こうのとり打ち上げ中止~ロケット発射台で原因不明の火災

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月11日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。「こうのとり」8号機を搭載したH2Bロケット8号機の打ち上げ中止について解説した。

こうのとり8号の打ち上げ中止

国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給船「こうのとり」8号機を載せた大型ロケット「H2B」8号機の打ち上げが中止となった。打ち上げは11日午前6時33分に予定されていたが、3時10分ごろ、種子島宇宙センターで打ち上げ準備中だったロケットの発射台付近で火災が発生。安全が確認されるまで打ち上げは延期される。

飯田)火災の原因など、詳しい状況はまだわかっていないということですが、リアルタイムでネット上に映像も出ていました。炎が上がっていて。

高橋)火の気のあるところではないです。あったら大変ですから、「なぜ?」という感じです。あってはいけない話ですよね。

飯田)そもそもそういうことですよね。

高橋)でも、「こうのとり」自体は優秀な日本の技術です。補給船ですから、国際宇宙ステーションへ物資を運ぶのに絶対に必要なものです。確か2~3年前、ロシアのロケットとアメリカのNASAのロケットが相次いで失敗して、大変だったときに日本が頑張って助かったという経緯がありました。打ち上げの信頼性は非常に高く、確かいままでに1回も失敗したことがないのではないでしょうか。そういう意味では信頼性は高いです。今回は、発射台の周りですよね。「何なの?」という感じですが。

飯田)本体ではなく。

出火原因は不明

高橋)原因がわからないと不気味ですよね。

飯田)そうですよね。今回は民間主導でやってみるという形だったのですが、三菱重工業としては中止して、まずは原因の究明をするということです。

高橋)そうでしょう。火の気のないところで火が出てしまったのだから、予定外のことがあったのです。予定外のことがあると、他の予定外もあり得るということなのですよね。

飯田)リスク管理として、大きなものが1個起こると氷山の一角のようなもので、さらに問題があるかもしれません。

高橋)全部チェックして、万全に。システム全体でやっているから、1つ変な話があるということは要注意です。でも、民間にしたらそうなってしまったというのは、よくわからないですね。

飯田)そこをいま結論づけるのは、短絡的だということですね。

高橋)だいたい、なぜ火が出るのか。まずはそこからでしょう。

飯田)いままでもJAXAが主体ではあったけれども。

高橋)技術の主体は三菱ですよ。JAXAに納入する業者があるわけですから、JAXAは束ねているだけです。

飯田)いろいろなところから持ち込んだ技術を、一体化するのが役割ですからね。

高橋)ロケット自体はほとんど三菱がやっていたはずです。

飯田)昔からそうですよね。安全性が確認できるまで延期ということで、次回の打ち上げ日程も未定ということです。

宇宙技術はこれから先各国にとって重要になる

飯田)いまは、あらゆる可能性を検討しているということです。日本の宇宙技術は…。

高橋)これはすごいですよ。世界トップクラスの信頼性を持っていますから。

飯田)これから先は陸海空だけではなく、宇宙、サイバー分野も第4第5の戦場になり得るというところで、各国がしのぎを削っていますよね。

高橋)日本では民間の小型ロケットも有望でしょう。秋葉原で売っているもので簡単に作れてしまう。制御技術を見ていると、ラズベリーパイという5000円の小さいコンピューターを使っていますが、昔のアポロ計画で使っていたようなコンピューターです。いまは小さく、安くなってしまったのです。そういう技術を使って、打ち上げもできる状態なのですよ。だから民間でやるのも悪くないし、これからはそうなると思いますよ。新技術というよりは既存の技術を上手く組み合わせて、安くするということではないでしょうか。

飯田)それこそ、ホリエモンさんも北海道から打ち上げようとしていたくらいですしね。

高橋)宇宙は広大ですからね。「こうのとり」にも頑張ってもらいたいですね。

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