日米がFFR(日米通商交渉対話)の初会合を開催~なぜ日本はFTAを恐れるのか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK!Çozy up!」(8月8日放送)に国際政治アナリストの藤井厳喜が出演。FFR(日米通商交渉対話)の初会合に関して解説した。

日米通商交渉対話、FFR

日本とアメリカは9日、FFR(日米通商交渉対話)の初会合をワシントンで開催する。会合ではアメリカが自動車への追加関税の発動を交渉カードに、二国間の自由貿易協定、FTAの交渉入りを要求するとみられ、日本がどう対応するか注目されている。

飯田)こうした枠組み、日本からは茂木経済財政担当大臣が、そしてアメリカからはUSTRアメリカ通商代表部代表のライトハイザーさんが出て来るということであります。FTAの交渉を求めてくるのですかね?

藤井)なぜ日本側がFTAを嫌うのかよくわからないね。FTAは拒絶の方向でしょ。

飯田)日本政府側はそう言っていますね。

米と組んで世界の新しい貿易秩序を作る

藤井)二国間でやると、とんでもないことを押し付けられてしまうのではないかという感じを持っている。だけど、日米で、貿易はどっちが黒字を稼いで、どっちが赤字なのかと言ったら日本の方が強い立場ですよ。先ほど世界の軍事でナンバー1はアメリカで、ナンバー2はロシアと言いました。ナンバー1とナンバー2が組むと、どの業界でもその業界の秩序を作るのは簡単なんですよ。中国はナンバー2の経済規模だと言われているけど、ちょっと怪しいところがある。実質上、日本が自由経済のなかではナンバー2の国だと思います。
「世界のナンバー1とナンバー2が組んで新しい貿易秩序を作るんだ」というような意気込みがあってもいいと思うんですよね。FTAを何でそんなに恐れるのかなと思うんですよね。FTAの場合は例外があるわけですから。TPPの方が例外なしということで非常に問題があったわけです。ISD条項なんかはとりあえず凍結ということになりましたが、ISD条項がもし入ってくるとなるとアメリカは絶対ノーですね。国の司法制度を破壊するという考え方ですよ。

飯田)アメリカの方がむしろノーを言ってくると。

藤井)ノーです。アメリカも共和党も民主党もISDは駄目です。あの国の国家の司法制度を破壊してしまって、外部の国際裁定機関に任せるというのはおかしいじゃないかと。

飯田)政府と一企業がそうなったときにそれを外部の司法機関に任せてしまう。

藤井)それぞれの国で裁判を起こすのはいいでしょ。あるいはWTOに提訴するのもいいだろうけども、それは、独立国家の主権を侵すことになる、司法の独立を侵すことになるからおかしいという原則論ですよ。だからそれは上手くいかないと思います。ただ、二国間協定でそんなに恐れる必要はないと思います。

飯田)ある意味、TPPを下敷きにしつつ、例外事項も設定して。

藤井)きちんと作ってやればいい。農業などは。自動車はね、アメリカの自動車はどんなにやっても日本じゃ売れない。アメリカ人は未だに誤解しているのかもしれませんが、これは駄目でしょ。

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