1242 ニッポン放送
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みのりの日記
栗村 智
栗村 智
 
diary
2月28日
スプリング、ハズ、カム
まだまだ寒さのきつい毎日が続きますが、皆様お元気ですか?
わたしゃ、のんびりマイペースでやっとります。

代休を取った月曜日、ふと思い立って、喬太郎師匠初主演映画「スプリング、ハズ、カム」を観ようと、スマホで検索してみました。
現在地の松戸から至近距離の映画館は・・・ありゃ、2月18日から全国ロードショーの予定とは聞いていましたが、武蔵野館が午前10時30分からの毎日一回だけ・・・。
あとは渋谷のユーロスペースが、夜6時30分からの一回。
『ありゃりゃ、こりゃだめだ』と半分あきらめかけた昼下がり、千葉をクリックしたら、な、なんと!千葉ニュータウン「USシネマ千葉ニュータウン」の午後3時40分一日一回の上映を見つけました。

『今なら間に合う!』

慌てて、新京成線の松戸から、新鎌ヶ谷で北総線に乗り換えて、印西牧の原に到着。
ここでスマホが下した決断は、USシネマまで「歩いて40分」!?
今の時刻は「3時10分」!
えーっ、間に合わない!
あっ、タクシーが一台いた、助かった・・・ところが!

『あれ〜ぇ、運転席に誰もいな〜い???』

ここで出した決断は、諦めず運転手さんが帰ってくるのを辛抱強く待つ!
この一手に絞りました。
寒さに震えて待つこと5分、駅前のATMから運転手さんがジャンパーのポケットに手を突っ込みながら、タクシーへと走ってくるではありませんか・・・。
わたしゃ、そのおじさんが天使にみえましたよ。

印西牧の原から、大き過ぎるジョイフルホンダの建物に不安を憶えましたが、無事、上映開始10分前にUSシネマに到着、平日の閑散とした劇場へ・・・。
「スプリング、ハズ、カム」はスクリーン10。
息せき切って座ったスクリーン10・・・先客はおばさん二人連れだけ、私で3人。
30年前の池袋演芸場を思い出すほどの寂しさ。
まっ、月曜の昼下がりだもの・・・仕方ないか。
ふかふかのシートにドッカリと腰を落ち着けて鑑賞できました。

ストーリーは、男一人で育てた一人娘が東京の大学に進学。
郷里の広島から二人で上京して、娘の部屋探しをするっていう、淡々としていて、のんびりとした和む映画でした。
今をさかのぼる45年前、かくいう私も東京の中央大学に進学が決まり、郷里の広島から親父と上京しました。
映画の肇と璃子の父娘と同じように、父と息子で慣れない東京を部屋探しで歩き回った思い出があるのですよ。
武骨な面白味のない鉄道員だった我が父と一緒に部屋探しをしたり、家財道具を買い集めました。
父が子の成長を喜びつつ、子は親の有難さを感じながら、初めての東京を歩き回る・・・映画とダブって、懐かしいのなんのって!
また、喬太郎師匠の淡々とした親父の演技に魅かれました。
璃子ちゃん役の石井杏奈ちゃんの可愛らしさと相まって、ほのぼのとした作品に仕上がっています。
上映館と上映時間を、スマホでご確認の上、ぜひご覧あれ!

そうこうしてるうちに、また、春がやってくるのですよ。
2月 2日
正楽師匠の「紙切り」注文ランキング!
「ついこないだ、マッカーサーが日本にやってきたと思っていたら、もう今日は2月2日なんですからねえ・・・うかうかしてられないですね。」
これは平成17(2005)年に急逝された桂文朝師匠の懐かしい「まくら」ですが、
ついこないだ、トランプが大統領になったと思ったら、もう今日は2月2日ですよねえ・・・ホント、うかうかしてられませんよ。

正月にいただいた年賀状を整理していて、正楽師匠からのはがきに手が止まりました。
我が家は昔から寄席演芸の正楽師匠の大ファンで、うちの至る所に師匠の紙切りが額に納められて飾ってあるんですよ。
毎年寄席のお客様からの注文ランキングが書いてあります。

【平成28年の注文数】
第一位:五郎丸 42 
第二位:宝船 36 
第三位:藤娘 34 
第四位:ひな祭り 30
第五位:鯉のぼり 26
第六位:竜 26  
第七位:正楽 25 
第八位:お花見 24
第九位:酉の市 24 
第十位:ゴジラ 23
 
去年終盤急激に伸びたのが・・・

13位:トランプ 17 
25位:ピコ太郎 5

だそうですよ。

全て正楽師匠ご自身で、ちゃんと毎年統計を取られているんです。
そうですか、去年のトップは五郎丸なんですねえ。
一昨年もトップは五郎丸で、52だったんですって。
紙切りは物のシルエットを切る芸ですから、なるほど、五郎丸のあのルーティンの動作はよいシルエットですよね。
トランプ大統領で騒々しい毎日ですが、今年の注文トップは、まず間違いなくトランプになることでしょう。
いやホント、これまでの大統領という観念を変えてしまうような強烈な人の登場ですねえ。
それでも世の中、平和でありますように。
年賀はがき整理しながら、ふとそう思う今日この頃であります。
1月10日
今年の寄席はじめ
あけましておめでとうございます。
大好きな寄席定席も、早いもので今日が初席楽日。
明日からはニの席がはじまります。
どの席も満員立ち見のお客様、いちじ閑古鳥が鳴いてたなんて嘘みたいですね。

今年の寄席はじめは、去年のうちに前売りで買っておいた国立演芸場6日目。
さん喬・一朝・喬太郎の三師匠を指定席でゆったりと鑑賞できる上に、トリが落語界最年長米丸師匠と同い年、今年なんと92歳になる、三笑亭笑三師匠。
初席らしい好メンバーひかれてはせ参じました。
ほかの定席は、もっぱらたくさんの芸人さんを新年顔見世興行てなもんでめまぐるしく高座に上げて、お客さんも立ち見で凄いにぎわい。
これもまたいいのですが、でれ〜ぇと席にゆったり座って、正月気分に浸るのもなかなか結構なもので・・・。

そういえば年末に、満員の千代田線の車中で私、見るからに感じの良い青年に席を譲られました。
63歳なんて今では若造だと思ってましたから、内心ショックでしたけど、無下に好意をむにするのも大人げなしと、瞬時に判断して、ありがたく座らせていただいたのですよ。
昔唄った童謡を思い出しました。

む〜らの渡しの船頭さんは〜今年60のおじいさん
年は取ってもおふねをこぐときは、元気いっぱい櫓がしなる〜
ソレ、ギッチラ、ギッチラ、ギーチラコー

60は昔、おじいさんなのですよ。
身の程をわきまえて、しっかりと生きていかなければ・・・。

でも、この人はすごいと思って見た笑三師匠のしばらくぶりに拝見したお姿にびっくり・・・。
くの字に曲がった腰をかばいながら、やっとのことで高座に登場。
師匠お得意の口慣れた消費税の漫談がまとまりがつかず、聴いていて気をもみました。
まえかたに上がられた夢太朗師匠の助け舟で、何とか幕をしめたのですが・・・。
3年くらい前は「悋気の火の玉」「火事息子」を軽妙な語り口で聞かせてくれ、達者なところ見せていただきうれしかったもの。
この年末年始、ちょっと世の無常を痛感させられてしまいました。
ですから「みなさん体だけは、大事にしてください!」
これは三平師匠でした。

今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
12月28日
落語協会『納めの会』
年の納めの有馬記念、狙ったサトノダイヤモンドからの馬券は、1着・1番人気、2着・2番人気、3着・3番人気という、グランプリの歴史上珍しいガッチガチの結果と相成り、元が切れてしまう馬券の下手さにガックシ・・・。
まっ、素晴らしい競馬を観戦できたので善しとしなければねえ。

今年の仕事納めは帝国ホテル、落語協会「納めの会」に出席。
夏の寄合とこの納めの年に二回、落語協会所属の噺家さんたちと招かれた報道陣、ごひいき筋一堂に集まっての会食の場です。
こういう大々的なパーティー形式の催しは、最近とみに少なくなっていますが、寄席演
芸の世界は盛況とあって、豪華なお料理と日頃高座で見せる姿とはまた違う芸人さんたちのひとなつっこい笑顔に囲まれて、楽しいひと時を過ごさせていただきました。
今年の会の進行は扇遊師匠。
和やかにスムーズに進行されて、アナウンサーの私にも大変勉強になりました。

いや、結構でした。
3人の新前座・3人の新二つ目、この3月下席から5人の真打、9月下席から3人の真打が誕生。
11月から音曲の小円歌改め二代目立花家橘之助と昇進・襲名が目白押しだとか・・・。
特に五代目桂三木助が出来るビッグニュース。
襲名する三木男さんがどう変わっていくか注目したいですね。
(ちなみに私は正月、圓生師匠と三代目三木助師匠のCD全集をかかえて、箱根に籠ります。)

大〆は、明けて10日には85歳になられる一般社団法人落語協会最高顧問、三遊亭圓歌師匠が登壇して賑やかにお開きとなりました。
弟子の歌る多さんの会添えで、足元がおぼつかなかったのが、ちょっと心配でしたが・・・。
お開きになった時まで、帝国ホテル自慢のローストビーフが残ってましたよ。
あっさり目のお料理に人気が集まるのは、さすが皆さん「60歳以降が勝負」の寄席演芸人の集まりですね。

どちらさまも、よいお年をお迎えくださいませ。
11月10日
三代目橘家文蔵襲名披露
橘家文左衛門改め、三代目橘家文蔵襲名披露興行。
9月21日・上野鈴本演芸場を皮切りに、都内の寄席定席を10日刻みに
新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、そして国立演芸場と、
50日間にわたって興行され、今日・大千秋楽を結びとして無事終了しました。
プロ野球・日本シリーズ、ワールドシリーズを見届けて、、
きょうの大千秋楽に間に合いました。
というか、おっとり刀でぎりぎり間に合いました。

三代目文蔵師匠は、以前、入門直後「乱暴者の元板前の前座さんがいるんだ」と、
紙切りの正楽師匠に伺ったのがきっかけで橘家かな文の頃から気には留めていたのです。
ちょうど1990年ごろは、ショウアップナイターの実況と日曜競馬ニッポンで、1年のほとんどが出張。
大好きな寄席通いから10年以上遠ざかってましたから、前座から二つ目の文吾時代の成長過程を見ていなかったのです。
再び寄席に通い始めた15年前くらいから、歯切れの良い江戸前の噺家さんとして、
私好みのうちの1人というか・・・先々を楽しみにしている注目の噺家さんの1人でした。
この興行で、ほとんどの高座をご覧になってるというご年配のお父さんに、
上野鈴本の初日が「笠碁」、その後は先代の十八番だった「竹の水仙」「らくだ」
「文七元結」「猫の災難」「芝浜」「転宅」がいい味出してたよと教えていただきました。

今日の国立演芸場大千秋楽の出し物は「芝浜」。
トリの高座に上がって、まずは写真撮影タイム。
続いてたくさんの楽屋見舞いのお菓子を客席へ、節分の豆まき形式の御裾分け。
文左衛門時代と変わらない伝法でかつ人懐っこいサービスのあとの一席、
三代目橘家文蔵45分の長口「芝浜」、結構でした。
一門の筆頭・一朝師匠が、口上の席で「この50日間めきめきと腕をあげてきた」と言っていた通り、”灘の、酒もかくやの語り口”で、平日の昼間にもかかわらず満員の客席をうならせましたよ。

また1人、定席で出番を首を長くして待つ、楽しみな噺家さんが看板をあげました。
三代目橘家文蔵54歳、いい噺家ができました。
 
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