北朝鮮が日韓軍事協定の破棄を韓国に要求~米への牽制と韓国への踏み絵が狙い

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(7月29日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。北朝鮮が韓国に対して、日韓の軍事情報包括保護協定の破棄を要求したニュースについて解説した。

20日、白頭山の山頂で記念写真に納まる金正恩朝鮮労働党委員長(左から2人目)と南朝鮮(韓国)の文在寅大統領(右から2人目)。両端は李雪主夫人(左)と金正淑夫人=2018年9月20日 写真提供:時事通信

北朝鮮が対外宣伝サイトで日韓軍事協定の破棄を韓国に要求

北朝鮮の対外宣伝サイト「わが民族同士」は28日の論評で韓国に対し、日韓の軍事情報包括保護協定の破棄を要求した。輸出に関する基準見直しで日韓の関係悪化に乗じて、北朝鮮は日米韓の軍事協力弱体化のチャンスと見て、連携にくさびを打つ狙いだと見られている。

飯田)日韓の軍事情報包括保護協定、頭文字を取ってGSOMIAと言うようですけれども、これを破棄するということを一部、韓国側もちらつかせるようなことがありました。

須田)そうですね。韓国にとって、北朝鮮との関係強化・関係融和は最優先課題ですからね。そもそも遡って考えてみますと、米軍再編の流れのなかで、例えば南太平洋地域においてはアメリカ、オーストラリア、そして日本。これらが連携し合って安全保障体制を推進して行くというものがありました。北太平洋及び東アジアエリアでは中国を意識するのですが、ここにおいては日米韓の枠組みのなかで、安全保障体制を進めて行くという方向になっています。その裏腹の関係として、この軍事情報包括保護協定というものが結ばれていて、これは三国で結ばれているわけではなくて、それぞれが二国間の協定を結ぶことによって三角形の軍事情報保護協定を構築するという流れになっています。ですからその一角を崩すということは、北太平洋地域における日米韓の軍事同盟にくさびを打ち込むことになる。北朝鮮にとって、これは日本の軍国主義復活云々の話ではなくて、アメリカに対する牽制のカードとして切っているのです。そして韓国に対しては、同時に踏み絵を迫っているという構図ではないかと思います。

飯田)これで一挙両得みたいなことになると。

須田)韓国のスタンスを試すということだと思います。

南北軍事境界線がある板門店で握手するトランプ米大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2019年6月30日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

日米韓の関係を各国が試している

飯田)先日のミサイル発射、またロシアの爆撃機が竹島上空に入って来た。そのあたりも含めていろいろなところで日韓、或いは日米韓の関係がどうなのかと試して来ている、という専門家の指摘もありますが。

須田)そうですね。特に軍事衛星含めて、情報共有体制の一角が崩れてしまう。24時間でウォッチしているとは言え、数分間のタイムラグがあるとも言われているし、実際にあるのです。そこをカバーするために三国の軍事協定が必要なのですけれども、韓国が離脱するとなると、監視体制を組み替える必要があるのかなと思います。

飯田)特にその数分のラグというものが、日本に仮にミサイルが向かって来るとなると、致命的になるわけですよね。

須田)しかもその数分のラグがどの時間帯にあるかということは、北朝鮮サイドも熟知していますからね。

飯田)やっぱりそうですか。

須田)そのあたりを狙って来ることになるとは思います。

飯田)北朝鮮側は先週のミサイル発射も含めて、短距離だからアメリカ側はさほど反応していないですね。

須田)そもそもトランプ大統領としては、核開発の実験をストップした、中距離長距離の弾道ミサイルの開発及び実験をストップしたことを高く評価していて、短距離ミサイルについては問題ないと言明しているのです。その範囲のなかで北朝鮮は挑発なのか実験なのか、やっている。米朝間では北朝鮮は、挑発的な行動は控えているという状況です。

飯田)アメリカの受け止め方としてはそうでも、日本はたまったものではないですからね。

須田)しかも北朝鮮は、核ミサイルの開発に関しては完了しているというスタンスを取っていますから、その点に関しては強気ですよ。それをどうするかという話です。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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