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スポーツライターの宮崎恵理さんをお迎えしてお送りした2回目。
20年に渡りパラスポーツを取材されている宮崎さんの『忘れられない瞬間』について伺いました。
数々の名シーンの中から宮崎さんが選んだのは、車いすテニス・国枝慎吾選手のエピソードでした。
車いすテニスでは、2バウンド以内の(相手コートへの)返球が認められているので、特にダブルスではラリーが長く、そのラリーをどれだけ我慢して勝ち抜いていくかという消耗戦になります。
その中でフルセット(3セット)を戦い抜く気力、体力が要求されるのです。
2004年、アテネパラリンピック。
男子ダブルスに出場した国枝慎吾選手はまだ若く、決勝まで戦うということは当時の国枝選手にとって容易なことではありませんでした。
そんな国枝選手をペアの斎田悟司選手が「大丈夫だから!君ならできるから!」とずっと励まし続けたのです。そうして、ふたりは金メダルを獲得!
国枝選手は(次はシングルスで金メダルを獲る!)と心に決めました。
そして、4年後の北京パラリンピックで見事シングルスの金メダルを掴み取ったのです!
勝利の瞬間、国枝選手は自分のラケットをポーーンと空に放り投げたそうです。
アテネで必死に戦う国枝選手の姿を見ていたからこそ、宮崎さんにとってこのシーンは忘れられない瞬間として今なお心に残っているということです。
そんな、宮崎恵理さんの上を目指して進もうとする方々に伝えたい “Going Upな一言”を伺いました。
『想いは伝わる』
言葉ってすごくもどかしい。伝えようと思ってもうまく伝わらないことがしょっちゅうある。
それでも、本当に伝えたい想いや気持ちは心を尽くせば伝わる、というのが宮崎さんの信念。
例えばアスリートであれば、競技に取り組む姿勢であったり、競技大会で活躍している姿が、自身を表現する一番のメッセージになったりする。だから(言葉で伝えられなくて)もどかしくてもあきらめないで欲しい、きっと“想いは伝わるんだから”と言ってあげたいんだそうです。
宮崎さんの熱い“想い”が伝わってくる一冊があります。
宮崎恵理著『希望をくれた人 -パラアスリートの背中を押したプロフェッショナル-』(協同医書出版社)
この本の主役は、パラアスリートを“支える人たち”。
義肢装具士や盲学校の先生、トレーナー等、いろいろな職業の方々のエピソードが紹介されていますが、取材をするとどの方も同じように「いえいえ、私は(パラアスリートに対して)特別なことは何もしてないんですよ」とおっしゃるそうです。
つまり、このプロフェッショナルな方たちは、自分たちの仕事に真摯に向き合う中で結果的にパラアスリートたちの背中を押したり、心に光を灯す大切な存在になったのです。そしてそういう人たちのことをアスリートたちは決して忘れません。
その関係性や信頼性の確かさに、宮崎さんはとても感動されたそうです。
“支える人たち”を知ることで、アスリートのバックグラウンドも見えてきて、競技をより楽しくより深く観ることができます。
ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。
次回のゲストは、車いすバスケットボールの古川諒選手です。お楽しみに!
今回のゲストは、スポーツの魅力を私たちに伝えてくれる、スポーツライターの宮崎恵理さんです。
宮崎さんは大学卒業後、マリンスポーツの専門誌を作る出版社でスポーツ雑誌を編集するお仕事をされ、その後独立してフリーランスのライターになりました。
1998年の長野パラリンピックの少し前から、パラスポーツの取材を始められます。
きっかけは、神奈川ブラインドスキークラブという視覚障がい者のためのスキークラブで、(視覚障がいの方々の目の代わりとなり一緒に滑る)ガイドというボランティアをしたことでした。
スキークラブの方たちが、あまりに上手に滑るので「視覚障がいをお持ちの方も、競技スキーとかおやりになるんですか?」と純粋な興味で聞いたところ、『パラリンピック』という大会を紹介され、むくむくと取材者魂が湧き起こり、パラスポーツ(スキー)の取材を始めることになりました。
それから20年。
たくさんのパラスポーツに出合い、たくさんのパラアスリートを取材されました。
車いすバスケットボールもその中のひとつです。
宮崎さんが車いすバスケットボールを取材され一番衝撃を受けたのは、2002年に北九州で開催された世界選手権だと言います。
世界トップレベルの激闘を観て、すっかり車いすバスケの虜になったそうです。
大会が開催されたのがちょうど台風シーズンで、準決勝や決勝の時に台風がぶつかり、すごい雨と風で嵐のような天候でした。そんな悪天候にも関わらず、外国チームの試合を観ようと、たくさんの方が会場に集まり、ついにはメインアリーナだけでは収まりきれずに、急遽、第2体育館でパブリックビューイングをすることになりました。
台風の中、行われた準決勝は延長に継ぐ延長という大激闘。試合が終わると、観客は立ち上がり、スタンディングオベーションとなりました。
その様子を見て宮崎さんは(北九州の人は幸せだな)と思ったそうです。
宮崎さんにとって、車いすバスケットボールの一番の魅力は、バスケという競技自体のおもしろさと迫力に加え、車いすバスケ特有のルールである持ち点制度による戦術の面白さだと言います。
障がいの軽いハイポインターの華麗な動きの陰で、障がいの重いローポインターが巧みなチェアスキルでディフェンスをする。一般のバスケにはない、そのようなプレーにワクワクするんだそうです。
そんな、スポーツの興奮と感動を言葉で伝えるのが、スポーツライターというお仕事。
ふだんはインタビューする側ですが、今回はインタビュー“される側”ということで「緊張する」とおっしゃっていましたが、宮崎さんの誠実なお話ぶりにすっかり引き込まれました。
次回もスポーツライター宮崎恵理さんをゲストにお迎えしてお送りします。お楽しみに。
『第28回 全日本女子車いすバスケットボール選手権大会』出場チーム紹介。
近畿ブロックから出場するのは、大会3連覇中のこのチームです。
カクテル(本拠地:京都)
チームスローガン:地獄の40分間を!(40分間走り切る・諦めない)
特徴:トランジションの速いバスケット+今年はハーフコートOFもパワーアップ
チーム名の由来:お酒好きが多かったから・・・らしいです
<注目選手>
北間優衣選手 (持ち点1.0点)頭脳とフィジカル両方持ってる若手No.1ローポインター
柳本あまね選手 (持ち点2.5点)長距離シュートとスピードを持ちディフェンスもうまい看板娘
PR:関西弁で言いたいことを遠慮せずに言い合えます。
(全日本女子選手権の意気込み)
連覇目指して自分たちのバスケットをやり切ります。
最後に紹介するのは、九州ブロックから出場のこのチームです。
九州ドルフィン(本拠地:熊本を中心とした九州全域)
チームスローガン:ちびっこ軍団でもう一度全国優勝を!
特徴:ちびっこ軍団ではありますが、その良さを生かして、コートいっぱい元気に動き回ります。また,幅広い年齢層のチームだからこそ,互いの良さを認め合い,尊重し合いながら団結力を高めています。
チーム名の由来:創設メンバーが,イルカのように元気に飛び跳ねるようなイメージの選手たちだったから。
<注目選手>
安尾 笑選手(持ち点2.0点) 若さあふれ、パワーとスピードが持ち味です。
平井美喜選手(持ち点2.5点) クイックネスとシュート力が持ち味です。
PR:九州各県から選手が集まってきているので、チーム内での会話は,各地方の方言が飛び交っています
地域の方へ:九州各県で練習を行いますので、近所だという時はぜひ体育館にお越しください。
(全日本女子選手権の意気込み)
前年度成績から一歩前進するために練習をしてきました。その成果がコートで表現できるように精一杯がんばります。
『第28回 全日本女子車いすバスケットボール選手権大会』
7月15日(土)・16日(日)
会場:グリーンアリーナ神戸(神戸市)
ぜひ、みなさん足をお運びください!!