飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
7月11日
昨夜、ついに2012/13シーズンがフィナーレを迎えました。
最後までもつれにもつれたリーディングトレーナー争いは、最後の最後まで劇的な展開でした。
当欄でも先日書いたとおり、
最終日を迎えて68勝でトップを走るデニス・イップ師。
一方、ライバルのトニー・クルーズ師は今シーズン通算66勝と2勝の差。
クルーズ師は執念の追い上げでこの差を縮めにかかります。

第4レースでブリッシュボーイが逃げ切り勝ちをおさめ、これで1勝差。
続く第5レースでは、厩舎の主戦でクルーズ師の愛弟子、マシュー・チャドウィック鞍上のスーパーゴールエライトが2番手から抜け出す危なげのない競馬で1番人気に応えました。
これで、デニス・イップ師とトニー・クルーズ師が通算68勝で並びました。
追いつかれたイップ師は、心中穏やかではありません。
「トニーからのプレッシャーを強烈に感じたよ。
2勝して並ばれると、2着の数の差で彼のが勝っていたからね。
でも、最後の2レースは自分の馬の出来に自信を持っていたから何とかなると思っていたよ」

しかし、そんなイップ師が肝を冷やしたのが第7レース、アクレイムハンデ(1200m・クラス1)。
ジョン・ムーア厩舎のディスティンフォーグローリーと、
トニー・クルーズ厩舎のブリッシュフレンドが直線外から2頭並んで伸びてくる!
大外からディスティンフォーグローリー、間からブリッシュフレンド!
わずかに、大外ディスティンフォーグローリーが差し切り勝ちを収めました。
これが逆の結果であれば、リーディングレースが最後の最後にひっくり返っていただけに、
明暗を分ける一戦となりました。

さて、これで胸をなでおろしたイップ師でしたが、
依然2着数の差でクルーズ師にリードを許しています。
残り2レースで勝ち星を上げられるか…?
ハッピーヴァレー競馬場に詰めかけたファンも、
場外馬券売り場として解放された沙田競馬場に詰めかけたファンも、
合計3万2千を超える香港人競馬ファンたちは異様な興奮に包まれました。
何しろ、イップ師は香港生まれ、香港育ちの生粋の香港人。
もしローカルの調教師がリーディングを獲れば、2001年のブライアン・カン調教師以来12年ぶりの快挙となります。
そして迎えた第8レース、アチーブメントハンデ(クラス2・芝1650m)。
イップ師が送り出したウィニングリーダーは4.3倍の一番人気。
道中4番手で順調に進みましたが、勝負どころの3、4コーナーで立ち遅れ。
その後脚を伸ばすも、4着に敗れてしまいました…。

そして迎えた最終第9レース、グローリーハンデ(クラス3・芝1650m)。
天下分け目の一戦に、クルーズ師はトップハンデ131ポンドのサーキットスターを、
イップ師は最軽量113ポンドのフライングエライトを送り出しました。
香港の競馬ファンは、フライングエライトの負けを許さんとばかりに、
単勝1.9倍の圧倒的な一番人気に推しました。
パドックから本馬場へ姿を現したフライングエライトを、大声で後押しするスタンド。
手綱を取ったベン・ソー騎手は冷静に好位に付け、直線力強く抜け出し。
最後は1馬身4分の3のリードを保ってゴール。
その瞬間、スタンドを埋めたファンたちが耳をつんざくような大歓声を挙げて、12年ぶりの壮挙を祝いました。
「リーディングトレーナーレースで勝てるなんて、夢のようだよ!
とてもとても嬉しいし、香港人として誇りに思う!
支えてくれた香港人の皆さんに感謝申し上げたい」
戦い終えたイップ師は、勝利の美酒に酔いしれました。
「4月にトップに立ってから、ウチの厩舎のすべての馬のスケジュールを考えたんだ。
真剣にベストのローテーションを考えに考えて、いくつもプランニングして実行したんだ。」

最後の最後までファンを楽しませた最終日のリーディングトレーナーレース。
ジョッキークラブのCEO、エンゲルブレヒト・ブレスゲスはこう讃えました。
「こんなドラマ、どんな脚本家でも書けないよね。
極限までの競争が生み出すスポーツドラマ。これが香港競馬だ!」


 
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