって、
いくらなんでもと思いつつ、
新装なったイイノホールに行きました。

地下鉄3線が交差する交通至便。
収容人員が698人から500人に減りはしましたが、
シート、高座(舞台)の見易さ。
こりゃ、かつてのイイノホールの良さを受け継いでいる
素晴らしいホールだと感心しました。
が、お線香の試供品がお土産で9450円。
う〜ん・・・。

もしや、新装なったホールの使用料が、
値上げされたのでしょうか?
このところ高座での空咳が心配な歌丸師匠。
「バカ高い料金払ったからと言って、
一流のものがみられると思ったら大間違い」とでも
言いたそうな小三治師匠の「二人旅」。
都都逸のまわしっこのところで、
セリフがつつっかえてしまって…何とも残念な、
心配な「こけら落とし」に終わってしまいました。
落語なんだから、もう少し安くならないかなぁ・・・。
かつての私のような親不孝な学生でも、
何とか小遣い(仕送り)を工面して、
観に行ける程度にはならないのでしょうか?
10月 9日
ヤンキース王朝の終焉
大震災のため、進行が遅れている日本のプロ野球ペナントレースは、
CS(クライマックスシリーズ)に向けて、
最後のつばぜり合いが行われていますが、
海の向こう、アメリカ・大リーグMLBは、
レギュラーシーズンを終えて、ポストシーズンに突入。
昨日、地区プレイオフが終了しました。

今年は、アメリカンリーグが・・・、
「デトロイト・タイガース VS テキサス・レンジャーズ」。
ナショナルリーグは・・・、
「ミルウォーキー・ブルワーズ VS セントルイス・カージナルス」で
リーグプレイオフが、今日から始まります。

特に野球のペナントレースに注目していると、
強烈に感じるのが、時代の流れ。
奥の細道で、芭蕉翁がおっしゃってますね。
「月日は百代の過客にして、行き交う年も、また旅人也」
まさに、それを実感を持って味わったのが、
一昨日朝のヤンキース。
ポストシーズンも、いきなり地区プレイオフであえなく敗退。
そして、昨日朝のブルワーズプレイオフ進出
(1982以来、球団創設2回目の快挙)ですねえ。

1996年から始まったダイナスティー・ヤンキース。
いわゆるヤンキース王朝の終焉。
1995年、ヤンキースでメジャーデビューの、
チャンスに強いスイッチヒッター。
そして長年にわたって、ホームプレイトを守っていた、
ホルヘ・ポサダ選手の、試合後のロッカーでの涙を見て、
「今年が最後の年」と悟っていたように感じました。
ヤンキースはこれまで、
何人もよその畑から引っこ抜くやり方で、
王座を保っていました。
でも、同じく95年デビューのデレク・ジーターも37歳。
軸となる選手の高齢化には、他チームの主力打者をあてがっても、
補えきれなかったようですね。

それに引き換え、小都市・ミルウォーキーを本拠地とする
ミルウォーキー・ブルワーズの若く生き生きとしたゲームには、
好感が持てます。
お父さんの血を引いた、
長距離ヒッター・プリンス・フィルダーを中心とした
ブラウン・ウィークスのクリーンアップトリオ。
切り込み隊長トップバッター、コリー・ハート。
みんな20代後半の若手選手です。

ちなみにプレイオフ進出を決めた地区シリーズ第5戦の、
スターティングラインナップスの平均年齢は、
「28・1歳」という若さ。
大都市を本拠地としているチームに、
年俸高騰でいずれ移っていくのでしょうが、
ヨバニ・ガヤルド25歳、
ザック・グリンキー27歳の両エースといい、たまりませんねえ。

ヤンキース王朝の衰退を悲しむ前に、
今を盛りのブルワーズの活きの良さを、
たっぷりと味わうのもまた一興か?
とはいっても、あの野茂英雄が、
メジャーの重い扉をこじ開けたのが、
1995年5月3日。
サンフランシスコ・キャンドルスティックパークでの
「ヒデオ・ノモ」トルネードデビューから、
16年の月日が流れたんですねえ。
時を同じくしてメジャーデビューしたポサダ、
ジーターたちのヤンキースが、
一つの時代の終わりを告げるのは、やっぱり寂しいですねえ…。

あの頃は、アメリカ現地に行かなければ、
とてもフォロー出来なかったポストシーズンも、
ケーブルテレビ・衛星放送のおかげで、
茶の間にいながらにして、じっくり観戦できる世の中ですからね。

さてと、毎朝早起きする日々が、もうしばらく続くわけですよ。
9月29日
やっぱり羽織の紐は「道明」
このところ、ポッコリお腹のみっともなさを隠すために、
タキシードの代わりに、和服を着るようにしています。
先日「栗村智 あなたと朝イチバン」のパートナーを務めてくれた、
増田みのりアナが、都内のホテルで披露宴を・・・。
新郎は、指折りの売れっ子放送作家、新婦は元「東京着物の女王」。
とても豪華で素晴らしい披露宴でしたが、
当方も、栗村家総力を挙げての紋付着物装束に。
縹色(はなだいろ)の紋付長着に、
黒紋付き羽織、緑色の雪駄で参加してきました。
浮きまくるかと心配しましたが、新婦のお友達が色っぽい着物姿。
ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじに扮した山崎邦正さんや、
気持ちよく酩酊した鶴瓶師匠たちに紛れて、ホッとしました。

今回、6月の飯田アナウンサーの披露宴の時にも着ていた、
色紋付の羽織ではなく、黒紋付きの羽織に変えて
出席することにしたのですが、この黒紋付きというのが、
4年前「ラジオパーク in日比谷」で落語をやるときに、
古着屋で調達したもの。
羽織の紐も、その時に、古着屋さんが
おまけに付けてくれたものでした・・・。

そこで今回は、前もって上野広小路の組みひもの老舗「道明」へ!
ブルー系統の縹色の長着に合う紐を選んでいただいて、
これまでついていた紐を、おかみさんに付け替えていただきました。
「羽二重の結構な羽織ですね。
時代がついてますし、どうぞお大事にお召ください。」とお褒めの言葉。
すっかり自信を付けたのですが、
実はあの羽織、浅草の古着屋で6000円で買ったものとは、
おカミさんの前では、とても言い出せませんでした。

古着屋さんでは、着古したものがほとんどの婦人物と違って、
紳士物、特に紋付は、祝儀・不祝儀に着て、
箪笥にしまいこまれていたものが多いんです。
たまに、こういうラッキーなことがあるんですね、
また、紋を染抜いている紋付は、自分の家紋と同じものが、
出回るのはめったにありませんからね。

平打ちの新しい羽織紐は、しっかりと型崩れせず、
それはもう素晴らしい締め心地でした。
噺家さんの世界では、小柄な人が多いことから、
幅が少し細めの浅草「帯源」、
羽織紐は、上野池之端「道明」との定評があるのですが、
実際に、その老舗のものを身に着けると、
「何とも言えない安心感」が持てるのは本当ですね。
百色以上の鮮やかな色合いの紐が、箱にきれいに並べられ、
一つ一つ丁寧に着物に合わせて、男性店員さんが選んでくれます。

着物が好きになって、少々物入りではあるのですが、
以前とは、普段の行動まで変わってきています。
今日は、二日間陰干ししたものを、
きれいに畳んでしまう作業に入りました。
あっ!今度は、着物をしまう、
引き出しのたくさんついた桐の箪笥がいるなあ・・・。
欲しいものがとめどなく、おいおいと増えてきて困っています。
しかし、楽しいのです。
 
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