スポーツ伝説

3月30日~4月3日の放送内容

【プロ野球 野村克也さん】

 今年2月11日、虚血性心不全のために84歳で惜しまれつつこの世を去った野村さん。世間では“ID野球の名監督”というイメージが強いですが、現役時代も1965年に戦後初の三冠王に輝くなど、数々の功績を残しています。
 通算ホームラン数657本、1988打点は、いずれも王貞治選手に次ぐ2位。戦後最初の三冠王も、73年・74年に王選手が2年連続で三冠王になると少し霞んでしまいましたが、実は王選手にも長嶋茂雄選手にも破れなかった野村さんの大記録があります。それは、通算19回のベストナイン選出。王選手は18回、長嶋選手は17回でいずれも野村選手には及ばず、この記録はまだ誰にも破られていない不滅の金字塔です。日本球界を代表するスラッガーであり、名捕手でもあった野村克也選手。その勇姿を、ファンは決して忘れていません。



【プロ野球 小園海斗選手】

 2018年のドラフトで4球団が1位指名。俊足・強肩・巧打の内野手として、報徳学園高校から鳴り物入りで広島カープに入団した小園選手は、1年目の昨シーズン、ルーキーながら開幕一軍入りを果たしました。ただし、小園選手のショートには、リーグ3連覇に貢献した田中広輔選手が不動のレギュラーとして君臨。当然出番はなく、実戦経験を積むためいったん二軍に落ちましたが、6月20日の交流戦中に満を持して一軍に再昇格。地元・マツダスタジアムでのロッテ戦で、ついにデビューを飾ります。しかも、田中選手を押しのけて「一番・ショート」のスタメンに抜擢。田中選手が打撃不振にあえいでいたため、刺激を与える意味もあっての起用でしたが、小園選手は初回、先頭でプロ初打席に立つと、ロッテ先発・種市篤暉投手の3球目をレフト前にはじき返し、プロ初打席・初ヒット。広島の高卒ルーキー野手では、前田智徳選手以来29年ぶりの快挙でした。
 しかし、ショートの守備では課題が残りました。デビュー3試合でエラー4つ。この結果に再び二軍落ちとなりましたが、その悔しさをバネに一軍へ這い上がり、1年目は58試合に出場、ホームランを4本打ちました。プロ2年目の今シーズン、オープン戦ではショート以外にサードの守備もこなし、開幕スタメンを目指して燃えています。



【プロ野球 近本光司選手】

 昨年、1年目から大活躍した、阪神タイガースの近本選手。開幕戦に2番・センターで先発出場すると、試合中盤に貴重な同点タイムリースリーベースを放ち、プロ初安打・初打点を記録する鮮烈デビューを飾りました。さらに4月中旬からは、球団新人記録となる13試合連続ヒットをマーク。1番打者に定着すると、自慢の俊足で盗塁も次々に決めていきました。
 7月のオールスターゲームでも好調さを発揮し、ホーム・甲子園球場で行われた第2戦で、ルーキーとして史上初の先頭打者ホームランに加え、サイクルヒットを達成。球界のスター選手を抑えて、文句なしでMVPに輝きました。その後もヒットを重ねた近本選手は、“ミスタージャイアンツ”長嶋茂雄選手のセ・リーグ新人記録を61年ぶりに更新するシーズン159安打を記録。また36盗塁は、赤星憲広選手以来、史上2人目の新人盗塁王の快挙を達成しました。


 
【プロ野球 戸郷翔征選手】
 
 今年2年目・巨人の戸郷投手は、昨シーズン終盤のプロ野球で突如頭角を現した高卒ルーキーです。2018年のドラフトで6位指名を受け、巨人に入団。プロ1年目の昨シーズンは、186㎝の長身を生かした150キロを超えるストレートと多彩な変化球を武器にファームで好成績を残します。
 すると原辰徳監督は9月21日、優勝マジック2で迎えた2位・DeNAとの直接対決で、戸郷投手をプロ初登板・初先発に起用。勝てば優勝が決まる大一番に高卒ルーキーを起用したのは、異例の大抜擢でした。並のルーキーなら萎縮するところ、戸郷投手は5回途中まで投げ、2失点と力投。勝ち投手の権利こそ逃しましたが、みごと5年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。


 
【プロ野球 杉山一樹選手】
 
 日本球界を代表するピッチャーとなった、福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大投手が「僕を超えている」と絶賛する後輩投手が、今年プロ2年目の右腕・杉山投手です。千賀投手の発言もあって、今年の新人王有力候補と言われています。
 杉山投手は高校時代は無名の存在でしたが、社会人野球の三菱重工広島に進んでから、課題だった制球力を磨いて才能が開花。2018年の都市対抗野球では、最速153キロを記録してスカウトの評価を高め、その年のドラフトでソフトバンクから2位指名を受けプロ入りを果たしました。昨年は、即戦力候補として、自主トレ期間中から高い評価を集めた杉山投手。しかしキャンプ中のケガが祟り、一軍デビューは9月までお預けとなりました。それでも、ケガさえ治れば、やはりその球威は本物。一軍デビュー戦でいきなり自己最速となる155キロをマークすると、わずか13球ながら1イニングで2三振と大器の片鱗を見せつけました。


        
来週のスポーツ伝説は……

4/6(月) 女子マラソン 前田穂南選手
4/7(火) 女子マラソン 鈴木亜由子選手
4/8(水) 女子競歩 岡田久美子選手  
4/9(木) 女子クライミング野口啓代選手
4/10(金)男子クライミング楢崎智亜選手 
                       
お楽しみに!!
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