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6月26日(27日)の放送には、前回に引き続き、ライターの星野恭子(ほしの・きょうこ)さんにお話を伺いました。
星野さんと鈴木亮平さんにはある共通点があります。
それは、「世界遺産検定」。星野さんは第1回の検定創設初年度に受験した大先輩です。
これまで訪れた中で特に印象に残っているのがマチュピチュ。
インカの古道を8時間かけてトレッキングして、目の前にその景色が広がった時には思わず涙が頬を伝ったそうです。
ぜひ自分もそのルートで行きたい!と鈴木さんはうらやましそうに聞いていました。
さて。開幕まで2か月を切った東京2020パラリンピック。
今回は日頃パラスポーツの現場で取材している星野さんに、注目選手や見どころについて伺いました。
まずは、星野さんご自身も視覚に障がいのある方の伴走をされるなど関係が深い、陸上競技。
東京2020大会を集大成とするベテラン選手も多い中、今大会をステップに今後の競技人生を開いていくであろう初出場の選手たちにも注目していると話します。
視覚障がいのクラスで、中長距離に出場する唐澤剣也(からさわ・けんや)選手。
5000mと1500mにエントリーをすると考えられますが、ロンドン2012パラリンピックの陸上5000mで銅メダルを獲得した、ベテランの和田伸也(わだ・しんや)選手と世界ランキング1位2位を競っており、この種目で日本人選手同士のメダル争いも見られるのでは、と期待しているそうです。
両選手とも全盲クラスということで、一緒に走る伴走者(ガイドランナー)とのコラボレーションにも注目して応援したいと語っていました。
同じく、視覚障がい(全盲)クラスでは、走り幅跳びの高田千明(たかだ・ちあき)選手にも注目です。
助走の先にいるガイドとのコラボレーションが重要となりますが、「見えない中でまっすぐ助走して、踏み切って、空中に跳んでいくことの凄さを想像しながら見て欲しい」と話しました。
そして、大会最終日に行われるマラソン。
オリンピックとは違いパラリンピックは東京でレースが行われます。
視覚障がい(男・女)、車いす(男・女)、上肢障がい男子と、全部で5つのクラスで行われますが、この全種目に日本人選手が出場します。
「どの種目もメダル争いに絡む有力な日本選手がいるので、大会最終日にぜひ応援してほしい」ということです。最終日まで目が離せませんね!
視覚に障がいのある選手たちが出場する団体競技では、ゴールボールと5人制サッカー(ブラインドサッカー)も開催国枠で出場が決まっています。
ゴールボールは「3人 対 3人」で行われる球技で、音の鳴るボールを相手ゴールに向かって転がし、点を取り合います。
女子は2000年シドニー大会で銅メダル、2012年ロンドン大会では日本の団体競技として初めて金メダルを獲得しました。
男子は東京大会がパラリンピック初出場です。男子のトップ選手ともなると時速60キロ、70キロで投げ、「ボールの格闘技」とも言われているそうです。
体を張ったプレー、戦略、かけ引き…見どころも多く、見れば見るほど面白さが増す競技です。
「日本人選手は体格は小柄だけど俊敏性があり、コート内を静かにかけ回ってかく乱させながら点を取っていくところを見てほしい」と観戦ポイントを教えていただきました。
どの競技を見ても初出場や若手の選手たちが増えており、「選手層が確実に増えているのは大きな変化」だと星野さんは語ります。
東京2020大会開催に伴い国内でもパラスポーツの普及が進み、「それを受け入れる環境もだんだん整ってきていて、やってみよう、やってみたいという人を受け入れる環境が進んできているのは良いこと」だと、長きにわたって取材を続けてこられたからこそ感じる環境の変化についてお話頂きました。
最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい“Going Upな一言”を伺いました。
『とりあえずやってみる』
興味を持ったこと、やってみたいと思ったことは、無理だと思わずにとりあえず一歩進めてきたという星野さん。失敗もあるけど、踏み出したことで広がったことは数々あって、その中で伴走や障がいのある方と出会い、パラスポーツやパラリンピックに出会い、人生がすごく豊かになったといいます。とりあえずやってみよう、後から反省すればいいやという思いで何にでも取り組んでいると、この言葉に込めた思いを語りました。
6月19日(20日)の放送には、ライターの星野恭子(ほしの・きょうこ)さんにリモートでご出演いただきました。
パラリンピックは2008年北京大会から2018年平昌冬季大会まで、夏と冬を合わせて6大会を現地取材。パラスポーツの現場に星野さんの姿ありといっても過言ではないほど、数々の現場に足を運び精力的に取材、執筆活動をされています。
幼い頃からスポーツが大好きで、バレーボール、水泳、陸上、バスケットボール…等、やってみたいと思うものには何でも挑戦してきたといいます。
大学を卒業して会社勤めをした後、アメリカに留学。
そこには、新聞記者になりたい、書く仕事にチャレンジしてみたいという以前から抱いていた思いがありました。
アメリカでは大学でジャーナリズムを学び、1998年長野オリンピックのときには、アメリカのオリンピック委員会でインターンを経験、3ヶ月間コロラド州の本部に住み込みで活動されたそうです。
大学院卒業後、3年弱アメリカのインターネット会社でライター兼編集者として働き、2001年に帰国。そこからフリーランスのライターとして活動を始めました。
パラスポーツと出会うきっかけになったのは、2003年秋にボランティアとして参加したマラソン大会。
そこで、視覚に障がいのあるランナーをガイドしながら走る「伴走」という活動を知ることになります。
それまで視覚障がい者との接点はなかったということですが、その大会で一緒にボランティアをした方の中に「伴走の神様」と呼ばれている方がいて、話を聞いているうちに伴走に興味がわき、「好きなスポーツでお手伝いすることができるなら」とその翌年に体験会に参加。
そこからどんどん伴走の楽しさに引き込まれていきました。
実は「走り始めたのは、伴走を始めてから」という星野さん。
伴走を始めた頃のエピソードもお話頂きました。
伴走のクラブで全盲の男性と公園を走っていた時のこと。
前方にゴミ収集車が止まっていたので、特に伝えることなく車を避けるように誘導して車の右横を通り抜けたそうです。
すると「今左側に何かあった?車かな?」と尋ねられました。
どうしてわかったのかと聞くと、「左から風が吹いていたんだけど、その時だけ風が止まったんだよね。高さからして車かなと思った」と答えたそうです。
それを聞いた時、視覚に障がいのある方の感覚や、見えないものも見えてしまう凄さを感じ、より興味がかき立てられたといいます。
そしてそのような経験が、現在の活動の「原点」になっているということです。
伴走の魅力についてこう語ります。
「一人で走るのとは違って、二人分の目になって、二人分の安全を確保しなければいけないという難しさはありますが、二人だからこそ苦しいマラソンも頑張ることができて、ゴールした時には二人分の喜びがあります。『苦しさは半分に』というのも本当です。お互いに励まし合いながらゴールを目指せるのは楽しい体験だと思います」
伴走を始めてからは、仕事にも変化が現れます。
不思議なことに福祉関係のお仕事が舞い込むようになったり、障がい者向けのスポーツ施設を取材に行くこともあったといいます。
その中で、パラスポーツの写真を撮っているフォトグラファーの越智貴雄(おち・たかお)さんと偶然出会い、ライターとして一緒に取材をするなど、自然とパラスポーツに引っ張られていったそうです。
そうして、これまで15年にわたりパラスポーツの取材を行い、パラリンピック6大会を現地取材。
今でも「へぇ」という驚きが絶えないといい、だからこそ「ぜひ皆さんにもパラリンピックを観て頂きたい!」と力強く語りました。
次回も引き続き、星野恭子さんにお話を伺います。
どうぞ、お楽しみに!
東京2020パラリンピック開幕まであと70日余り。
前回に引き続き、これまで番組にご出演した“Going Upファミリー”を中心に、日本代表に内定している選手たちや各競技の情報をご紹介します!
まずは、「カヌー」です。
Going Upファミリーでは、前回のリオ大会にも出場した瀬立モニカ(せりゅう・もにか)選手が内定を獲得しています。
Going Upな一言は「常に前向き!」
明るい笑顔がトレードマークで、カヌー競技の会場「海の森水上競技場」がある東京・江東区の出身です。地元の方々の多くの声援を受け、悲願のメダル獲得を狙います。
リオ大会以降、肉体改造にも励み、今ではベンチプレス80kgを挙げる瀬立選手。
2019年の世界選手権では、カヤックで5位(女子KL1)入賞、浮き具付きのカヌーを使って行われるヴァー種目では(女子VL1)優勝を果たしました。
200mの直線コースで行われ、タイムではなく着順を競うカヌー。
ゴールに向かって全力で漕ぎ進む選手たちに注目です!
続いては、「柔道」です。
パラリンピックの柔道は視覚に障がいがある選手が対象で、はじめから組み合った状態で試合がスタートするのが特徴です。
Going Upでは、多くの柔道選手をお迎えしました。
リオ大会に夫婦で出場した廣瀬悠(ひろせ・はるか)選手と廣瀬順子(ひろせ・じゅんこ)選手は、東京2020大会にも夫婦そろって出場することが内定しています。
順子選手はリオ大会で銅メダルを獲得。悠選手はご自身も選手でありながら、順子選手のコーチも務めています。
コロナ禍での外出自粛期間中も支え合いながら乗り越えてきたおふたり。いつも仲睦まじくお話される姿にスタジオの雰囲気も和みます。
そして、パラリンピックにはロンドンとリオの2大会に出場した半谷静香(はんがい・しずか)選手。
昨年は「時が止まったかのような一年」だったといいます。
しかし、昨年2月にドイツで行われたオープン戦で3位、8月には東京2020パラリンピック日本代表に内定するなど、「着実に一歩一歩、歩みを進めてきた」一年でもあったとしています。
「この1年があったからこそ強くなれた、そう言えるように精進していく」
東京2020大会での活躍が楽しみです。
このほか、柔道で東京大会出場が内定しているのはこちらの選手です。
正木健人(まさき・けんと)選手(男子100kg超級/ロンドン・金メダル、リオ・銅メダル)
北薗新光(きたぞの・あらみつ)選手(男子81kg級/ロンドン・リオ大会出場)
永井崇匡(ながい・たかまさ)選手(男子73kg級/初出場)
平井孝明(ひらい・たかあき)選手(男子60kg級/ロンドン大会出場)
松本義和(まつもと・よしかず)選手(男子100kg級/シドニー・銅メダル、アテネ)
小川 和紗(おがわ・かずさ)選手(女子70kg級/初出場)
工藤 博子(くどう・ひろこ)選手(女子63kg級/初出場)
リオ大会では、4つのメダル(銀1、銅3)を獲得した柔道。
相手の動きやタイミングを読み一気に技に持ち込むので、一瞬たりとも目が離せません!
最後は、「卓球」です。
Going Upファミリーでは、岩渕幸洋(いわぶち・こうよう)選手がリオ大会に続き、東京大会への切符を手にしています。
コロナ禍での活動自粛・感染拡大防止対策により試合がなかなか経験できない状況のなか、昨年11月、自らが企画し主催する「IWABUCHI OPEN」を開催しました。
そして、今年4月には(昨年3月以来)1年ぶりの実戦となる実業団リーグの大会に出場、強化しているバックハンドで打つサーブを積極的に使い、試合での感触を確認しました。
ストレート負けしたものの、「試合ができると今までやってきたことがどういった結果になるのか分かるので自分にとってプラスになった」と話しました。
地元・東京で開催されるパラリンピックで、目標である「金メダル以上」を目指します!
このほか、卓球で東京大会出場が内定しているのはこちらの選手です。
浅野俊(あさの・たかし)選手(クラス11/初出場)
竹守彪(たけもり・たけし)選手(クラス11/リオ大会出場)
八木克勝(やぎ・かつよし)選手(クラス7/初出場)
古川佳奈美(ふるかわ・かなみ)選手(クラス11/初出場)
卓球は1960年のパラリンピック第1回大会から行われており、オリンピックよりも前から正式競技となっています。
両手に障がいがあり、ラケットを口にくわえて器用にプレーする超人的な選手もいる卓球。
立ってプレーする立位クラス、車いすのクラス…障がいによって選手それぞれに打ちにくい場所(エリア)が存在しますが、それをどう克服しポイントを奪うのか、いかに相手が返せないように攻めるのか、巧みな戦術も見どころの一つです。
東京2020パラリンピックで行われるのは22競技。
今後もGoing Upでは、日本代表(内定)選手や各競技の情報をお伝えしていきます!