飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
3月30日
今シーズンから香港に移籍したホアオ・モレイラ騎手が、移籍初年度から香港に大きな大きな果実をもたらしてくれました。香港馬が伝統的に強かったスプリント路線で陽気なブラジリアンが手綱を取った2頭、アンバースカイとスターリングシティがいずれもG1制覇。ドバイワールドカップレースデーの開始早々、2つのG1を香港勢が奪取しました。
まずは、G1アル・クウォーツスプリント(1000m)。スタート良く先手をとったアンバースカイはライバルたちの台頭を許すことなく先頭を守り続け、終わってみれば56秒21のコースレコードで圧勝。センターポールにボウヒニアの香港旗を掲げて見せました。
そして、その40分後。今度はジョン・ムーア厩舎のスターリングシティ。G1ドバイゴールデンシャヒーン(1200m)で、香港馬リッチタペストリー(マイケル・チャン厩舎)とワンツーを決めました。

「気持ちいい!!!」アンバースカイで逃げ切りを決めた直後、モレイラ騎手は叫びました。2着のオートグ、3着のシェアシェアにそれぞれ、クビ、アタマ差抑えきったこのレースは、モレイラ騎手にとってはドバイワールドカップレースデー初騎乗でした。
「いい馬はホント、騎手をラクにしてくれるよ!この馬は速くて乗りやすいね。香港でのレースを見ていたら、いつも少しだけペースが速すぎる気がしてたんだ。だから、今回はあえて前に行った。で、先手を奪ってからはさほど追わずにむしろ抑え気味に行ったんだ。なぜなら、ライバルたちはゴール前で追いこもうとしているのが分かったから。残り200mで抑えを解いたら、もう一段伸びて、なんとかゴール前残してくれた。素晴らしい馬だし、1000mでは世界レベルの馬だって証明できたよ」
「シェアシェアが一番怖かったね。人気してたし、一番のライバルだって思ってたから。でも、ゴール直前はこっちも夢中で追ってるから、どの馬が来ているのかまったく分からなかったよ。内から2頭が負かしに来てるなってのは分かったんだけど…。ただ、ウチの馬もよく踏ん張ってくれた。こんな大舞台でG1を勝てるなんて、痺れる体験だったね」
レース後感激のリッキー・イウ調教師は、12月の香港スプリントに向けてさらなる国際遠征の計画を披露しました。
「これが国際G1か…。最後まで勝負が決まらなかったね。特に、残り100m。正直、ウチの馬はもう一杯なんじゃないかって思ったんだけど、そこからさらにもうひと伸びしてくれたね。まさか勝てるなんて!」
「もちろんオーナーと相談なんだけど、ロイヤルアスコット開催のキングズスタンドSも視野に入れているんだ。この馬はさらに良くなっていくハズだから」

このレースにはもう1頭の香港馬が参戦していました。それが、10歳馬ジョイアンドファン。管理するデレク・クルーズ調教師は、愛馬のラストランを静かに称えました。ブレット・ドイルを背にしたジョイアンドファンは、12頭立ての9着。とはいえ、勝ち馬との着差はわずか、2馬身4分の3でしかありませんでした。

さて、モレイラの超人的な手綱さばきは、次のドバイゴールデンシャヒーンでも遺憾なく発揮されました。前哨戦のG3マハブ・アル・シマールを勝ち、その再現を狙った香港馬、リッチタペストリーがオリビエ・ダリューズのムチに応えて逃げ切りを図るのを今度はゴール直前差し切り、スターリングシティとホアオ・モレイラが栄冠に輝いたのです。
マイケル・チャン厩舎のリッチタペストリーは直線半ばを過ぎてもまだ先頭。このままレースは終わるのかと思ったその瞬間、先頭集団の直後、スリップストリームで力を温存していたスターリングシティが外から襲いかかり、あっという間に形勢逆転。計ったように4分の3馬身差で差し切り、1分10秒88でまとめました。
香港馬のワンツーから遅れること2馬身4分の1差で、ユナイテッドカラーが3着に入っています。
「この馬は前に行く馬でもないんだけど、馬群の中にいると前の馬が蹴りあげた砂が顔にかかるんだよね。それでちょっと掛かり気味だったけど、外に出してからは一変。ギアが入ったように飛んだね」
昨シーズンミリタリーアタックがシンガポール航空国際カップを勝って以来、海外G1で2勝目となったムーア師にとって、ゴール前のスリリングな展開は想定をはるかに超えていたようです。
「いやぁ、リッチタペストリーはこのまま行くなと思っていたんだ。だって、ウチの馬は道中順調さを欠いていたから。スターリングシティが置いていかれる一方で、リッチタペストリーは脚を伸ばして、もう万事休すだと。でも、マジシャンが乗ってたね。今日はイリュージョンを見たようだよ。香港競馬に彼(モレイラ騎手)がいてくれて本当にラッキーだったね」
と、興奮冷めやらぬ様子。しかし、次走の展望について聞かれるとこちらは冷静に、
「ロイヤルアスコット開催は選択肢としては有力だよね。ただ、その前にシンガポールのクリスフライヤー国際スプリントに出るのが現実的かな」
と答えました。そして、レースを思いだして再び、
「それにしても、ファンタスティックなレースだった。いまだに信じられない。若いころのこの馬の印象から考えると、こんなに能力があって、ドバイに遠征してG1を勝つなんてね」
対照的に、2着リッチタペストリーの鞍上オリビエ・ダリューズ騎手は茫然とコメントしています。
「いい馬に乗せてもらって素晴らしいレースだった。思い通りの競馬だった。直線ゴーサインを出すと、これまた素晴らしい伸びを見せてね。レース全体の9割9分思い通りのいいレースだったし、最後の最後まで力を振り絞ってくれたんだけどね。ゴール直前パタッと止まって、そのスキを突かれた」
同じ香港馬でも明暗がくっきりと分かれたゴールデンシャヒーン。とはいえ、歴史に残る香港馬ワンツーとなりました。得意の短距離レースでは結果を残した香港勢。では中・長距離ではどうだったのか?明日詳しくお伝えします。


 
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