放送局・放送日時
- ニッポン放送
- 土曜日 22:00~22:30
- ABCラジオ
- 日曜日 12:30~13:00
- 南日本放送
- 日曜日 17:00~17:30
ニッポン放送では、ナイター中継延長のため、6月2日(土)の放送はございませんでしたが、こちらからお聴きいただくことができます。
*****************************************
6月8日に開幕する、車いすバスケットボールの国際大会
『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018』
昨年に続き、今大会も、車いすバスケットボール男子日本代表として出場する藤本怜央(ふじもと・れお)選手が今回のゲストです。
初開催となった昨年の大会『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2017』(8/3 – 9/2に開催)。
藤本選手は、この時期にパラリンピックがあるということ、そして、2020年に日本で車いすバスケットボールがメダルを獲得するということを、日本の皆さんに知ってもらおうという目標を掲げ臨みました。
3位という結果について、「勝てる試合を落としてしまったり、ちょっと悔しい思いは残った」としながらも、オーストラリア、イギリス、トルコという世界トップレベルのチームを迎え、日本国内で戦えたというのは貴重な経験となり、会場も盛り上がって、日本代表の強化としても充実した大会だったと振り返りました。
特に印象に残っているのが、初戦のオーストラリア戦。
昨年の優勝チーム・オーストラリアに対し、日本は69対70とわずか『 1点 』差で惜しくも敗れました。
「結果、1点差でしたけど、ずっとリードしながら戦い続けて、最後、自分たちがやろうとするバスケットにスタミナがもたなかったっていう、ちょっと悔しい結果ですよね。“リードされていて追いついて一点差で負けた”でははく“逆転された”ところに、まだまだ弱さがあるなと思いましたし、コンセプト(戦略)があっているのに、勝ち続けられないのは、あくまでも選手の意識だったりとか、40分戦えるための気迫だったりとか、コンセプトをちゃんと40分間遂行するというところに課題が残るということを感じました」
しかし一方で、「これで勝てる」という確実な手応えとともに「自信がついた」大会になったと語りました。
それから1年、車いすバスケットボール男子日本代表は、オーストラリア戦でできなかった『40分、あるいは45分、コンセプトを遂行し続ける』というところにフォーカスし、強化を行ってきました。
「早い段階で “世界に勝つバスケット” を確立し始めたということは、たぶん日本がどの国よりっも早かったんじゃないかなと思ってます。これを洗練していくというところに、ちゃんと着目した一年を過ごしたと思ってます」
今年の『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018』に出場するのは、オーストラリア、カナダ、ドイツ、そして、日本。
それぞれのチームについて、藤本選手に伺いました。
まずは、昨年の優勝チーム・オーストラリア。
⇒日本と同じように、若返りをし始めているチームで、ハイポインターからローポインターまで、これから経験を積んでいく選手が多い印象。その中でも、世界一になったというプライドは一人一人が持っていて、年齢層は幅広いが、チームとして非常に一体感のある強いチーム
続いて、カナダ。
⇒(車いすバスケットボール界のマイケル・ジョーダンと呼ばれている)パトリック・アンダーソン選手が2020年の東京大会のために復帰して、一気にチームの強さが増した。そのパワーは確実に日本にとって脅威。対戦するのは非常に楽しみでもありながら、2020年に日本がメダルを獲るためにはどう攻略するか、パトリック・アンダーソン選手にちゃんとアジャストしておく必要があると思っている
最後に、8月の車いすバスケットボール世界選手権・開催国である、ドイツ。
⇒(藤本選手はドイツリーグで3シーズン過ごしたので)チームメイトだった選手もいて、出場国の中では、ひとりひとりの選手の特徴や癖をわかっているので、個人的には、やりやすい。ただ、若い選手も入ってきたり、これから強くなっていくであろう可能性を秘めたチーム。世界選手権に向けて急ピッチでレベルを上げてきていると思うが、今大会では、日本がちゃんと勝つ必要があると思っている
大会の舞台は、東京2020パラリンピックで車いすバスケットボール競技の会場となる、東京都調布市の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」。
先日行われた、車いすバスケットボール・クラブチーム日本一を決める『天皇杯 第46回 日本車いすバスケットボール選手権大会』でも会場になった場所です。
「いや、最高でしたね~!」
天皇杯で、実際に試合した感想をこう述べました。
2004年のアテネ大会からパラリンピックに出場している藤本選手ですが、パラリンピック本番の会場で事前に試合ができることはまずないので、本当に貴重な経験をしたと話します。
「(ゴール)リングから見て、奥の壁までの奥行だったり、上を見上げた時の天井の高さ、照明の明るさ、フロアの色、体育館のにおい… 実際に会場を使って、そういうものに慣れていないと、日本に住んでいても“アウェー”になってしまう。2年前というこのタイミングで使わせてもらえることは、チームにとって非常に有利かなと思ってます」
天皇杯の際、会場に訪れた鈴木亮平さんも、「とても見やすいし気持ちがいい、選手たちの動線も段差なく行けるようになっていて、理想的な環境」だと、武蔵野の森総合スポーツプラザの印象を語りました。
車いすバスケットボール男子日本代表・及川晋平(おいかわ・しんぺい)ヘッドコーチが『2020年の東京に向けてのリハーサル』だと位置づける、今年の大会。
藤本選手に、大会への意気込みを伺いました。
「昨年は優勝を目標にしていましたが、3位という結果に終わり、非常に悔しい思いをしました。日本としては、今年、初優勝を目標にしています。また、2020年には、車いすバスケットボール競技が、この武蔵野の森総合スポーツプラザで開催されるというところに、今年は大きなポイントがあると思っています。会場に来たときに『車いすバスケットは楽しいな』とひとりでも多くの人に思ってもらうには、僕たちのパフォーマンスや努力がポイントとなるので、一試合一試合、勝ちにこだわって、全力でチーム一丸となって戦いたいと思います」
藤本怜央選手も日本代表として出場する『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018』は、いよいよ、6月8日に開幕します!
世界トップレベルの熱い戦い、そして、日本の優勝を、みんなで観ましょう!!
藤本怜央選手のリクエスト曲: ともに / WANIMA
今回のゲストは、車いすバスケットボールの藤本怜央(ふじもと・れお)選手です。
昨年の夏、Going Upにご出演頂いて以来、2回目の登場です!
5月19日と20日に開催された『天皇杯 第46回 日本車いすバスケットボール選手権大会』
藤本選手が所属する宮城MAX(東北ブロック)は、前人未到の10連覇達成、そして、パラスポーツ界初の天皇杯・初代チャンピオンに輝きました!
昨年の大会では、決勝でNO EXCUSE(東京ブロック)を『55対52』の3点差で破り、9連覇を成し遂げた宮城MAX。
その大会を最後に、センター・中澤正人選手が引退し「ワンセンターで、(来年)NO EXCUSEには絶対に勝てないと思っていた」と藤本選手は話します。
そんな時、“今年1年で一番大きい、ビッグニュース”が飛び込んできます。
昨年の日本選手権・得点王、土子大輔選手の移籍でした。
「優勝するために来た」という土子選手の加入により、10連覇は現実的になり、前人未到のその偉業は“目標”から“使命”に変わりました。
宮城MAXは、今年1月、これまで長年にわたりチームを指揮してきた岩佐義明(いわさ・よしあき)ヘッドコーチ(HC)が、女子日本代表HC就任のためチームを離れ、佐藤聡(さとう・さとし)HCによる新体制が始まりました。
佐藤HCは、車いすバスケットボール男子日本代表として、北京とロンドン、2度のパラリンピックに出場、2016年からは宮城MAXのアシスタントコーチを務めていました。
佐藤HCの就任により、チームのバスケットボールスタイル自体は変わっていませんが、「ひとつひとつのプレーを噛み砕いて説明してくれることにより、特に若い選手たちのプレーに対する理解力がかなり上がった」といいます。
そして、「僕たちが今までやってきたことを、チーム全員で共有できるようになったことが、一番大きく変わったところ」だと、藤本選手は語ります。
また、藤井新悟アシスタントコーチがプレイヤーとして続けていることで「監督が現場にもいるような感じ」で、コートの中でコントロールしたり、冷静にベンチで観ている佐藤HCと試合の感覚をすり合わせ、選手たちに正しい道を示していくことができるといいます。
これにより藤本選手は、今までよりも「チームの一体感としての強さ」が上がってきたことを感じていました。
そうして迎えた、天皇杯。
『宮城MAXの10連覇』に人々の関心が集まる中、そこには “らしくない” 藤本選手がいました。
「僕、初めてだったんですけど、前日くらいまで、試合のことを考えて目を閉じてイメージすると、決勝が終わったあとのミックスゾーン(メディアが競技後の選手に対して簡単なインタビューをする場所)での負けるコメントを考えていたんですよね。負けて『敗因は何ですか?』って聞かれた時に、何てコメントすればいいんだろうなってことを考えることがあったんですよ。今までそんなこと一切なかったのに。少なからず、負けるかもしれないっていうことは考えてもいたし、でも勝たなきゃいけないっていう責任をなんとか前面に出して、そういう自分の弱い部分を消してたというか、そんな感じでした。久しぶりに怖かったですよ…」
藤本選手の不安をよそに、宮城MAXは順当に1回戦、準決勝と勝ち進み、残る一戦・決勝の相手は、昨年と同じNO EXCUSE。
5月20日。
武蔵野の森総合スポーツプラザ、メインコート。
6000人の大観衆が見守る中、試合開始から白熱した戦いが繰り広げられました。
第1Q 20対19、第2Q を終えて34対32と宮城MAXリードで折り返すも、両社ほぼ互角の戦い。
第3Qで55対50とわずかながら差を広げ、このまま宮城MAXが逃げ切るかと思われましたが、第4Q、日本のエース・香西選手と森谷選手によるNO EXCUSEの追い上げにより、69対69の同点。
残り数秒という場面で、宮城MAX・豊島選手にボールが渡り、フリーでゴール下まで疾走、レイアップで試合は決まるかと思われましたが・・・
シュートははずれ、試合は延長戦にもつれ込みました。
会場からは、どよめきと大きなため息。
しかし、宮城MAXの集中力は切れてはいませんでした。
「たぶんむこう(NO EXCUSE)は、40分で勝負決めようとしてきたと思うんですけど、僕らは絶対そうはならないことも想定していたので。一点多く勝てばいいやっていうところにいたんですよね。なので、あそこで豊島がシュート決めてれば勝ちだし、じゃなくても、延長は考えていたことだったので、じゃあ次の準備へっていうことしか、ほとんど考えてなかったですね」
5分間の延長戦。
取られては取り返す、一進一退の攻防を繰り返すも、女子日本代表キャプテンとしても活躍する、宮城MAX・藤井郁美選手のシュートが3連続で決まり、底力を見せた王者・宮城MAXが87対78でNO EXCUSEを下し、見事、大会10連覇を達成しました!
そして表彰式では、豊島キャプテンが、初の天皇杯を高らかに掲げました!
藤本選手は大会を振り返り、次のように語りました。
「『天皇杯』という、すばらしい名誉ある称号がついた大会に変わって、ほんとに自分たちが国内のトップでやるという責任だったりとか、そういう栄誉な場所でやらせていただくということに、まず全員が意識できたということはすばらしいことだと思います。あとは、僕らからしてみれば節目となる“10連覇”というところにチャレンジする中で、1年間いろんな重圧はありましたけれども、それを達成して、10年間の苦労とかを考えると、自然と涙が出ましたね。非常に達成感のある大会だったなと思っています」
実は、天皇杯の期間中、会場を訪れた鈴木亮平さん。
宮城MAXの試合を生観戦した鈴木さんは「宮城MAXの中で藤本さんと土子さんの目立ち方がすごかったです、素人が見てても(笑)」と感想を述べ、藤本選手のプレーに触発され、会場に設けられた『三菱電機 Going Upキャンペーン』のブースでフリースローを3本決めた!と得意げに話していました。
そして、歴史に残る名勝負となった決勝戦を見られず、ただただ悔やんでいました…笑
大きな戦いを終えたばかりの藤本選手ですが、今度は“日本代表”としての戦いが待っています。
それが、6月8日~10日に武蔵野の森総合スポーツプラザで開催される、車いすバスケットボールの国際大会『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018』
次回は、この大会について、そして、車いすバスケットボール男子日本代表について伺います。
どうぞお楽しみに!
藤本怜央選手のリクエスト曲: orion / 米津玄師
『天皇杯 第46回 日本車いすバスケットボール選手権大会』
5月19日と20日、東京都調布市の「武蔵野の森総合スポーツプラザ」で、車いすバスケットボールのクラブチーム日本一を決める国内最高峰の大会『天皇杯 第46回 日本車いすバスケットボール選手権大会』が開催されました。
優勝は、東北ブロックの宮城MAX!
宮城MAXは、前人未到の大会10連覇達成、そして、パラスポーツ界初の天皇杯チャンピオンに輝きました。
5月19日に行われた1回戦、宮城MAXは千葉ホークスを91対34で、続く準決勝では、東海北陸ブロックのワールドバスケットボールクラブを74対52で破り決勝にコマを進めました。
一方、昨年の準優勝チーム・NO EXCUSEは、1回戦で富山県車椅子バスケットボールクラブを
64対44、準決勝では埼玉ライオンズを59対39で破り、決勝進出を決めました。
5月20日に行われた決勝は、「宮城MAX」対「NO EXCUSE」と昨年と同じカード。
6000人の大観衆が見守る中、試合開始から白熱した戦いを繰り広げます。
第1Q 20対19、第2Q 34対32と宮城MAXリードで折り返すも、ほぼ両社互角の戦い。
第3Q で土子(つちこ)、豊島(とよしま)、藤本(ふじもと)が得点を重ね、55対50とわずかながら差を広げ、このまま逃げ切るかと思われましたが、第4Q 、ドイツリーグで経験を積んでさらにパワーアップした日本のエース・香西(こうざい)と、この数年で急成長を遂げた26歳のハイポインター・森谷(もりや)による追い上げにより、なんと69対69の同点で、試合は延長にもつれこみました。
5分で行われた延長戦。女子日本代表キャプテンとしても活躍する、宮城MAX・藤井郁美(ふじい・いくみ)のシュートが次々と決まり、底力を見せた王者・宮城MAXが、87対78でNO EXCUSEを制し、見事、大会10連覇を達成。初代・天皇杯チャンピオンに輝きました!!
宮城MAXのみなさん、本当におめでとうございます!!
★★ 個人賞 ★★
大会MVP 土子大輔(つちこ・だいすけ)選手 宮城MAX
オールスター5
湯浅剛(ゆあさ・つよし)選手 NO EXCUSE
藤井郁美(ふじい・いくみ)選手 宮城MAX
森谷幸生(もりや・ゆきたか)選手 NO EXCUSE
竹内厚志(たけうち・あつし)選手 ワールドバスケットボールクラブ
3ポイント賞 香西宏昭(こうざい・ひろあき)選手 NO EXCUSE
「三菱電機 Changes for the Better賞」 岩井孝義(いわい・たかよし)選手 富山県車椅子バスケットボールクラブ
5月26日(27日)の放送では、初代・天皇杯チャンピオン 宮城MAXの藤本怜央選手と大会を振り返ります。お聞き逃しなく!