淵澤:災害時に見過ごされやすいのが、子供の心のケアですよね。
自見:大人も子供も一緒ですが、特に子供は繊細で傷つきやすいです。
いわゆるPTSD。大人にもありますが、お子さんにもあるんです。
淵澤:地震や火事などを経験し、心を痛めてしまうということですね。
自見:はい。例えば上手にコミュニケーションがとれなくなったり、
お部屋から出て来れなくなったり。
逆に攻撃性が出てきてしまったり。
人によって反応の出方は違うんですけど、
大もとにある心の傷を上手に対処できないと、
そのような形になって、表れてしまいます。
淵澤:対応の仕方ってあるんですか?
自見:大切なことは、寄り添う事。共通体験に遭っているので、
同じ怖い目にあった、そのことを親御さんはお子さんと、
よく話し合うことが大切です。
淵澤:共通体験?
自見:はい。グリーフシェアとも言います。
どういった事が怖かったかを話し合うことが重要です。
早い段階で震災の被害を受けていない地域に、
引っ越されたお子さんは
転出した先で共有体験をする相手がいない、
より心の傷が深まったというデータもあります。
なので、これは親子で自然と「あの時、怖かったよね」と
グリーフシェアしてあげることが、とても大事なことなんです。
淵澤:なかには、思い出したくないなんて方もいるかもしれませんが、
「あの時は怖かったよね」と話し合う、共通な話題にすることが
大事なんですね。
自見:もちろん、症状が強く出ているお子さんの場合は専門家に
対処して頂くということが大事です。
トラウマというのは災害以外でもおきる。
例えば子供が火事を見たなどもそうです。
みんなの問題として、考えることが大事だと思います。