国家非常事態宣言無効~それでもメキシコ国境の壁は作られる

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月15日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。14日、アメリカ上院で可決された国家非常事態宣言を無効にする決議案について解説した。

トランプ 国家非常事態宣言 壁建設 メキシコ ペロシ議長 共和党 3分の2

ドナルド・トランプ – Wikipediaより

アメリカ上院が国家非常事態宣言を無効にする決議案を可決

アメリカ上院は14日、トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設費確保に向けて発令した国家非常事態宣言を無効にする決議案を賛成59、反対41で可決した。共和党から12議員が造反した。

飯田)既に下院で可決していたものが上院でも可決になりました。今朝入って来た速報でした。

宮家)良識をちゃんと示したという意味では良かったと思います。しかし、この良識はトランプさんからすれば当然反逆ですから、拒否権を使うのです。拒否権を使うと大統領から差し戻されて、今度は両院の3分の2で可決しなければいけません。それは無理だと思います。今回上院では、本当は多数を持っている共和党だけれども造反が出た。しかし3分の2を取るためには、恐らく共和党の半分くらいが造反しなければいけないのです。

飯田)定数が100議席でしたっけ。

宮家)100ですね。トランプさんは賢いから、共和党を完全に乗っ取ってしまっているのですよ。共和党の良識ある人たちは、トランプさんが出て来たときから劣勢になって行ったのだけれど、特に去年の中間選挙で、中道の人たちがことごとく予備選の段階でトランプさんに反旗を翻したところで、落ちています。決して拒否権は覆せないと思います。

トランプ 国家非常事態宣言 壁建設 メキシコ ペロシ議長 共和党 3分の2

トランプ米大統領の一般教書演説を聞き、立ち上がって拍手をするペンス副大統領(後列左)と、着席したままのペロシ下院議長(同右)=2019年2月5日、ワシントン(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

トランプ大統領を追い込むロシアゲート疑惑

飯田)上下両院はねじれてしまっている。それでは政治はスタックしてしまう可能性が高いでしょうか?

宮家)そうでしょうね。これからロシアゲートが佳境になって行きます。ロバート・モラー特別検察官の報告書が出るでしょう。報告書は秘密なのですが、議会が珍しいことに満場一致でモラーさんの報告書を公表するよう求める決議が出ています。最悪の場合、大統領の実の息子が起訴されるとか、トランプ会社の関係者が一網打尽にされるとか。そうなって来ると、大統領としては逆境になって行くわけですよね。今年はアメリカの内政が重要になると思うので、見ものですよ。

飯田)そこに大統領選も絡んで来ると。

宮家)もちろんです。大統領弾劾という可能性もありますが、仮に下院で過半数の弾劾裁判を始めても、上院で3分の2を取らなければいけないので今回と問題は同じですよね。これも恐らく無理だと思うのですよ。そうなると何が起きるかと言うと、常識的には民主党だったら弾劾はやらない。実際にペロシさんという議長は「弾劾は国を割るが、トランプ氏はそれに値しない」とおっしゃっているのですが、それがまた民主党が割れる原因になっています。残念ですが、当分ドタバタが続くことになるでしょう。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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