1242 ニッポン放送
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みのりの日記
増田みのり
淵澤 由樹
 
diary
6月20日
未知なる自分
成人して十何年もたつと
大抵自分の好みなんて定まってしまうものです。
洋服の好み、好きな俳優さんの顔の系統、食べ物の好き嫌い。
そう思っていたんです。
先日まで。

でも、ここにきて新たな自分に驚いています。

コーンフレークとの再会。

食欲旺盛な中学生の時、家に常備してあったものの
とりわけ美味しいと思ったことはなく、
大人になってからは全くと言っていいほど食べていなかった
あのコーンフレーク。

出会いは5日前のスーパーです。
時間がないとき
ちょっと食べるのにいいかなと手に取ってみました。

ひたひたの牛乳にたっぷりのコーンフレーク。
サクッという食感が好きな方は多いでしょうが
私は時間がたって牛乳が染み込み
ヘニャッとだらしなくなったフレークが好き。

今、2箱目を買ってきました。
6月13日
父の日
この日曜は父の日ですね。

父の日といえば
絵を描くことが好きな私は
子供の頃、似顔絵をプレゼントしていました。

「お父さん、こんなに目がたれてるか?」と父は
少し嫌がっていたことを覚えてます。
私としてはやさしい印象でたれ目はイイと思うんだけど。。。


商売をやっていたこともあり、
毎日忙しくしていた父に遊んでもらったり
どこかへ連れて行ってもらった記憶はあまりありません。
週に唯一の休日には父は野球か囲碁に出かけちゃうし。

ただ周りの友人が旅行に行くと聞いても
不思議とそれを羨ましいと思ったことはありません。
父が楽しんで没頭している姿を
子供ながら応援していたのです。

余談ですが、私の現在の旅行好きは
子供の頃に行けなかった反動でもあると思っています。
そういう意味では親に感謝です。


そんな父も今では“良きじぃじ”
孫の相手は喜んでする。
本人いわく「子供と孫は違うんだよっ」とのこと。

たれ目の父に近々また会いに行こう。
6月 7日
事実をどうとらえるか
今週、私の両親が上京しました。
2泊と短い間でしたが、手料理を振る舞ったり
近所を散歩したり、のんびり楽しく過ごしました。

会っていたときは何も言わなかったのに
帰宅して一日たってからの電話で
「昔より痩せたわよねぇ」と。
そうね、出産と育児で前よりは体重減ってるかなと言うと
母は低い声で
「重い病気じゃないわよねぇ」

私と母は性格が180度違うと言っても過言ではありません。

母=かなりネガティブ
私=超がつくほど楽天的(たまに栗村さんにあきれられてます)

少し痩せた、ラッキーと思っている私の横で
母は「この子、大丈夫かしら、何もなければいいけど」と思っていたとは。

親はいつまでたっても心配性。
でも、その心配性なところに愛情を深く感じるのです。

ちなみに私は元気そのもの。
皆さんご心配なく。
っというか、それほど痩せてませんから。
5月30日
ある朝
普段は通勤ラッシュを避けるよう
できるだけの努力をする私ですが、
この日はどうしても込み合った電車に乗ることになりました。

電車は乗客お互いのマナーにより
なんらトラブルなくスムースに。
ホッとしたのも束の間、
乗り換えのため駅構内の階段を上っているとき
後ろからゴツンゴツンとつつかれました。
何かのアピールなのかなと思って振り向いてみたのですが、
別にその人は私に用はないらしい。

黒のスーツを着た女性。

人間間距離っていうのかしら、
車でいう車間距離がつかめないのか、
目の前にいる私に当たりまくります。
何度も何度も。

温厚な私でも(自分で言うか)
ちょっとちょっと〜と眉をひそめておりました。

その後、人の流れに乗って駅構内を歩いていると
目の前に手を繋いでいるカップルが。
その二人、明らかに人の流れをせき止めています。
ゆっくり歩くのはもちろん個人の自由。
ただ手を繋いでいるのはどうなの?
狭い道なんだからさ、しかも朝だし、TPOを考えればいいのに。
朝のラッシュ時、お手手繋いで出勤もいいけどねぇと、
すり抜けようとしたその瞬間!
ややっ、さっきのゴツンゴツン女性だ!と気付いたのです。

デリカシーが無さすぎる人にはなりたくない。
人の振り見て我が振り直せと思った朝の一幕でございました。
5月23日
大好きな人
江戸っ子で少ししゃがれた声。
紺の作務衣が良く似合う私の東京のおばあちゃん。
89歳。
大好きな人です。

とは言っても、何の血の繋がりもないんです。
学生時代の先輩のおばあさんなのですが、
先輩の家に遊びに行くうちに仲良くなっていきました。
先輩が留守の時でも
おばあちゃん目当てにお邪魔することも
1度や2度ではすみません。

戦争中の話や、若くして未亡人になった話なども
洒落っ気たっぷりに聞かせてくれます。
「そりゃぁ当時は生きていくのに必死だったからねぇ」と
微笑む顔のシワが年輪を感じさせ、
丸顔で福のある顔は神々しくさえ見えます。

私は「将来はおばあちゃんみたいな粋な女性になりたい!」と
本人を前に言うと、
決まっておばあちゃんは
「こんなババアにかい?」とクスクスと笑ってました。

近所の人たちからも人気者のおばあちゃん。
足腰が弱くなってきて外出しづらくなっても
周りがほっとかない。
顔を見に来たよと入れ替わり立ち替わり人が来ます。

大好きなおばあちゃん。

そのおばあちゃんが
今月、亡くなりました。
苦しまずに、眠るように。
老衰でした。

久しぶりに泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。

親戚でもないのに、
骨も拾わせてもらいました。

孫でもないのに、
孫みたいにかわいがってもらいました。

大好きなおばあちゃん
安らかに。
 
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