日米貿易協力と一対一路に対する安倍政権の大きな相違

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月14日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。日米間の貿易と日中の一帯一路との協力の違いについて解説した。

一帯一路 マイク・ペンス ペンス副大統領 安倍 日米 貿易 中国 ASEAN 首脳会議

政治 会談を前に握手を交わす安倍晋三首相とペンス米国副大統領(左)=2018年11月13日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

安倍総理とアメリカのペンス副大統領が会談

安倍総理)日米間の貿易投資を更に拡大させ、公正なルールに基づく、自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現していくことを再確認しました。

安倍総理は昨日、アメリカのペンス副大統領と会談し、共同声明を発表した。朝鮮半島の完全な非核化や中国の海洋進出などを念頭に、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、協力を強化して行くことを確認。貿易や投資を更に拡大させて行くことでも一致した。

飯田)14日からシンガポールでASEAN首脳会議が行われますが、それを前に昨日の朝、総理官邸でおよそ1時間の会談が行われたということです。

高橋)ペンスさんという方は、日本にとって非常にいい人です。以前、インディアナ州の知事をやっていたときも日本企業が沢山来て、そのことを評価していた人だったので、円滑に行った気がしますね。前によく出ていた、日米でタッグを組んでいたトレード・アグリーメント・オン・グッズ(TAG)、サービスが入ってどうのと言っていましたけれど、ああいうものはとりあえず物から行くのですよ。未来永劫何もないということは無いですから。日本とアメリカで齟齬があるという言い方をして、取り上げていた人もいましたが。

飯田)「向こうがFTAと言っているだろ」みたいなことを。

一帯一路 マイク・ペンス ペンス副大統領 安倍 日米 貿易 中国 ASEAN 首脳会議
自動車税さえなければ日本のポジションは悪くない

高橋)「最初は物でしょう」というだけなのです。時間を稼いでいるだけです、「自動車の関税はやらない」とかね。そのあたりは昨日の会談でわかりました。当面は物でやって行く、日本にとっては悪くないですね。自動車関税さえなければ、米中貿易摩擦があっても日本は漁夫の利を得ることができる、というのが普通の計算ですから。その意味では悪いポジションではありません。投資の話もしたけれど、一帯一路の話で、ここでも日本のマスコミの人は誤解があって、「政府が協力している」という言い方をしていましたが、日本政府は一帯一路に対しては「自己責任で企業の勝手だ」とはっきり言っています。こちらの方は政府から話して、「インフラ投資をやります」と色を付けていますよね。一帯一路に企業が参加するのは自由です。ただし日米の話は欧州、豪州とか最後にはインドも巻き込んでやると思いますが…こちらの方は政府間できちんとやりますと言っています。

飯田)メディアの論調的には「中国にも近付いて行って、日本は股割きになるのではないか」という話を書くところもあったりしますね。

高橋)それは政府のコミットメントを見れば、はっきりと分けています。こちらは日米首脳会談できちんと喋っている。しかし日中の場合は企業だけがやっていて、政府はコミットメントしていません。

一帯一路 マイク・ペンス ペンス副大統領 安倍 日米 貿易 中国 ASEAN 首脳会議

一帯一路国際協力サミットフォーラム(一帯一路 – Wikipediaより)

日米貿易は政府間でのもの~一帯一路については企業の自己責任

飯田)この間の総理が訪中したあのタイミングでも、企業経営者が大挙して押し寄せて、50以上の協定、アグリメントをやったとのことですが、この主体は企業なわけですよね?

高橋)そう。日本政府の方は一緒に行って見ていただけ。今回はちゃんとペンスさんと安倍さんが会見している。その違いがあります。

飯田)どうも中国に対して、「大きなマーケットだ」と言って経済界は前のめりになっている感じがあります。

高橋)確かに大きなマーケットだと思います。その意味では、当面の政治の話を抜きにして、企業は前のめりになりたいのでしょうね。ただし、カントリーリスクは意識した方がいいです。日米の話はオーストラリアとインドが後で組み込まれて行くと思いますが、こちらはカントリーリスクが低いです。オーストラリアもインドも民主主義国だし英語圏であるし、ということでアメリカもいる。

飯田)カントリーリスクという点で、アメリカが韓国の企業などに「中国製のコアの部品を使ったスマホなどはアメリカには入れさせないぞ」ということをやっていますよね。

一帯一路 マイク・ペンス ペンス副大統領 安倍 日米 貿易 中国 ASEAN 首脳会議
日本企業はカントリーリスクを意識するべき

高橋)日本も中国企業と合弁したり一帯一路で協力したら、アメリカ市場がどうなるかは実はわからないです。そこを気を付けた方がいい、これがカントリーリスクです。

飯田)どういうかたちで制裁が回って来るかはわからないですよね。

高橋)日本の企業は技術が高いですから、軍事技術に転用、もしくは認定でもされたら、アメリカ市場から締め出しを食らいますよ。

飯田)そうなると、先にトランプ大統領が署名した国防権限法に引っかかることになりますね。

高橋)そうですね。よく気を付けた方がいいです。日本企業は意識しているのか、していないのか分かりませんが、軍事技術に転用できる技術が多いです。

飯田)別の国の話ですが、北朝鮮から飛んできた無人機に日本製のエンジンが付いていたとかね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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