ゴーン容疑者逮捕の真相~レバノンで囁かれる「アメリカ陰謀説」

タグ

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月14日放送)に国際政治学者の高橋和夫が出演。ルノーがゴーン容疑者の解任を再び見送った報道を受け、この事件背景について解説した。

三菱自動車岡崎製作所と隣接する研究開発拠点を初めて視察するカルロス・ゴーン会長=2017年5月19日 愛知県岡崎市 写真提供:時事通信

ルノーがゴーン容疑者の解任を再び見送り

フランス自動車大手ルノーは13日の取締役会で、ルノーの会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるカルロス・ゴーン容疑者の解任を再び見送った。不正を認定する重要な情報がないためとしている。

飯田)今週は、このゴーン容疑者再逮捕のニュースも出回りましたが、2015年から2018年の報酬に現時点で違法性は認められなかったと、取締役会後の声明でルノーは発表しているということです。この一連の流れ、高橋さんはどうご覧になっていますか?

高橋)フランスから見れば、これはこの会社を誰が支配して行くのかという支配権の争いで、ゴーンさんはそれが不十分だったということですが、それは会計不十分で会計担当者を捕まえる話であって、ゴーンさんを捕まえる話じゃないだろうという見方だと思うのですよね。しかも、日本の司法制度が長いこと拘束しているし、とんでもない非文明的なことをしていると。本当は別の理由でゴーンさんを捕まえたのだろう、とフランスは思っているわけですね。

飯田)ニュースが出たときも、金融商品取引法違反は形式犯であって、本命としては特別背任や業務上の横領だということがちらついていましたけれども、そこまで行かないですね。

高橋)そうですよね。ゴーンさんが経営を握るまでは、日産は凄い赤字の会社でしたよね。いまは黒字の会社になっているので、「恩知らずめ」という思いはあるでしょうね。

飯田)日産にとっての言い分としては、「(ルノーグループの)稼ぎ頭は俺たちなんだから」といまは考えている部分がある。

高橋)ゴーンさんに言わせると、次から次へと車のリコールもあるし、「お前ら何をやっているんだ」と周りの日本人幹部に対しては思っていたでしょうね。

飯田)確かにこのところ、不正検査などが問題になっていました。

高橋)日産だけの問題ではないのですが、トップにしてみれば周りに対して不信感はあったでしょうね。

飯田)この見解で言われているのが、ゴーンさん云々という話ではなく、日産の帰属の問題だと。日産は日本の会社なのか、それともフランスの子会社なのかという問題です。株式で言ったら子会社になってしまうのですが、日産としてはこれをひっくり返したいというものがあるわけですか?

【日産、カルロス・ゴーン容疑者逮捕】日産自動車グローバル本社=2018年11月22日 写真提供:産経新聞社

日仏関係を引き裂こうとするアメリカの陰謀論

高橋)でしょうね。そういう意味ではクーデターという言い方がされますよね。私はこの事件が起こったとき、たまたまレバノン大使館のレセプションへ行っていたのです。ゴーンさんはもともとレバノン系の血筋ということです。中東のレバノンの人は陰謀論が大好きですが、「高橋先生、これはきっとアメリカの陰謀だよ」と言っていました。「アメリカが日本とフランスの仲を悪くさせようとしているんだよ」などといろいろなことが言われていて、実際にどうかは分からないけれど、陰謀論が出て来るのが面白いなと思いました。

飯田)外形的に見ると、ルノーは中国に工場を作ったり、技術移転しようとしている。これで日産の虎の子の技術が中国へ行ってしまうのではないか、という話は言われたりしますね。

高橋)アメリカは最新技術を中国に渡したくない。なのに、「ルノーや日産は何をやっているんだ」という部分があったという。陰謀論は陰謀論なのですが、それなりの説得力があります。陰謀論は、ちょっとだけ説得力があるところが陰謀論の説得性ですからね。本当にパーティーが盛り上がる話題でした。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.