メジャーリーグパーソナリティ日記
HOME > ショウアップナイター > メジャーリーグパーソナリティ日記
メジャーリーグパーソナリティ
MBL Personality Diary
洗川雄司
10月16日   歌ってるけど・・・??

メジャーリーグと関係ないですけど、
大丈夫なのか??サッカーW杯日本代表。
なんだか、昨年から現場でボクもなんとなく感じていた
迫力・気迫の不足が続いてるんでしょうか??



こちらアメリカは、
2008年プレーオフ真っ只中です。

身長157cm・31歳・独身の洗川雄司です。

ディビジョンシリーズを終えて、
残ったのは4チーム。
ナ・リーグは、ドジャースとフィリーズ、
ア・リーグは、レッドソックスとレイズ。

最後にワールドシリーズを制覇するのは、果たして…??

あ、そうそう。
『ワールドシリーズ』って、
なーんだか、ヘンなコトバだなぁ、と思うんです。

北米地区でやっている
メジャーリーグの中だけの頂点を決めるシリーズなんですが…。

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)がスタートしてから、
余計に感じるところだったりして…。



さて、メジャーの試合前には
必ず『ナショナル・アンセム(国歌斉唱)』がありますが、
プレーオフに入ると、有名歌手を呼んだり、サックスで演奏したりと
さらに趣向を凝らして、スペシャルな雰囲気を演出しています。

ボクが取材していたボストン・フェンウェイパークでは、
R&Bシンガー・JOJOが歌ってました。
ボストンは彼女の地元だったんですね。
知りませんでした。



その『ナショナル・アンセム』。
アメリカでは日本以上に敬意を払って、厳粛に…
というイメージがあるかもしれませんが、
現場にいると、そうでもなかったりします。

球場のスタンドをよーく見てみると、
ビール呑みながら…、なんていうファンもいますし、
座ったまま、歌わない人もいる。

何より、グラウンドで斉唱する歌手の中にも、
ポケットに手を突っ込みながら歌っている人がいたり。

全員が全員、胸に手を当てて…、というわけでもないんですね。



時折、7回表終了後には、
「ゴッド・ブレス・アメリカ」も歌われます。

2001年のNY同時多発テロ事件以降、
各球場で歌われるようになった、
第2の米国国歌ともいわれている歌です。

ただ、これも賛否両論あるようで、
メッツで今年38本塁打を打ったカルロス・デルガド選手は、
かつて、歌うのを拒否したことがあります。

彼はプエルトリコ出身で、米国内での少数者の立場として…とか、
プエルトリコに駐留していた米軍に対する反発が…とか、
いろいろ報じられたこともあったそうです。



移民の多い米国は、歌や映画という、
みんなが受け入れやすいモノで
うまーく世論を誘導する部分があるのは事実のようで、
当然、そこには反発する向きもあります。


コトの良し悪しを議論するのは別として、
スポーツと政治は、できれば無関係の方がいいんですけどね。


それはともかく、
日本で流れるTVのメジャー中継は(米国内のTV中継もそうですが)、
胸に手を当て、祈りをささげるように歌うファンの姿であるとか、
都合のいい映像しか流れませんし、
球場のすべてをとらえているわけではありません。

ましてや、TVのアナウンサーと解説者はたいてい、
東京のスタジオでしゃべっているので、
当然、実際の現場の空気だとか、
こういうサイドストーリーは、
あまり伝えられません。


かくいうボクも日本人選手の活躍をお伝えすることで
手一杯になっていますし、他人のことを言えたもんじゃないですけどね(笑)。



毎日の報道で伝えられる米国のなんとなく良いイメージや
メジャーリーグのなんとなく良いイメージは、
それがすべてではない、ということです。

情報を目にする、耳にするときに、
ちょっと心の片隅においておくべきことなのかもしれません。



前のページ 最新のページ 次のページ