スポーツ伝説

2月8日~12日の放送内容

【プロ野球 戸郷翔征投手】

 巨人の戸郷投手は、高卒1年目の2019年のシーズン終盤に一軍初昇格。リーグ優勝が懸かった試合でプロ初登板・初先発という異例のデビューを飾り、日本シリーズの大舞台にも登板しました。2年目の昨年は開幕からローテーションに抜擢され、エース・菅野智之投手と共に先発の柱としてチームを支えた戸郷投手。開幕3連勝を挙げて好スタートを切りますが、その後2連敗を喫します。そんな苦しい時期に戸郷投手が思い返したのが、高校時代の監督の言葉でした。「調子が悪いときこそ、周りの人への礼儀や感謝、自分の態度を大事にしなさい」
 恩師の言葉を心に留め、8月は負けなしの4連勝と、息を吹き返した戸郷投手。7勝目を挙げた8月27日のヤクルト戦では、試合後にキャッチャー・炭谷銀仁朗選手への感謝を忘れませんでした。8月を終えて7勝2敗の好成績を残していた戸郷投手でしたが、9月以降は失速して9勝6敗で終了。リーグ連覇には貢献したものの、新人王争いでは10勝を挙げた広島・森下暢仁投手に抜かれ、残念ながらタイトルを逃してしまいました。新しい背番号「20」で挑む3年目のシーズンは、目指すは15勝。そして日本一と、昨年果たせなかった目標を目指します。

  

【プロ野球 小深田大翔選手】

 2019年のドラフトで4球団が競合した佐々木朗希投手を、抽選で外した東北楽天。代わりに1位で指名したのが、社会人野球・大阪ガスの小深田選手でした。身長168㎝と小柄ながら、俊足巧打が売り物の小深田選手。ショートの守備も評価が高かったものの、楽天にはレギュラーで活躍する茂木栄五郎選手がいるため、小深田選手の獲得を疑問視する声もありました。
 しかし小深田選手は開幕から一軍に抜擢されると、シーズン途中から茂木選手を押しのけてショートのレギュラーを奪い、112試合に出場。規定打席に達し、チーム2位の打率2割8分8厘をマークします。新人王争いは西武・平良海馬投手に19票差で敗れましたが、オフの契約更改で、年棒は大幅アップ。「外れ1位」は、大当たりとなりました。そんな小深田選手にとって、2年目の課題は守備です。昨年は8つエラーを記録しており、守備の要であるショートを守る上には、エラーをもっと減らさないといけません。今年は弱点を克服し、不動のショート定着を目指します。


  
【プロ野球 清水昇投手】

 清水投手は、国学院大学出身。150キロを超えるストレートとツーシームを武器に、大学日本代表にも選ばれました。2018年のドラフト1位で、東京ヤクルトに入団。即戦力ルーキーとして期待されましたが、プロ初先発の試合は4回を投げて9安打を浴び、5失点のホロ苦いデビューとなりました。結局1年目はプロ初勝利を挙げられないまま、11試合に登板して0勝3敗、防御率は7.27と、散々な成績に終わりました。
 2年目の昨シーズンは、抑えの石山泰稚投手へとつなぐセットアッパーとしての地位を確立します。0勝4敗ながら、チーム最多の52試合に登板すると、リーグトップタイの30ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎ投手賞のタイトルを獲得。史上初、プロ未勝利投手による個人タイトル獲得となりました。3年目の今シーズンは、昨シーズンを上回る60試合登板。そして、プロ初勝利が目標です。



【プロ野球 梶谷隆幸選手】
 
 梶谷選手は、島根の開星高校から2006年の高校生ドラフト3位で横浜ベイスターズに入団。プロ6年目の12年、当時の指揮官・中畑清監督の掲げる“機動力野球”の申し子として、開幕戦の1番・ショートに抜擢されました。8年目の14年には39盗塁を奪い、初の盗塁王のタイトルを獲得。切り込み隊長として活躍します。17年には「ホームラン21本・21盗塁」を記録。同じ年にホームラン20本・20盗塁の達成は、球団史上39年ぶりの快挙でした。「打率3割・30ホーマー・30盗塁」のトリプルスリー達成も期待されましたが、続く18年19年は、体調不良やケガの影響でいずれも出場は41試合と不本意なシーズンを送ります。
 背水の陣で臨んだ20年、ケガが癒えた梶谷選手は最後まで首位打者を争い、リーグ2位の3割2分3厘をマーク。さらにホームラン19本・14盗塁を記録し、走・攻・守、三拍子揃ったプレーヤーであることを改めて証明してみせたのです。重要な場面で結果を出せる梶谷選手の入団は、巨人にとってこれ以上ない補強となすはずです。
 


【プロ野球 チェン・ウェイン投手】 
 
 チェン投手は2004年に台湾から来日し、中日ドラゴンズに入団。日本に誘ったのは、中日の元主砲で当時アジア地区の担当スカウトだった、同じ台湾出身の大豊泰昭さんでした。入団当初は左ヒジのケガにも泣かされ、なかなか活躍できませんでしたが、大豊さんは通訳 兼 相談役として、同郷の後輩・チェン投手を励まし続けました。
 入団5年目の08年、チェン投手はついに頭角を現します。先発と中継ぎで7勝12ホールドの好成績を残すと、翌09年の勝ち星は8勝ながら4完封を記録。防御率1.54という安定感を見せ、最優秀防御率のタイトルを獲得しました。10年には、自身初の2ケタ勝利となる13勝をマークし、リーグ優勝に貢献しました。それを区切りに11年、チェン投手は中日を退団し、高校時代からの夢だったアメリカ・メジャーリーグに活躍の場を移します。ボルティモア・オリオールズで1年目から12勝をマークし、メジャー通算では59勝を挙げました。昨年9月、シーズン終盤にロッテに入団、日本球界に復帰したチェン投手。今シーズンから阪神に移籍し、10年ぶりにセ・リーグへ戻ってきました。ここまで日米通算95勝。新天地・阪神で、節目の100勝を目指します。



来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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