リポビタンDプレゼンツ スポーツリアルトーク

今週のゲストは?
前回のゲスト バックナンバー

【市橋有里・いちはし あり】マラソン・世界選手権銀メダリスト(2010年5月10日〜5月14日オンエア)


毎週様々なアスリートをゲストにお迎えしてお送りしているスポーツリアルトーク。
この番組ホームページでは放送では触れることができなかった部分も含め、
インタビューの内容をお伝えしていきます。
先週のゲストはマラソンで活躍された市橋有里さんです。
世界選手権で銀メダルを獲得し、シドニーオリンピックにも出場された市橋有里さんにたくさんのお話を伺いました。

市橋有里さんオフィシャルブログ
http://ariblo.aspota.jp/



【市橋有里・いちはし あり】
1977年生まれ徳島県出身
中学卒業後の1993年に上京し、トップレベルの長距離ランナー育成を目的に日本陸連主導で誕生した
「東京ランナーズ倶楽部」で、本格的トレーニングを開始。
高校卒業後の1997年に初マラソンに挑戦。
1999年の世界選手権で銀メダルを獲得。
2000年のシドニーオリンピックにも出場。
2007年に現役を引退、新たなランニングライフを歩む。






【市橋有里さんと陸上との出会いは?】
すごく不純というかシンプルな動機で、中学の時に何か部活に入らなければいけなかったんですね。
その時に姉の彼氏がたまたま陸上部のキャプテンで「入らない?」と声をかけてくれたんですね、それで「先輩かっこいいな」といった感じでは行ったのがきっかけです(笑)
陸上部が強かったというのもあるんですけど、そんな所に惹かれて入りましたね。
 〜もともと駆けっことかは速い方だったんですか?
速い方だったと思います、それにどちらかというと活発な方で本を読んだりするのがすごく苦手で常に外で遊んでいるようなそんな子供でしたね。
 〜中学で陸上部に入られて最初はどのような競技を?
最初はいろいろしましたね、跳躍系もしましたしハードル、砲丸投げもちょっとしてみたり。
でも中距離もやってみてなんとなく「中距離が向いているのかな?」と思っていたら先生が「あなたは長い方が向いているから長距離で行くか」と言われて長距離を始めました。
 〜長距離と言うとどうしても大変なイメージがあるのですが、市橋さんはいかがでしたか?
不思議とそう思わなかったんです「楽しい」という感じで、比べるのが良いか悪いかわからないですけど他と比べて「自分得意かも」と思った時にすごい楽しくなってきてそこからハマりましたね「あ、見つけた」という感じで。
 〜そして中学一年生から県の強化選手になられたんですよね
先生が、常に年上の人と一緒に練習をさせてくれたので、高校生とか自分よりレベルの高い人と練習することでどんどんどんどん上を目指せて行けたのが大きかったですね。


【市橋有里さんにとって一番の努力は?】
毎日同じ事を続けた事、それが私にとって一番の努力だなと思います。
フォームの事で言うと、中学のころはすごく腰が低かったんですね、すり足の状態で走っていてそれをコーチに指摘されたのでなんとかして腰高のフォームになりたいと思ったんです。
それでもも上げなんですけど、毎日3本365日毎日続けたんです。
 〜市橋さんと言うと軽やかに飛び跳ねるようなフォームというイメージだったんですが最初は違ったんですね
そうですね、元々そういう走りではなく自分で「こうなりたい」と思って作ったフォームなんです。
 〜今マラソンブームですけど、大人になった方でももも上げは有効なんですか?
自分のフォームが確立されていない方にとったら凄く効くと思うので、ちょっとでも良いのでやってみたらいいと思います。
前に進む力が出て楽に進むようになりますよ。

 〜市橋さんは中学を卒業して陸上をするために東京にいらっしゃったんですよね、これはかなりの決断だったと思うのですが
自分が「こう」と決めたら周りを見ずに進んでしまう性格なんですね、今思うとそれが良かったと思うんですけど。
でも、地元の人には止められて、ちょうど翌年に地元で国体が開催される時期だったので市の市長さんとかに学校に来ていただいたりしたんです。
中学で実力テストをやっている時に先生から「ちょっと、今、市長さんが来てるから」とテストを中断してお話させていただいて「徳島に残ってくれ」と言ってくださったんですけど私が「本当に東京でやりたいんです」と強い意志を持ってお伝えしたら「じゃあ頑張ってこい」と言ってくださったので「頑張らなきゃ」と思いましたね。
でも、最初の東京ランナーズ倶楽部に入る時に「あなたは徳島で良いじゃない」と相当断られたんですけど私が「絶対東京で勝負したいんです」と押して押して何度もお願いして入れさせていただきました。
 〜東京ランナーズ倶楽部とは一体どんなクラブだったんですか?
日本陸連が直轄するクラブだったんですけど、海外の選手が良く行っているマンツーマンの指導で、本当に多くて3人とか一番多い時で4人でしたね。
でも外から言われているようなエリート教育というよりはどちらかというと家庭的な感じのクラブでしたね。


【市橋有里さんにとって一番の壁・挫折は?】
1996年のアトランタの時に、チームメイトが先にオリンピックに行ったんです。
それで凄い悔しくて、練習して練習して練習してとやっていたら貧血になっちゃったんです。
そこから悪循環になって、それをなかなか乗り越えられなくなった時期があって今となっては壁かなと思っています。
実際にオリンピックがどういうモノなのか見たかったですし、凄い行きたい思いも強かったんですけど、その時にはアトランタオリンピックへ付き添いもさせてもらえなかったんです、留守番をさせられた事が悔しかったですね。
 〜どのくらいの時間をお休みしていたんですか?
2か月ぐらいですね。
 〜ブランクというのは実感しましたか?
肉体的なものよりも精神的なものの方がキツイと思っていたので走れるのがうれしくて仕方ありませんでしたね
今思うと、この時があって壁を乗り越えられたからこそオリンピックに行けたんだと思います、あの時期はあの時期でメンタル的に鍛えられた時期だったんだなと思います。
 〜その後1999年の世界選手権で銀メダルを獲得しました
運もあると思うんですけど、気象条件が合って私凄い暑いのが好きなんです。
日常生活も、走っている時も暑い方が好きなんで、スペインでの暑さもコースがフラットだったというのも自分には合っていたと思います。


【市橋有里さんにとっての思い出の一曲・マイメモリーソングは?】
コブクロYELLです。
ちょうど2001年ごろだったんですけど、シドニーオリンピックの後で自分を見失いかけている時にちょうどこの曲が耳に入ってきてなんていい曲なんだと思って聞いていました。
 〜シドニーオリンピックは私もすごくよく覚えているレースで、高橋尚子さんにすごく付いて行ったのが印象的でした
若さで、自分の力も知らずに高橋さんについて行こうとしたんですけど、あれはあれで良かったと思っています。
でも自分の力は出し切ったんですけど当時22歳でまだそこまで精神的に成長できていない時期、シドニーの15位という結果だけが重くのしかかってきていて、今思えば2001年は凄く沈んでいる時期でしたね。
なのでこの曲を聴いて励まされていました、それに今でもこの曲を聴くと当時の事を思い出すんです。

 〜プライベートの事も伺いたいのですがブログを拝見するとお料理もすごくお上手ですよね
趣味でやっているんですけど、凄い好きですね
 〜写真もすごくお綺麗なんですが、御自分で撮られているんですか?
実はいつも同じ所で撮っているのでだいたいピントを合わせるコツがあるんです。
最初は携帯で撮っていたりしたんですけど、自分がブログを始めてから他の人のブログを見ると
だいたい綺麗なブログって写真が綺麗だと言う事に気づいた時に、私も綺麗な写真を取りたいと思ってそこから本格的にデジタルカメラで撮るようにしました。
 〜お料理は現役時代も自炊されていたのでしょうか?
はい、ずっと自炊していたので、海外に合宿に行ったらその土地の食材を使って自炊していましたね。
私にとったら料理はリセットしたりリラックスしたりするのに非常に意味のある事でしたね。

市橋有里さんオフィシャルブログ
http://ariblo.aspota.jp/



【市橋有里さんの今後の大きな目標は?】
みんなに「マラソンって素敵な事なんだ」と思ってもらえる事が私にとっての目標です。
 〜今でも退会のゲストランナーなどで走られている事も多い市橋さんですが、現役の時と走る気持ちは違いますか?
本当に180度ぐらい違って「走る事ってこんな楽しみ方もあるんだ」と、新しい発見でいっぱいですね。
現役の時は速く走る事しか考えてなかったんですけど、ゆっくり走る事を覚えましたね。
景色を楽しむ事もありますし、選手同士の広がりや繋がりも全然違ってくるんですね、それが今は楽しいです。
 〜今はどのぐらいのペースで走られているんですか?
週末にイベントに参加させてもらったりですとか、平日に自分で走る時も5キロとか10キロぐらいで軽い感じでランニングしています。
でも市民ランナーの方でもっと走られている方は沢山いて5キロから10キロと言うと「あ、それぐらいしか走ってないの?」と言われる事が多いんです(笑)
 〜ここ何年かマラソンブームはすごいですよね
そうですね、女性が本当に増えたのでウエアもすごくおしゃれになってきましたし嬉しい現象ではありますよね。
 〜そんな中今年9月には女子による女子のためのRUN祭りRunGirl★Night(ランガール★ナイト)が開催されると言う事でこちらを応援されているんですよね?
お台場で開催される予定なんですが、夜景を見ながら走るので女子が好きそうな大会になると思うので、皆さんぜひぜひ参加していただきたいです。

RunGirl★Night公式HP
http://www.rungirl.jp/

 〜プライベートでの最近の目標は?
今年、ランニングと私の趣味のお料理を一緒にした本を出させていただくことになっているので、今その執筆をしています。
ちょっとおしゃれなレシピも考えていて、そういったものを今書きためているんです。
 〜市橋さんの得意な料理はどんな料理なんでしょうか?
創作ですね、創作和食でしたり。
あとデリっぽくワンプレートに色々載せたりするのが結構好きで、栄養のバランスも取れるんですね見た目も良いですし。
あと将来的にはカフェもしたいななんて考えているので、それにあったお料理も作っていきたいですね。

政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
On Air Time
ニッポン放送
(月)〜(金)17:32〜17:37