変わりつつある県民の基地問題と経済意識~市長選から見る沖縄

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4月23日 FM93 AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』今日の聴きどころ!③

キーワードは「沖縄市長選~政府与党支援の現職勝利」
7:27~教えて!ニュースキーワード:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

桑江朝千夫 沖縄 市 胡屋十字路

ガンバロー三唱する桑江朝千夫氏と応援弁士ら=2018(平成30)年4月15日、沖縄市・胡屋十字路、クレジット:沖縄タイムス/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

桑江氏が再選した理由~沖縄の経済問題

沖縄県で那覇市に次いで2番目に人口が多い沖縄市の市長選挙が昨日行われた。自民公明推薦で現職の桑江朝千夫氏が、翁長知事が推した元市議の新人を破り、再選を果たした。政権としては、12月の知事選に向け、弾みをつけた格好となっている。

飯田)沖縄というと、保革対立とか、そういうことが昔から言われているところですが、今回は与党支援の候補が勝利。名護市長選もこの間あり、ここも与党支援の候補が勝利しました。続いていますね。

須田)そうですね。そういう意味では、「オール沖縄3連敗」ということになるのでしょうか。ただ、沖縄における自治体や、県知事選挙で考えると、経済成長とか、経済の活性化を訴える政府与党サイドと、「その前に、県民の安全・安心があってこその経済発展。やはり基地問題だ」のぶつかり合いですが、これは決して水と油の関係ではない。表裏一体の関係でもある。
何故かというと、オール沖縄サイドは常に「基地が無くなった方が経済は活性化する。具体的には、雇用も増え、経済成長していく」と主張してきました。基地が無くなった方が県民経済はよくなると主張してきたのですが、沖縄県に行っていろいろ話を聞いてみると、「それは那覇市周辺だけの話でしょ?」と。たとえば普天間周辺でやってしまったら、オール沖縄の人たちの主張が実現するのかどうか。「定かじゃない。むしろ困難ではないか」という認識が、沖縄県民にはけっこう強いのです。だから、結果的には、経済的に厳しい状況に置かれているなかで、沖縄県民のかなりの数が「基地との問題は切り離して考えられない」と言っている。その辺を東京の大手マスコミが正確に伝えないものだから、ごっちゃ混ぜになっているケースが多いのだと思います。

北部地方の経済活性化をどうするか

飯田)もちろん、喜んで基地を受け入れるような人はいない。だけど、経済面と秤に掛けて考えると、容認する人は一定程度いてもおかしくないですよね。

須田)普天間問題は、北部地域の話です。北部は経済的にも厳しい。その点で考えると、「北部振興基金を入れて、どうにか経済活性化していきましょう」ということで、中央とのパイプというのが、重要なのです。そこで対立していて、果たしていいのかというところでオール沖縄でも割れています。有力な支援者・支援会社も批判している話も出てきています。

飯田)オール沖縄をバックアップしていたような企業経営者たちが、離反し始めたという話が出ていますね。その辺も、どちらかというと、「経済はちゃんとやっていかないと」という人が、この4年間の県政のなかで増え始めている、ということですよね。

須田)現実主義路線と言えばいいのかな。「現実的にどうなの?」ということを考えてみるムードが高まってきているのだと思います。だからといって、「基地を固定化してもいい」という話ではないですけどね。

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