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【井藤光圭・いとうこうけ】カバディ日本代表(2010年7月5日〜7月9日オンエア)

夢に向かってチャレンジするアスリートをクローズアップ!
先週のゲストはカバディ日本代表の井藤光圭選手です。
一度はその名前を聞いた事がある人も多い競技カバディ、先週はそのカバディの日本トップ選手である井藤選手にカバディそしてご自身のお話をたっぷり伺いました。


【井藤光圭・いとうこうけい】
兵庫県出身、1976年生まれの33才
日本代表だった兄を追いカバディを始めた井藤選手、
1997年頃から国際舞台で活躍し、2000年には全日本大会で優勝し日本のトップにたちます。
2006年からは日本代表のキャプテンに任命され
名実ともに日本カバディを引っ張っています。
http://ameblo.jp/kokei/





【まずはカバディという競技についてお教えください】
一言で言うと、鬼ごっことドッヂボールをかけ合わせた感じの競技です。
人数は7人対7人のチーム戦で、バレーボールぐらいの広さのコートを使います。
攻撃と守備に分かれて、攻撃側のチームは1人だけ守備側のチームのコートに入って守備側の7人の誰でもいいのでタッチしようとするのですがその際に攻撃の選手は「カバディ、カバディ、カバディ」と連呼しなくてはならないんです。
攻撃側は指先で軽くでもいいので相手選手にタッチして無事に戻ってきたら1点、守備側はタッチしようとした選手を捕まえたら1点入ります。
ドッヂボールと似ている所は、タッチされたり守備側に捕まえられた選手は外に出無くてはいけないという点です、外に出た選手は味方が点を取るとコートに戻る事が出来ます。
それで前後半20分ハーフで交互に攻撃と守備を繰り返し得点を競うゲームです。
 〜印象的なのが「カバディ、カバディ」と言い続けるとこですね、声の大きさはどのくらいなんでしょうか?審判に聞こえるように大声なんでしょうか?
実際にはかなりぶつぶつ言っていますね、審判も口元の動きで判断しているので。
基本的には一息で言わなくてはいけないのですが、「ディ」と「カ」の間でちょこっと(笑)でもだいたい30秒ぐらいでそれ以上攻め続けるとアウトを取られます。
 〜かなり歴史も古いスポーツなんですよね?
元々はインドの狩猟のトレーニングで、団体で狩猟をする際に一人が追い詰めるような事をしていて、それがスポーツに変化したようなものなんです。
映画のリトルブッダでは元々はお釈迦さまもやっていたというような事も描かれていたんですよ。


【井藤光圭選手とカバディとの出会いは?】
自分の兄が大正大学のカバディ部でカバディをやっていて、1990年に北京で行われたアジア大会で日本代表に選ばれていたんです。
当時自分は高校生で、それを見て単純に「まぁ俺にも出来るやろ」と思いまして(笑)そんな安直な理由で兄と同じように大学に入ったらカバディを始めようと思いました。
 〜初めてカバディを見た時の印象は?
ルールもよくわからなかったのですが、見ていたら気持ちが盛り上がってくるようなエキサイティングな気持ちにさせられました。
 〜カバディ以外では何か他のスポーツはされていたのですか?
陸上をずっとやっていました、800メートルの選手でした今となっては全然違うスポーツなんですけど。
それまで9年ぐらい陸上をやっていたので何か新しいスポーツを始めたいというのもあったんです。
昔から全日本というものに夢というか憧れのようなものもあったんです「何の競技でもいいから全日本になってみたい」と、でもやはり陸上は選手がたくさんいて「この種目で全日本を目指すのは無理だな」と(笑)
 〜実際にやってみてすぐに夢中になりましたか?
そうですね、大学時代はカバディばっかりでしたね。
カバディのルールもやってみるとわかりやすくてすぐに頭に入ってきましたので楽しかったですよ。
最初は攻める時なかなか相手にタッチできないですし、タッチしたとしても上手く帰ってこられないですし、にっちもさっちもいかなかったのですが、タッチして帰ってきたときはそれはそれは凄い快感でしたね。
 〜カバディをやり始めて大変だった事は何でしょうか?
陸上は基本的には直線で動くスポーツじゃないですか、カバディは結構サイドステップで動くスポーツなのでなかなかそれに慣れませんでしたね。
あと、カバディを始めた当時体重が63キロだったんです、実はカバディは体重制限があるスポーツで体重が重いほうが有利で当時の僕は押され負けてしまう事が多くて大変でしたね。
でも今ではトレーニングを積んで気づけば体重制限ぎりぎりの80キロ近くになって、減量しなければいけなくなったんですけどね(笑)


【井藤光圭選手にとって一番の努力は?】
4年前の2006年ドーハのアジア大会は12月に開催されたんですけれども、その年の2月に右ひざの前十字靱帯を損傷しまして普通なら全治6〜7カ月でプレーに復帰するには8〜9カ月と言った怪我で「これはアジア大会でのプレーはあかんかな?」と思ったのですが、すぐに手術して5カ月で復帰してアジア大会に合わせるための所ですね。
実際怪我をする前は調子が良かったんですよ、今までで一番調子が良かったんですけどその怪我でガーンと落とされて、今もその怪我をする前の“イメージ”には追いつけてないんです、実際には怪我をする前よりレベルは上なんですけどでもイメージは昔の方が上みたいな感じで。
それでも最近、特に今年に入ってからはイメージを超えられるような部分も出てきたので今はいい感じに動けているんですけど、この4年間は他にも怪我もしましたし苦しんだ部分もありましたね。
 〜4年前の結果はいかがだったのでしょうか?
チーム自体の結果は良くなかったのですけど、自分はその時の限界以上のものは出せたかな、と言う感じです。
今年はまたその4年間の集大成となる年なので、いままではアジア選手権で2位と言うのが2回あるのでそれぐらいの成績を出したいですね。
 〜その時の1位は?
インドです、やはり長年やっているだけあってスピードが違うんです。
カバディの筋肉というか、たぶん「よーいドン」で走れば自分の方が早いと思うのですがカバディにおいてのスピードは違うんでしょうね、タッチした後は色んな人をよけていくのですがその際の一瞬の判断能力も早いですから、やはり向こうは本場だけあってゲームも多いですから経験値も多いですよね。
 〜そういった国際舞台で得たものは何でしょうか?
やはりこういった経験ってなかなかできないじゃないですか、自分の中で色んな戦いがあっていろんなプレッシャーがあってそんな中で勝てていったことは自信というか自分にとって大きなプラスになっていると思います。


【井藤光圭選手にとっての思い出の一曲・マイメモリーソングは?】
かりゆし58オワリはじまりです。
今年4年に一度のアジア大会がありますが、その4年後の仁川まで目指そうとも思っているんです。しかしカバディは中々続けていくのも難しいスポーツなので、もしかしたらその前に現役が終わってしまうかもしれないなと思った時にこの曲の歌詞と自分の人生がリンクしてグッとくるものもあったんです。
 〜いつまで現役を続けられるか、という思いもあるんですね?
4年後は38才にもなっていますし、どこまで出来るかもわかりませんしケガもするでしょうし、また生活という意味でもバランスがなかなか取れないので。
 〜生活と言う事ですが、井藤選手の本職は僧侶でいらっしゃるんですよね?
そうです、カバディもインドですし仏教もインドですから通ずるものもあると思います。大学も仏教の大学で、その先生がインドから日本にカバディを持ってきたものですので。やっている中身は全く違うんですけど。
 〜普段の生活のサイクルではどういった感じでトレーニングの時間を取り込んでいるのでしょうか?
仕事が終わった後、夕方から夜です。娘もいるので娘の風呂を入れてからになります(笑)送り迎えも自分がしているので帰ってきて、ご飯もあげてお風呂に入れた後にトレーニングですね。カバディの練習がある日は仕事が終わって練習に行くんですけど、それ以外の個人のトレーニングの時はそういった感じです。
 〜やはり家族の存在はカバディをやる上で支えになりますか?
そうですね支えになりますね、みんな認めて応援してくれるのでその分やらなければいけないので。
まだ娘は1歳なので良く分かっていませんが4年後の仁川で自分の立っているところを見せたいと言うのもありますね。


【井藤光圭選手の今後の大きな目標は?】
今年の11月に中国の広州で行われるアジア大会でメダルを取るというのが最大の目標です。
今までアジア大会ではメダルが取れていないので「もしメダルが取れなければカバディを派遣しない」と言われるかもしれないぐらいの状況なので、後が無い状況だと感じています。
インド、パキスタン、バングラディシュ、イランなど強豪は多いですが、日本の良さである器用さとチームワークの良さを活かしていきたいですね。
 〜日本代表を目指しカバディをはじめて、今ではその日本代表でキャプテン!責任も重大ですね!!
この4年間キャプテンを任せていただいているのですが責任だらけですね、その4年間かけてきたものをを11月に出すだけです、今のところ良い状況では来ていますけど必ず取らなければいけないプレッシャーもあります、それでも絶対にメダルを取るのでぜひ期待していてください!!
 〜ここでメダルを取れば改めて日本の人たちに知っていただくきっかけにもなりますね
やはりカバディをどんどん広めていきたいですから、最近大学などでやっているチームが少なくなってきているので。
 〜今回はラジオでカバディの魅力をお伝えしていただきましたが、やはり百聞は一見に如かずですよね
そうでうすね、やはり実際に見ていただくのが迫力も違いますし、どんなスポーツも映像で見るよりは生の迫力で実感していただいた方が違いますから、そういう意味でも次の11月のアジア大会でいい結果を出して皆さんの目に触れるように頑張りたいですね、本当に日本のカバディの命運を背負っているので。
 〜最後に井藤選手の思うカバディの魅力とは一体何でしょうか?
攻撃の方が個人競技、守備の方がチーム競技と2つの要素を一度に味わえる競技というのは特徴的でとても楽しいスポーツだと思います、是非ともそんなカバディの魅力を一度見ていただいて、その後実際にやっていただいたら嬉しいと思います。

政井マヤ
パーソナリティ:
政井マヤ
メキシコ生まれの元フジテレビアナウンサー。フジテレビ時代には、スーパーニュース、ワッツ!?ニッポンなど情報番組を主に担当。2007年3月に俳優の前川泰之さんと 結婚、女児を出産。2008年からスポーツリアルトークのパーソナリティを務めている。
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