放送局・放送日時

ニッポン放送
土曜日 22:00~22:30
STVラジオ
日曜日 17:30~18:00
東北放送
日曜日 12:30~13:00
北陸放送
土曜日 17:00~17:30
東海ラジオ
土曜日 12:00~12:30
朝日放送
日曜日 12:30~13:00
山陽放送
土曜日 16:30~17:00
中国放送
日曜日 17:00~17:30
九州朝日放送
日曜日 8:30~0:00
2020年2月15日
射撃・山内裕貴選手 (2)

2月8日(9日)の放送では、前回に引き続き、射撃の山内裕貴(やまうち・ゆうき)選手をゲストにお迎えしてお送りしました。

 

現在、34歳の山内選手。

17歳の時、バイク事故により、右肩から下の機能を失いました。その後、専門学校時代にはダーツに夢中になり、社会人になってからはプロを目指していました。

その頃、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるかもしれないというニュースを目にすることが多く、次第に自分もそういう世界に挑戦してみたいという思いが湧いてきたといいます。

それまで、陸上や卓球、ハンドボールなどいろいろなスポーツを経験したそうですが、山内選手のおじいちゃんが昔から猟銃をやっていて、そこへの憧れもあったことから、射撃について調べたそうです。

それで、射撃がパラリンピック競技でもあることを知り、地元・山口市で開催された体験会に参加。射撃を本格的に始めることになりました。

 

競技を始めてわずか3年で日本代表に選ばれ、2017年には自身初となる国際大会(タイで開催されたワールドカップ)に出場しました。

はじめのうちは、普段の練習場所にはいないような海外のうまい選手がたくさんいて、他の選手にばかり目が行って集中できず、なかなかうまくいかなったそうです。

結果は、17位。ただ、世界のトップランカーたちと戦う中で、その選手たちも自分と同じ人間だし、同じ銃を使うのだから、いつかは自分もあの舞台に立てるという思いを抱いたといいます。

 

その翌年、2018年に行われた世界選手権では、東京パラリンピックの出場資格を獲得するための標準点を突破し、パラリンピックという大舞台への出場が現実味を帯びてきました。

この世界選手権を山内選手はこう振り返ります。

「基準点をクリアできたという部分では少し自信につながりましたが、自分はもっと良い結果が出せると思って大会に臨んでいたので、正直、悔しさの方が大きかったです」

 

東京パラリンピックへの切符をかけた戦いは、春頃まで続きます。とくに、5月にペルーで行われるワールドカップはとても重要な大会となります。

山内選手はこの大会に向けて「(自分が)楽しんで撃っているイメージを鮮明に描きながら」日々、練習に取り組んでいます。

その先にある、東京パラリンピックにかける思いを伺いました。

「ずっと東京パラリンピックの舞台に立つということを夢見てやってきました。ここまでやって来れたのも、いろいろな方々の支えがあったからです。なので、自分を支えてくれた皆様に少しでも恩返しできるよう、絶対、東京パラリンピックに出場して、表彰台に立ちたいと思います!」

 

最後に、山内選手にとっての“Going Upな一言”とは?

『人は考えたとおりの人になる』

試合や練習中、10点を撃つとしっかりイメージして臨むと、その通りに撃てたことが今まで多くあったそうです。その経験から、いつもこの言葉を胸に、いいイメージを作りながら一試合一試合臨んでいるということです。

 

山内裕貴選手のリクエスト曲:銀河鉄道999 / EXILE

この曲を朝に聴いて、さぁ行くんだ!と気持ちを上げているそうです。

2020年2月13日
射撃・山内裕貴選手 (1)

2月1日(2日)の放送では、射撃の山内裕貴(やまうち・ゆうき)選手をゲストにお迎えしてお送りしました。

 

射撃は、1976年のパラリンピックから正式競技として行われている歴史ある競技で、銃の種類によって大きくピストル種目とライフル種目に分けられます。

障がいによって2つのクラスがあり、ピストル種目の場合、下肢または上肢に障がいのある選手はSH1というクラスとなります。

そのため、手や腕に障がいにある選手、車いすの選手、義足の選手が一緒に試合を行います。

(※ライフル種目では、下肢障害→SH1 上肢障害→SH2 と、クラス分けされます)

 

山内選手は、片手で撃つピストル種目のひとつ「10mエアピストル」が専門。

いわゆる拳銃のような形をしたピストルで、火薬ではなく空気の力で弾を飛ばします。

10m先にある的は、外円から中心向かって1点から10点まで分かれていますが、一番外側の1点圏の外径(直径)の大きさが約15.5cm。

そこから中心に向かって得点が高くなり、7点圏以上は黒丸で表示されていて、それが約6cmくらい。

一番高得点の10点圏は直径がわずか1.1cm程です。

そのため、10点を見て狙うというよりは、約6cmの黒丸との位置関係で撃つというイメージなんだそうです。

 

「10mエアピストル」種目では、75分間で60発を撃ちその合計点を競います。

ピストルは1kgくらいの重さがあり、それを60回構えては撃ち…ということを繰り返します。

山内選手の場合は、(その75分間のうち)入りが大事で、最初は時間をかけて前半でしっかり自分のリズムを作りながら、中盤でリズムに乗ってくると、その流れに任せて撃つという時間の使い方をしているそうです。

撃つ時には、点数を意識してしまうとどうしても点数ばかり気になって外れてしまうので、例えば、手首をしっかり固定するといった(技術的な)基本を常に意識するようにしているといいます。

 

素人的なイメージでは、10点を狙ってパーンと引き金を引いていると思いがちですが、実際のところは、そういうふうに撃ってしまうと、どうしても力が入りビクッと動いてしまうのだそうです。

山内選手の場合は、流れに身を任せ、銃が標的に向かって上から下に降りる間に、トリガーもじわっと引きながら引きながら、ここらへんが10点だなと思ったら、いつの間にかパーンと弾が出ているという感じで撃っているそうです。とても奥深い競技ですね。

 

そんな山内選手には、あるノートの存在があります。

練習や試合で良かったこと、ポジティブな意見を記しているノートです。

反省点やダメだったことを書いたりもしますが、こうカバーしたらうまくいった、というふうに、良かったことで終わるようにしているそうです。

そうすることで、練習や試合中に悩んだ時に、(このノートを見返して)こういういいイメージで撃てていたんだなというのが思い返されるので、自分をいい方向に持っていくのにすごく役立っているそうです。

 

最後に、射撃の魅力について伺いました。

「射撃は、若い人からご年配まで幅広い世代の方がやっていますし、自分のように片手に障がいがあっても健常者の大会に参加できます。そうやって、いろいろな方が一緒に競い合えるのが、射撃の一番の魅力だと思います」

 

山内裕貴選手のリクエスト曲:Pretender / Official 髭男 dism

試合前、リラックスするために聴いている一曲。射撃は、テンションが上がると心拍数も上がり、それが微妙な動きにつながってしまうのだそうです。緊張するタイプだという山内選手は、試合前にリラックスするため、好きな曲を聴いて気持ちを落ち着かせているそうです。

2020年2月12日
トライアスロン・高橋勇市選手 (2)

1月25日(26日)の放送では、前回に引き続き、トライアスロンの高橋勇市(たかはし・ゆういち)選手をゲストにお迎えしました。

 

2004年のアテネパラリンピック・マラソン(視覚障がいのクラス)で金メダルを獲得した高橋選手は、2018年にトライアスロンへと転向。

50歳を過ぎてからの挑戦ということで、戸惑いもあったといいます。

何が何でも東京パラリンピックに出たいという思いで転向を決め、2017年10月から水泳の練習を開始しましたが、泳ぎ始めた当初は、10mぐらい泳ぐと息継ぎができなくて立ち上がってしまうという状態だったそうです。

泳いでは立ち、泳いでは立ちながらやっと25mを泳いでいましたが、2~3ヶ月辛抱強く練習に励むと、そのうち25m泳げるようになり、沈んでいた体が少しずつ浮き息継ぎもできるようになっていきました。

 

視覚障がいのクラスでは、自転車は前後2人乗りのタンデム自転車で競技を行います。

スイム、バイク、ランの3種目の総合タイムで競われるトライアスロンでは、それぞれの種目へと移りかわる「トランジション」にかかった時間も含まれます。

2018年に初めてトライアスロンの大会(横浜)に出場した時、トランジションの時間もカウントされるということを知らず、泳ぎ終わった後、のんびりしていたというエピソードを明かした高橋選手(笑)

実は、そうなるのも仕方がないと思うような大ハプニングが起きていたのでした。

 

視覚障がいのクラスの選手は、目の代わりとなる「ガイド」と呼ばれる方と一緒にレースに出場しますが、ランの時には伴走ロープの両端をお互い手で持ち、スイムの時には伴泳ロープを片方ずつお互いの脚に結ぶなどして、つながっています。

ところが、最初の種目であるスイムの時、高橋選手とガイドの脚をつないでいたはずのロープが波に引っ張られて、足からするすると滑って外れたのです。

ガイドはそれに気づかず先に行ってしまったため、高橋選手はどちらに泳いでいいかわからなくなり、必死に犬かきをしながら、「すみませ〜ん」と叫びました。

それで、ようやくガイドが気づき、戻って来て水に潜り、脚にロープをはめ直してくれたそうです。

そうして再び泳ぎだしたものの、また外れてしまったそうで、人生初のトライアスロンの大会は、まさに命がけのレースとなりました。

 

そんな高橋選手にトライアスロンの魅力を伺うと、「ゴールまで結果がわかないこと」だと話します。

選手によって得意分野があり、水泳が得意な人、自転車が得意な人、走りが得意な人、トランジションが早い人…いろいろなタイプの選手がいるので、最初はリードしていても、その後の種目で抜かれるということがよくあります。それに、例えば、自転車がパンクをするというようなトラブルが起きることもあります。

そのため、競技というよりはゲーム感覚で観客は楽しむことができて、見ていて飽きることがないのです。

まだトライアスロンを見たことがないという方、ぜひ一度、レースを間近で体感してみてはいかがでしょうか。

東京2020パラリンピックに向けて、一日一日カウントダウンされていく今、高橋選手は「まずは日本代表になることを目指して頑張ります。そして、東京2020大会で日本代表として、メダルを獲りにいきたいと思います!」と力強く意気込みを語りました。

 

最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい“Going Upな一言”を伺いました。

『夢はあきらめなければ叶う』

高橋選手はこの言葉を胸に、もうすぐ行われる最後の選考レースに向けて、練習に励んでいます。