操縦士飲酒問題~アルコール濃度の基準値、検査規定の法令設定を早急に

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月15日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。日本航空がパイロット飲酒で12便遅延した報道を受け、その問題について解説した。

日本航空 パイロット 飲酒 操縦士 スカイマークエアライン 全日空 JAL ANA

本社が入居する野村不動産天王洲ビル(日本航空 – Wikipediaより)

日本航空~去年8月以降国内線パイロットの飲酒で12便が遅延

日本航空が国内線パイロットのアルコール検査のため新型感知器を導入した去年8月以降、19件で基準値オーバーを感知。その内12便で交代運転手の手配に時間がかかり、運行が遅れていたことが分かった。

飯田)今朝の毎日新聞は1面トップで伝えています。10月末に酒気帯び状態でロンドン発羽田行きの便に乗務しようとした副操縦士が、イギリスの警察に逮捕されました。これは大きく報道されましたが、それを受けて毎日新聞がいろいろ取材したら分かって来たのですね。

鈴木)イギリスで逮捕されなければ、この話題は永遠に表に出なかったかもしれないと思うと怖いですね。私も今朝記事を読んで、驚いたことがけっこうあります。これまで国内でも検査に引っかかっているパイロットがけっこういるのに、公表していない。しかも記事によると「引っかかったときは飛行機の便が遅れる。そのとき乗客には『乗務員の体調不良』と伝えていた」そうです。体調不良ではなくて、酒を飲んでいたのでしょう? この辺が航空行政そのものの信頼に影響しますよね。

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問題は「基準の厳しさ」よりも「違反後の処理」について

鈴木)これも毎日新聞が指摘していますが、現在の航空法令では、乗務員のアルコール濃度の基準値とか、検査規定とか、決まっていなかった。法令がなかったことに驚きです。これは本当に大問題として、すぐに対応しなければいけませんね。

飯田)各交通機関で取り組みをしています。「約12時間前から飲酒禁止」というものがありますが、それより前に飲んでいても、身体に残る場合はありますよね。

鈴木)私はお酒をあまり飲まないからこの辺はよく分かりませんが、どの程度だったらいいのか。なかなか基準は難しいと思いますが、問題なのは「基準が厳しいか」ではないと思います。ルールは1度、自分たちで決めているわけですからね。そこに違反しているときの処理をどうしているかですよ。まさに危機管理の問題ですね。まず、公表していない。名前まで公表しなくてもいいですが、こういう事例は公表して初めて次の安全性や信頼につながります。特に飛行機はそうですよね。過去にいろいろな事故があるけれど、そこで必ず問題になるのは隠蔽です。そこから必ず大事故につながり、批判される。やはり公表が大切です。自分たちでルールを決めて、濃度が云々の問題ではないのです。
それから、国の取り組みです。国会はまだかもしれませんが、すぐにやらなければいけないと思います。

飯田)今回は日本航空の話ですが、全日空も国内線で飲酒して遅延した話があったし、きょう取り上げられているところで言うと、スカイマークエアラインのアメリカ人機長が、前日12時間前よりも少し前に、500ミリリットルの缶ビールを7本飲んで、まだアルコールが残っていたそうです。
以前、タクシー運転手さんに聞いたことがありますが、体調にも左右される部分があるようです。「これくらいなら自分のなかで分解できるな」と思う量も、疲れていると分解できずにひっかかることもあるそうです。乗務時間までしばらく時間があるから、そこで酔いを醒ましてもう1度検査をしてオーケーが出ることが多いそうです。

鈴木)意図的に飲酒運転や操縦をしたいわけではないですからね。問題は、ルールを決めた後の対応ですよ。パイロットやタクシー運転手の個人の話ではなく、むしろ組織や会社側の問題だと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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