飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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不死鳥と世代交代
12月19日
今回の香港スプリントほど、鮮やかに既存の価値観を壊したレースも少ないだろう。
まずは、長らく香港の短距離界のエースとして君臨し続けてきたセイクレッドキングダムが、
完膚なきまでに惨敗した。まったくいいところのない10着…。
さらに、セイクレッドキングダムの露払いのように、共にスプリント戦線を支えてきた
グリーンバーディーも2ケタ着順に惨敗。
中・長距離界に続き、短距離界も戦国時代に突入したことを浮き彫りにした。

そして、香港の価値観を壊したこのレースは、
世界のスプリント界の勢力図も一変させた。
世界第2位のレーティングを持つスプリンター、
シンガポールのロケットマンの惨敗だ。
日本からの転戦など、陣営からすれば不本意な結果であろう。
しかし、これも新時代突入という大きな流れの一つのように思えて仕方がないのだ。

さて、その下克上を成し遂げたのが、伏兵ラッキーナインだ。
ブレット・プレブルを背に、世界を向こうに回し、駆け抜けた。
しかし、この治世も決して安定はしないだろう。
すぐ足元の2着は同着という結末。
エントラップメントと、老兵ジョイアンドファンが分け合った。
私は、このジョイアンドファンにむしろ注目したい。
彼は、英国ロイヤルアスコットで期待されながら骨折。
瀕死の重傷を負い、引退も考えられた馬。
栄光と、突然の挫折という、まさしく今の世の中のような生き方。
そして、不死鳥のごとき今回の復活、2着。
この姿が、香港ドリームを信じる競馬ファンを熱狂させた。
いつの世も、純粋培養のエリートよりも、
陰も日なたも歩いてきた雑草に、人は惹かれるのだ。

回り道をし続けて、ようやく栄冠へあと一歩まで来たジョイアンドファン。
この2着は実力か、時代の徒花か。
真価は次走だ。


 
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