スポーツ伝説

3月14日~18日の放送内容

【大相撲 琴奨菊和弘関】

 今月13日から始まった大相撲春場所で横綱挑戦が懸かる大関・琴奨菊関は、先場所、日本出身力士として10年ぶりに賜杯を手にしました。
 がぶり寄りを武器に、2011年秋場所後に大関に昇進しましたが、再三のケガに泣かされ、負け越せば関脇に転落するカド番を5度も経験しました。そんな中、「残り少ない相撲人生。一花咲かせよう」と決心。新しいトレーナーの指導を仰ぎ、体幹を強化して、動けなくなるまで稽古する日々が始まります。その結果、本来の相撲がよみがえり、3日連続で横綱を撃破するという快挙に繋がりました。今場所は大関昇進から27場所目で、初の綱獲り場所となります。



【大相撲 正代直也関】

 角界期待の星・正代関は、東京農業大学2年生の時に学生横綱のタイトルを獲得。幕下付け出しで大相撲デビューできる資格を得ましたが、卒業を優先してその資格を放棄。卒業後に時津風部屋に入門し、前相撲からデビューすることになりました。一昨年の春場所に初土俵を踏むと、実力通りの活躍で順調に番付を上げ、去年9月の秋場所で早くも新十両に昇進。続く九州場所では、13勝をあげて十両優勝を成し遂げます。初土俵から負けなし、所要11場所での新入幕は、幕下付け出しの力士を除くと史上3位のスピード記録です。
 今年の初場所では、序盤で4勝1敗と好スタートを切ると、千秋楽に勝って10勝とし、新入幕ながらいきなりの敢闘賞受賞。初土俵から12場所目の3賞受賞は、元横綱・初代若乃花が1950年に記録した9場所に次ぐ、史上2位のスピード記録となりました。このスピード出世はどこまで続くのか、今場所も目が離せません。 


 
【大相撲 高安晃関】

 平成生まれの力士で最初に三役に昇進した高安関。中学卒業後、鳴戸部屋に入門し、2005年春場所に初土俵を踏みました。その後は順調に出世して、10年九州場所で新十両に。11年名古屋場所で新入幕を果たし、13年秋場所では23歳で小結を務めるなど、平成生まれの力士の中で新十両・新入幕・新三役、いずれも一番乗りとなりました。しかしその後は横綱・大関陣の厚い壁に阻まれて成績が伸び悩み、幕内上位と下位を往復。その間に2学年下の照ノ富士関に追い抜かれ、去年の夏場所で初優勝を果たした照ノ富士関が平成生まれ初の大関に昇進しました。
 年下のライバルの先を越され、「去年は苦しい1年だった」と高安関。今年の目標は、去年の初場所以来の三役復帰、そして自己最高位の小結よりも上位に昇進すること。西前頭8枚目で迎えた初場所は、初日から6連勝、11勝4敗の好成績で番付を上げ、目標達成への足掛かりをつかみました。再び上位陣と当たる位置に戻ってきた今場所は、これまでと一味違う高安関が見られるかもしれません。 

 

【サッカー 小倉隆史ゼネラルマネージャー兼監督】

 今シーズンから、サッカーJ1リーグ・名古屋グランパスエイトのゼネラルマネージャー兼監督に就任した小倉さんは、Jリーグ開幕前の1992年、名古屋グランパスエイトに入団。95年度の天皇杯制覇に貢献するなど、エースストライカーとして活躍しました。99年に退団した後はしばらくグランパスを離れていましたが、去年6月にGM補佐として16年ぶりに古巣へ復帰。今年2月1日付でGMに昇格すると同時に、昨シーズン限りで退任した西野朗前監督の後を受け、監督も兼任することになりました。
 小倉監督は、現在イングランド・プレミアリーグの名門・アーセナルで指揮を執るベンゲル監督の教え子でもあります。監督に興味を持ったのも、「ベンゲルがいたから」。そんな小倉監督が掲げた今年のチームスローガンは、信頼。複数年契約を断り、1年契約で退路を断って臨みます。



【サッカー 長谷川健太監督】

 去年、J1制覇こそ逃したものの、天皇杯連覇を達成したガンバ大阪を率いるのは、就任4年目の長谷川監督です。現役時代は、日産自動車を経て、91年に生まれ故郷に設立された新チーム・清水エスパルスに移籍。エースストライカーとして活躍しました。引退後は指導者の道を歩み、2005年から6シーズンに渡ってエスパルスの監督を務めた後、13年からガンバ大阪の監督に就任。ガンバは前年にJ1からJ2に降格したばかりで、立て直しを期待されての監督就任となりました。
 再びJ1に戻った14年は、前半戦こそ降格圏に低迷したものの、後半戦に怒涛の快進撃を見せ、復帰1年目でJ1制覇という快挙を成し遂げました。さらにナビスコカップも制し、天皇杯でも決勝に進出。主力選手をケガで欠きながらも、ガンバ大阪はシーズン三冠制覇を達成したのです。長谷川監督が就任以来目指してきた、個人技に頼るのではない、誰が出ても変わらず強いサッカーができるチームが完成した瞬間でした。
 
 

 来週のスポーツ伝説は……

  3月21日 プロ野球 ローガン・オンドルセク投手
  3月22日 プロ野球 ルイス・クルーズ選手
  3月23日 プロ野球 クリス・ジョンソン投手
  3月24日 プロ野球 リック・バンデンハーク投手
  3月25日 プロ野球 李大恩投手

                       以上の5選手をご紹介します。
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