日米首脳会談~メディアが触れない「対米交渉での大きな成果」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月26日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。トランプ大統領と安倍総理の間で基本合意に達した日米貿易協定について解説した。

トランプ米大統領(中央右)との再会談に臨む安倍晋三首相(同左)。左端は茂木敏充経済再生担当相。右端はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表=2019年8月25日、フランス南西部のビアリッツ 写真提供:時事通信

日米貿易交渉基本合意~自動車関税撤廃は見送り

25日、フランスのビアリッツで会談した安倍総理大臣とアメリカのトランプ大統領は、交渉中の日米貿易協定について基本合意に達し、日本側が求めていたアメリカの自動車本体の関税撤廃は見送られることが決まった。両首脳は9月下旬にニューヨークで開かれる国連総会の際に再び会談し、協定の署名を目指すことで一致した。

飯田)もともと日本側は茂木経済再生担当大臣、アメリカ側はライトハイザー通商代表部代表という座組で詰めて来ました。今回の首脳会談でもそれが表に出たということでこのまま、まとまった形になるのですかね。

トランプ大統領の言動は大統領選再選を見てのもの~今回の目玉はトウモロコシ

須田)そうですね。G7の日米首脳会談に合わせて、ここで基本合意に持って行くということで進められていたのだと思います。先々週からワシントンD.C.とニューヨークを回って来たのですが、すでにワシントンは事実上、大統領選挙に突入しているという状況です。ホワイトハウスの横にあるホテルの前には共和、民主、それぞれのシンボルであるロバと象が設置されました。まだ飾りつけはされていませんし、スローガンも書かれていないので本格化はしていないのですが、準備万端整っているという状況でした。なぜこのエピソードを話しているかと言うと、ここ最近、あるいは今後のトランプ大統領の言動は、すべて大統領選挙絡みのものであるからです。大統領選挙を強く意識した、あるいは再選戦略に立った言動になっているのだということを、まずご理解いただきたい。ですから、イランあるいは北朝鮮問題、EUに対する問題、そしてなかでも中国の問題。これらはすべて大統領選挙、再選戦略に対するものだということです。この日米貿易交渉もそうなのです。今回のいちばんの目玉は、アメリカの余剰穀物、作物を日本が購入すること。なかでもトウモロコシの大量購入を決めたのが、今回の合意がなされた最大の決め手ではないかと思います。トウモロコシはアメリカの中西部、例えばアイオワ州であるとか、ミズーリ州などのコーンベルトに大きな影響を及ぼしています。主として、このトウモロコシは人間が食べるコーンではなく、飼料用穀物、いわゆるデントコーンと言われているものです。それを日本が大量に買い付けるということになった。トランプ大統領はこれに喜んでいます。

飯田)トランプさんはさびついた工業地帯と呼ばれるラストベルトを獲ったので、前回の大統領選で勝ったと言われています。ミズーリ、アイオワのコーンベルトはそこと被るところがあるのですかね?

日本の成果は為替問題に触れられなかったこと~105円ラインでの攻防

須田)そうですね。地域の経済にどれだけ貢献するのかというところを考えたのだと思います。そして、メディアがほとんど触れていないのですが、もう1点大きな成果、日本にとっての収穫があります。それは、為替問題にほとんど触れられなかったということです。ここ最近では、急激にドル安・円高傾向が進んでいるのですが、お互い105円ラインを割り込まないのですよ。

飯田)なるほど。

須田)これは安倍政権が、105円ラインで必死の防衛をしているのです。私は為替問題が出たら危険かなと思っていたのですが、今回の貿易交渉ではこの部分は出なかった。中国は為替操作国に指定されています。日本もその轍を踏みかねない状況であったのに、そこはトランプ・安倍ラインの信頼関係で、為替問題が結果的に表面化しなかった。これは日本にとってものすごく大きな収穫です。トランプ大統領が歴代の大統領と違うのは、この為替政策なのです。歴代の大統領はドル高政策を求めています。ドル安シフトを敷いているのはトランプ大統領だけなのです。そうすると円高が求められるのですが、円安をギリギリにとどめているということに関しては、腹に一物あるのではないかなと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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