スポーツ伝説

1月18日~22日の放送内容

【サッカー 中村憲剛選手】

 川崎フロンターレひと筋18年の中村選手。川崎が下位に低迷した時も、リーグ戦でもカップ戦でも2位が続きいてシルバーコレクターと呼ばれた時も、常に先頭に立ってチームを牽引し“川崎のバンディエラ”と呼ばれました。中村選手は35歳の頃、プレーするのはあと5年と現役生活にタイムリミットを設け、それまで完全燃焼を誓いました。2016年には、歴代最年長の36歳でJリーグMVPを受賞。17年に悲願のJ1初優勝を果たすと、翌年も制し連覇を達成。さらに19年にはルヴァンカップ優勝と、チームに数々の栄冠をもたらします。
 ところが19年11月、39歳になった直後の試合で左ひざ前十字じん帯を損傷。選手生活で初めて大ケガを負いました。ここでキャリアを終える決断をしても不思議ではありませんでしたが、中村選手はあえて現役続行の道を選びます。つらいリハビリを乗り越え、ケガから10ヵ月後の昨年8月29日に復帰。10月31日、40歳の誕生日にバースデーゴールをホームで決めると、その翌日に引退を発表しました。現役生活との別れが近づいた11月25日、川崎は史上最速で3度目のJ1制覇を達成。年が明けた今年の元日には、川崎は天皇杯で劇的な勝利を収め初優勝。中村選手は出番こそありませんでしたが、クラブ史上初の二冠を見届けて引退するという、最高のフィナーレとなりました。



【プロ野球 内川聖一選手】

 昨シーズン限りで福岡ソフトバンクホークスを退団した内川選手。先月、東京ヤクルト入りが正式に決定しました。セ・リーグでプレーするのは横浜ベイスターズ時代以来、実に11年ぶりです。内川選手は、プロ野球の歴史で2人しか達成していない、セ・パ両リーグでの首位打者。現役最多の通算2171安打を誇るヒットメーカーです。ところが昨シーズンは、プロ20年目で初めて1軍出場がゼロに終わりました。2軍戦では、打率3割2分7厘をマーク。出場機会を求めて昨年オフに自由契約となり、新天地・ヤクルトに移籍したのです。
 内川選手がヤクルトへの移籍を決断した理由には、恩師である杉村繁打撃コーチの存在も大きな理由です。二人が出会ったのは横浜時代の2008年、内川選手がプロ8年目の時。なかなかレギュラーになれず「今年ダメなら野球を辞める」と悲壮な覚悟でいたところ、この年から杉村コーチが横浜にやってきました。杉村コーチは内川選手に毎日10種類以上のティー打撃を課し、以降7年連続で打率3割をクリアするバッターへと変貌させたのです。今年復活した師弟関係で、野球人生最後の花を咲かせようとする内川選手。残り55安打に迫る、史上4人目のセ・パ両リーグ1000安打達成を目指します。



【プロ野球 能見篤史投手】

 今シーズン、パ・リーグの最年長選手になったのが、阪神タイガースを退団してオリックス・バファローズに移籍した能見投手ですオリックスで期待されているのは、中継ぎ左腕としての役割です。能見投手は、阪神5年目の2009年に自己最多の13勝を挙げると、通算5度の2ケタ勝利を記録。長きにわたって先発の柱として活躍しました。18年、シーズン途中で中継ぎに配置転換されると、6月以降は42試合に登板。防御率0.86という安定感を見せ、リリーフ投手としてチームに貢献しました。
 40歳になった19年、不惑を迎えても150キロ近いストレートを武器に、自己最多の51試合に登板。大車輪の活躍を見せます。40歳を過ぎてのシーズン50試合登板は、中日で活躍した岩瀬仁紀投手以来、史上2人目の快挙でした。41歳の昨シーズンも34試合に登板。最終戦で最速149キロを計測するなど、スタミナ面・体力面で、まだまだ若い選手たちに負けるつもりはありません。今シーズンは、兼任コーチとしてオリックスと契約。移籍1年目の選手が兼任コーチになるのは極めて異例ですが、チームの若手から慕われる姿は阪神時代もお馴染みのものでした。通算104勝のサウスポーがどんな影響力を発揮するのか、これからの変化が楽しみです。



【プロ野球 三浦大輔監督】
 
 現役時代は“ハマの番長”と呼ばれた、三浦新監督。チーム名は横浜大洋ホエールズから、横浜・DeNAと変わりましたが、横浜ひと筋25年。エースとして活躍し、通算172勝を挙げました。一昨年、1軍投手コーチとして横浜に復帰すると、昨年は二軍監督を務め、ラミレス前監督の退任に伴い一軍監督に昇格。生え抜きの選手が監督に就任したのは、DeNAになってから初めてのことです。
 昨年11月、トレードマークのリーゼントヘアで就任会見に臨んだ三浦新監督は、「目指すのは優勝のみ」と宣言。キーワードとして掲げたのが、結束でした。昨シーズン、独走を許した巨人を倒すため、大好きな横浜でファンの声援を力に変え、チーム一丸を目指す三浦監督。目指すは23年ぶりのリーグ優勝と、日本一です。



【プロ野球 石井一久GM兼監督】 
 
 石井新監督は現役時代、東京ヤクルト・埼玉西武でプレーし、メジャーリーグにも4年間在籍しました。2018年9月にGMとして東北楽天入りすると、就任早々、古巣の西武からFAで浅村栄斗選手を獲得。2年目の19年オフには、千葉ロッテからFAで鈴木大地選手、トレードで西武時代の後輩・涌井秀章投手を入団させました。さらにメジャーから、元西武の牧田和久投手も獲得。またドラフトでは、目玉候補の佐々木朗希投手を1位抽選で外すと、社会人の小深田大翔選手を指名しました。
 小深田選手は1年目から、打率2割8分8厘、17盗塁と活躍。昨シーズンには浅村選手がホームラン王、涌井投手は最多勝に輝き、牧田投手もチームトップの24ホールドポイントを記録。西武時代の後輩3人がそろって活躍し、石井GMはその眼力の確かさを証明してみせました。しかしチーム自体は、大型補強も実らず4位。2年ぶりのBクラスに終わりました。三木肇前監督は責任を取って退任。代わりに球団からの要請を受けた石井GM自身が、兼任監督として一軍の指揮を執ることになったのです。選手の能力を見極める目に、野村監督直伝の“ID野球”をミックスさせ、目指すは8年ぶりのリーグ制覇と日本一です。



来週のスポーツ伝説は……

1/25(月) プロ野球 石川柊太投手
1/26(火) プロ野球 栗原陵矢選手
1/27(水) プロ野球 平良海馬投手
1/28(木) プロ野球 森下暢仁投手
1/29(金) プロ野球 祖父江大輔投手
                       
お楽しみに!!
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