飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
5月17日
日本の競馬は春のG1シリーズ真っ盛り。
今週のオークス、そして来週のダービーとまさに盛り上がりのピークを迎えます。
一方、夏の暑い香港では、シーズンも終盤。
今週末は2015/16シーズン最後のG1、チャンピオン&チャーターカップが予定されています。
このレースは、香港の重賞の中では最長距離の2400m。
香港古馬三冠の最終戦であり、例年このレースを勝った馬がシーズン終了後に発表される最優秀長距離馬に選出されます。

今年の注目は、勢いに乗っている若武者4歳馬のウェルテル。
目下連勝中で、香港ダービー(HKG1)と、先月の国際G1クイーンエリザベス2世杯を手中に収めています。
特にQEⅡは出色の勝利で、並み居る国内外の強豪を向こうに回して4馬身半という圧勝劇を演じました。

ただ、日曜のレースでは一つ越えなければならない壁があります。
それが、距離の壁。
この2400mという距離は、ほぼ1年ぶり。
香港移籍前のオーストラリア時代、南オーストラリアダービー(G1・2500m)で小差2着して以来の1マイル半となります。
しかし、管理するジョン・ムーア調教師は意に介しません。
むしろ距離が伸びた方がこの馬にはいいのでは?という記者の質問に対し、
「まさしくその通り!」
と、わが意を得たりという表情を見せました。
「距離が伸びれば伸びるほどこの馬にはいいとボクは思うね。なぜなら、QEⅡの時に道中リラックスして流れに乗れていた。2400mならより長いからその分折り合って行けると思うんだ」

当欄でもお伝えした通り、ウェルテルはこのレースの勝利で124ポンドの国際評価を得ました。
日本の2000mのスペシャリスト、ラブリーデイを下したのみならず、地元香港の2000mの古豪をまとめて撫で斬ったことが評価されてのことです。
たとえば、キャスパー・ファウンズ厩舎のミリタリーアタック、トニー・クルーズ厩舎のブレイジングスピード、さらに同厩舎のデザインズオンローム。
4馬身半という着差も、世代交代を鮮やかにアピールするものでした。

あれだけ圧勝劇を演じたんですから、その反動で体調が心配されますが、ムーア師は中間の状態にも自信ありです。
「QEⅡ後もウェルテルは順調そのもの。いつも調教で乗っている助手に聞いてみると、依然として絶好調だって言っていたよ。それから、どんな馬場状態でも気にしないって。器用な馬だから、どんな展開でもきっと対応してくれると思うよ」

ただ、一つ不安があるとしたら、それはこのレースの歴史。
チャンピオン&チャーターカップは番狂わせの歴史があるのです。
2年前には、同じようにQEⅡを勝ってまさに充実期にあったデザインズオンロームが惨敗。
去年も、同じくQEⅡを勝って転戦してきたブレイジングスピードがやはり勝てませんでした。
QEⅡ→チャンピオン&チャーターと連勝したのは、2007年のビバパタカまで遡らなくてはいけません。
そして、ここを連勝した馬たちはいずれも世代を代表するような名馬たちばかり。
続いて名前が出てくるのは2005年のヴェンジャンスオブレインで、この馬はこの年のダービーも勝っているので、今年のウェルテルと全く同じローテーションです。
その前は、QEⅡが国際レースとなる前の話になるんですが、1992年のリバーヴァーデン、90年クイッケンアウェイ、88年トップグレードです。
そのことを調教師にぶつけると、
「そういう年もあったということで、それが今年再現されるとは限らないよ」
と答えました。
「ボクはもちろん、この馬に関しては番狂わせはないと思っている。というのも、とても頭のいい馬だからね。つけ入る隙を与えたりしないよ。この馬は調教していても非常に扱いやすいんだ。状態も最高潮のままだし、何の不安もない。他陣営からすれば、この馬は非常に手強いと思うよ」

今回は8頭立てという少頭数のこのレース。
出走予定なのは、同厩から香港ダービー2着のヴィクトリーマジックとヘレンハッピースター。
ポール・オサリバン厩舎のジョバンニカナレット、さらにリチャード・ギブソン厩舎からアンビシャスチャンピオンなどが出走します。
勝てば歴史的名馬への飛躍のチケットを手にするウェルテル。
もちろん、年度代表馬も確定となるでしょう。
果たして、陣営の期待に応えられるのか?注目です。


 
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