【シンクロナイズドスイミング 小谷実可子さん】2011年3月28日（月）〜4月1日（金）
【シンクロナイズドスイミング 小谷実可子さん】
夢に向かってチャレンジするアスリートをクローズアップ！
今週のゲストはソウルオリンピックでソロとデュエットの２つの銅メダルを獲得した、シンクロナイズドスイミングの小谷実可子さんです。シンクロ競技との出会いから、挫折と努力、そして現在に至るまでのアスリート人生に迫ります。
１９６６年生まれ、東京都出身。
１９８８年、ソウルオリンピックでソロとデュエットで、銅メダルを獲得。
１９９２年のバルセロナオリンピック終了後に現役を引退。
その後は、様々な分野で活躍されています。
現在は、アーティスティックシンクロのコーチ。これは？
→競技のようなシンクロではなく、水中学芸会のようなものです。自由な振り、自由な衣装などで、シンクロの楽しさを子供たちに教えています。
シンクロとの出会いは？
→最初は、普通の水泳教室に通っていたんですけど、その時のコーチの旦那様が、日本のシンクロの生みの親だったんです。その関係でその水泳教室では、シンクロ競技のリズム泳法などを取り入れていました。そしてコーチが、私のリズム泳法を見て「あなた、シンクロ向いてそうだから、やってみたら？」と言ったんです。当時私は９歳、シンクロが何かよく解っていなかったんですけど、大勢の中から自分が選ばれた！ということが、うれしくて、シンクロをはじめました。
そして９歳の時に、１０歳以下の部で優勝！
→シンクロをはじめて２、３ヵ月で優勝。「私、天才？」と勘違いしました（笑）衣装も何もなかったので、母が昔、着ていた派手な洋服を切り刻んで水着を作ってくれました。その時、最優秀選手にも選ばれたんですけど、選ばれた理由は「楽しそうに泳いでいたから」。今思うと、技術なんて何もなかったと思います。ただ、楽しそうだった、それを評価してもらえたんだと思います。
中学入学と同時に、名門の東京シンクロクラブに入部。練習は大変でしたか？
→シンクロ漬けの毎日でした。でもコーチや周りの人達が「このまま頑張れば、きっと日本チャンピオンになれるわよ」と、おだててくれて。私も調子に乗りやすい性格なので「チャンピオンになるんだ！」と勘違いして練習してたので、辛く感じなかったです。
最大の努力は？
→ソウルオリンピックに出場するために練習していた時ですね。オリンピックの前の大会で、それまで日本の先輩が獲得していた銅メダルをフランスの選手に奪われたんです。そして、ソウルで、私が、フランスの選手から銅メダルを奪い返さなくてはならなかった。私は、万が一メダルを獲得出来なくても、もうこれ以上のことは出来なかった！そう言えるほど練習をしました。まさに雨が降ろうが槍が降ろうが練習、練習、練習でした。
そしてソロとデュエットで、見事に銅メダル！
→これほど練習しているんだから、必ずメダルは獲れる。あと何日寝たらメダリストになれる、そう信じていました。
大きな壁は？
→１６歳の時に、アメリカに留学したんです。そしてアメリカのジュニアのタイトルを総なめにして帰国。自信満々で日本の大会に出場したら、まったく点数が伸びなかったんです。日本の採点方法は基本に忠実。アメリカは表現力重視。評価の仕方が全然違ったんです。今考えれば、日本の大会で日本のジャッジに合わせるのは選手として当然なんですが、当時、私はアメリカのチャンピオン、なんで、私にイイ点数くれないのよ！と素直になれなかったんです。その時は引退も考え、コーチにも「辞めます」と言いました。その後、２週間ほど競技を離れて、映画を観たり普通の学生のように過ごしたんです。そして久しぶりにプールに入った時、すごく気持ちがよかった。私は、シンクロが好きなんだなあ〜と改めて思い、そして基本練習をしっかりやろうと心に誓いました。
今後の夢は？
→オリンピックに出場し、その後、オリンピックの委員などもさせて頂いた私から見ても、オリンピックというのは、大変すばらしい大会だと思います。だからそのオリンピックを日本で、もう１度、開催出来たらいいなあ〜と思っています。２０１６年は残念でしたが、いつか・・・家族と「今日は、この競技、観に行こう！」と日本開催のオリンピックを観に行きたい、そしてそれのお手伝いが出来たらと思っています。
