スポーツ伝説

9月28日~10月2日の放送内容

【高校野球 オコエ瑠偉選手】

 10月22日のプロ野球ドラフト会議に向けた各球団の動きが活発になってきました。100周年を迎えた夏の甲子園大会で、スター候補が続出。関東第一高校のオコエ選手もその1人です。ナイジェリア人のお父さんは、サッカー選手になって欲しいと願っていました。しかしお母さんのハトコにはロッテの内竜也投手がおり、オコエ選手が野球に夢中になるきっかけを作ってしまいました。小学1年生で野球を始めた当初はキャッチャー。その後、ジャイアンツジュニア・シニアリーグを経て、関東第一高校へ。50m5秒台の走力は際立っていましたが、当時はそれほど目立った選手ではありませんでした。才能を発揮し始めたのは、1年生の終わりだったといいます。
 大会にはプロ球団のスカウトたちが集まりましたが、中でも熱心だったのは、スターが欲しい巨人。当初は原監督の母校・東海大相模の小笠原投手が1位候補でしたが、堤ゼネラルマネージャーが甲子園を視察し、オコエ選手を大絶賛。編成部門のトップも、強力にプッシュする姿勢を固めた模様です。



【高校野球 小笠原慎之介投手】

 5年ぶりの決勝進出を果たした東海大相模は、左のエース小笠原投手にすべてを託しました。ナンバーワン・サウスポーというだけあって、「すべてのチェックポイントがAクラス」と、プロのスカウトも太鼓判。ところが仙台育英との大一番では、不覚にも6失点。同点のまま迎えた9回表、「三振してくるわ」と言ってベンチを出た小笠原投手は、初球を強振。打球は見事にライトスタンドに飛び込みました。小笠原投手の高校通算3号は、45年ぶりの優勝弾となったのです。
 5月以降は、常に夏の甲子園を想定して練習を重ねてきました。室内のブルペンでは窓を閉め、業務用ヒーターのスイッチをオンに。更に長袖のアンダーシャツを着こんで、マスクも着用しました。その甲斐あって、「今年は猛暑と言われていても、夏バテの心配はなかった」と笑っていた小笠原投手。メジャーの極東地区スカウトも大きな関心を寄せており、「世界規模で見てもトップクラス」と語っています。


 
【プロ野球 金山次郎選手】

 1950年からスタートした、プロ野球セ・パ両リーグによる2リーグ制。セ・リーグの初代優勝チームに輝いたのは、松竹ロビンスでした。この年、移籍したばかりの金山選手が、トップバッターとして大活躍。広島時代には、伝統の機動力野球を構築したレジェンドと言われています。常に熱いプレーでスタンドを沸かせた異色のヒーローが広島に移籍したのは、1953年。その移籍を実現させるために、市民が募金で資金を捻出したというから驚きです。
 “イラの金さん”というニックネームを持っていた金山選手。味方投手の制球はいまひとつで制球が悪いと、励ますどころか怒り出す。打席では甘いボールを待つことができず、ストライクがくれば手を出しがち。それでも盗塁の時だけは違いました。少しずつリードを広げながら投手の呼吸を計り、経験に培われた勘で絶妙のスタートを。走る集中力だけは別人のようで、1955年には、史上初の通算400盗塁を達成しました。



【バレーボール 木村沙織選手】

 10か月後に迫ったリオデジャネイロ・オリンピック。バレーボール全日本女子は、28年ぶりに銅メダルを獲得したロンドン・オリンピックから、若手主体に生まれ変わりました。その中で、エースの木村選手が強烈なキャプテンシーを発揮しています。ロンドン大会後、全日本からの引退を考えていた木村選手。懸命に引き留めたのは、真鍋正義監督でした。「キャプテンを頼む」と申し入れますが、木村選手は「できません」の一点張り。何度もやり取りの応酬が繰り返されましたが、結局は監督が押し切りました。
 29歳のベテランになっても、木村選手の代わりを務めるようなエースはいません。とはいえ、7月のワールドグランプリでは、スタメン落ちを喫するほどの深刻な状況に。それを救ったのは、元キャプテンの竹下佳江さんでした。「プレーに集中すればいい。いいプレーを見せるだけで、チームはまとまる」とアドバイス。木村選手がワールドカップ直前に30㎝も髪をカットしたのは、その決意の表れだったのです。
 


【陸上 ウサイン・ボルト選手】

 伝説を作り続ける人類最速の男。ジャマイカのボルト選手が、北京で開催された世界陸上競技選手権で3冠を達成。これで世界選手権では、通算11個の金メダルを獲得。大会最多記録を更新しました。
 ボルト選手が北京大会でその強さをもっとも発揮したのは、200m。自ら「オレの種目」と豪語し、アメリカのガトリン選手との一騎打ちを楽しみにしていました。2005年のヘルシンキ大会では、優勝したのはガトリン選手。ボルト選手は8位という屈辱の結果に終わりました。しかし今回は、4連覇を達成。世界の関係者から絶大な賛辞を贈られました。 



来週のスポーツ伝説は……

 10月5日(月) プロ野球 トニー・バーネット投手
 10月6日(火) プロ野球 中村悠平選手
 10月7日(水) プロ野球 中尾孝義捕手
 10月8日(木) プロ野球 木田勇投手
 10月9日(金) 陸  上 サニブラウン・アブデル・ハキーム選手

                       以上の5選手をご紹介します。
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