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シッティングバレーボールの真野嘉久(まの・よしひさ)会長と齊藤洋子(さいとう・ようこ)選手をお迎えしてお送りした後編。
今回は、日本代表チームについて伺いました。
シッティングバレーボールは、1980年のアーネム大会からパラリンピック正式競技となっていますが、当初は、男子のみで、女子が加わったのは、2004年のアテネ大会からです。
女子日本代表は、2008年北京大会でパラリンピック初出場を果たし、2012年ロンドン大会にも出場しています。
齊藤選手は女子日本代表(全日本女子)として、北京とロンドンの2大会連続でパラリンピックに出場、そして、真野会長は2000年のシドニー大会と2004年のアテネ大会では男子の監督、2008年北京と2012年ロンドン大会では女子の監督を務め、現在も、全日本女子の監督として指導にあたられています。
現在、全日本女子チームが取り組んでいるのは、テクニックバレー。
世界ランキング上位の国には、女子でも身長が2mくらいある選手がチームに2〜3人はいて、長身の選手が手を伸ばすと、ネットは肘や頭のあたり。そこからスパイクを打たれると、真上からボールが来る感じになります。
どうしてもパワーでは負けてしまうので、例えば、ボールのタッチの仕方を工夫したり、ソフトに見せて実は手首を返して強く打つといった見た目と反対のことをやったり…と、テクニックを磨いています。
それと同時に、専門のトレーナーを入れて、フィジカルの強化にも取り組んでいます。
その中でも、真野監督がポイントとして挙げるのが、選手たちの肩まわりや、肩甲骨を柔らかくすること。
肩甲骨が硬いと、ブロックする時にもスパイクを打つ時にも肩が上がりません。
逆に、肩甲骨が柔らかいと、上げた状態からさらにクッと上がり、それだけで3-4cm変わるといいます。その効果を期待して、現在トレーニングを積んでいます。
全日本女子の今年の目標は、10月にインドネシアで開催されるアジアパラ競技大会で銀メダル以上を獲得すること。
目標達成に向けて、選手のみなさんは今日も練習に励んでいます。
競技力向上の一方で、普及活動にも積極的に取り組んでいます。
2020年を迎えるにあたって、会場でたくさんの方に見てもらうために、まずは選手たちの顔と名前を覚えてもらって「ファンではなく友達になろう」というのがテーマです。
毎年、真野監督は選手たちと一緒に小学校や中学校など、30〜40校を訪れ、コート上でのニックネームで選手を紹介(例えば、齊藤選手の場合→「ようこちゃんです」という風に)して、親しみを感じて友達になってもらい、会場に来て下さいね、と呼びかける活動をしています。
そうすると、試合会場に近い小学校や中学校の生徒たちが、「ようこちゃん出るらしいから見に行こう」という感じで見に来てくれて、ある大会には、地元の小学生たちが、その学年全員来てくれたんじゃないかというくらい来てくれたこともあったそうです。
歓声があると選手もやる気が出るし、実際に、その歓声のおかげで齊藤選手のチームは試合に勝ったそうです。
友達が増えたら試合を見に来てくれる→見に来てくれれば選手はやる気が出る→やる気になって選手が活躍すれば応援しに来てくれた人も「私が来たから頑張ったんでしょ?」と思ってくれる。
地道な普及活動によって、そのような、うれしい輪ができていると、斎藤選手は笑顔を浮かべながら語りました。
最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい “Going Upな一言” を伺いました。
(齊藤選手)『続ける努力 続けられることの幸せ そして続けさせていただけることへの感謝』
続けることはすごく難しい。時には、辞めたい、自信がない、続けていいのかなと迷うこともあるけど、やっぱり好きだから続けたいと思う。そして、続けていると、幸せだな、私まだやれるな、頑張ろう!となるが、一人だと続けられなくて、まわりの人がいることで続けられる。一人だけでは続けて来られなかったので、真野会長をはじめいろんな方に感謝している、というのが、この言葉に込めた思いです。
(真野会長)『 心 』
全ては心。いいも悪いも心が全て。強い心も、優しい心も必要だし、その心の変化を自分で知り、また、相手の心もわかるような、そんな生き方をしたい、と語ってくれました。
齊藤洋子選手のリクエスト曲:Sing / Pentatonix
全日本女子が試合前にウォーミングアップするときの曲。この曲がかかると、今から行くぞ、という気持ちが全員の中に生まれるそうです。「大きな声で歌おう」「みんなで歌おう」というような内容の歌詞があり、試合中に声を出して、コミュニケーションをとらないとうまくいかないこともあるので、そういう意味でも、試合に向かっていくための準備の曲としてぴったりなので、いつもスタートはこの曲と決めているそうです。
次回のゲストは、車いすバスケットボールの諸岡晋之助選手です。どうぞお楽しみに。
オーストラリア・シドニーで開催された『2018 IWRF ウィルチェアーラグビー世界選手権大会』
日本は金メダルを獲得し、日本ウィルチェアーラグビー界初の世界一に輝きました!!
それでは、日本代表の戦いをダイジェストでご紹介します。
まずは、6チームずつ、2つのプールに分かれて行われた予選リーグ(総当たり戦)
4勝で迎えた最終戦、日本(世界ランキング4位※)は、同じく全勝のオーストラリア(同1位)と対戦し、52対65で大敗を喫します。
予選2位となった日本は、もう一方のプールで1位通過したアメリカと決勝進出をかけたクロスオーバーに臨みます。
オーストラリアとの敗戦後、戦略・選手ミーティングを通して、チームを立て直したという日本は、世界ランキング2位のアメリカを相手に51対46で勝利。
再び、金メダルをかけてオーストラリアとの決勝戦に挑みました。
たくさんの観客が見守る中、一進一退の攻防が繰り広げられます。
1点取れば1点を返される、そして、その1点を取り返す・・・ひとつのミスがターンオーバーを招き、逆転に繋がってしまいます。
究極の集中力を要し、コートには緊張感が漂います。
第4ピリオドまで一瞬たりとも気の抜けない展開が続きましたが、相手にリードを許しても、日本は、仲間を信じ、最後まであきらめることはありませんでした。
そして ーー
62対61で試合を制し、世界の頂点に立ちました!
東京2020パラリンピックでの金メダル獲得にむけて、大きな『自信』を手に入れた日本。
しかし、キャプテンの池選手は「(日本は)まだ未完成」だと語ります。
果たして、日本が目指す”完成形”とは?
ウィルチェアーラグビー日本代表の戦いは続きます!
※大会時のランキング。最新の発表により、現在、日本は世界ランキング3位になりました。
( 世界ランキングー 1位 オーストラリア 2位 アメリカ )
今回のゲストは、シッティングバレーボールの真野嘉久(まの・よしひさ)会長と齊藤洋子(さいとう・ようこ)選手です。
日本パラバレーボール協会会長でいらっしゃる真野さんは、シッティングバレーボール・全日本女子の監督を務めており、齊藤選手は、その女子日本代表の司令塔として活躍しています。
シッティングバレーボールは、文字通り、座った姿勢で行うバレーボールで、1950年代にオランダで考案されたスポーツです。
1980年のアーネム大会からパラリンピックの正式競技になっています。
1チーム6人がコートに入って試合を行います。
使用するボールは通常のバレーボールと同じですが、コートの大きさは、通常が9m×9mなのに対して、シッティングバレーは5m×6m(片面)となります。
そして、ネットの高さは、男子が 1m 15cm 、女子は1m 05cmです。
主に足に障害を持つ選手たちがプレーするシッティングバレーでは、ファーストレシーブ以外に「でん部(おしり)」が浮くと『リフティング』の反則をとられます。
そのため、移動する時も、お尻を床につけたまま動かなければなりません。かなりの負担が、手や肩、腰にかかります。
ジャンプができないため、背が高くて、座高の高い選手が有利になるそうです。
齊藤選手は、3歳の時、交通事故で左足を切断しました。
義足をつけてソフトボールや陸上など様々なスポーツを経験し、20歳の頃、シッティングバレーボールに出会いました。
きっかけは、義足を作ってくれている義肢装具士さんのこの言葉でした。
「お酒を飲ませてあげるので、遊びに行きませんか?」
行ってみると、そこは、シッティングバレーボールの練習会場。
一言も“シッティングバレーボール”とは言われずに連れていかれた練習会でしたが、毎回毎回、練習が終わると、ごはんを食べに行ったり、お酒を飲みにいくというのが恒例のパターン。
(おごってもらえるし、お酒も飲めるし、なんて素敵な部活なんだろう♪)
そうして、気づけば毎回、練習に参加するようになりました。
「誰でもできるのが、シッティングバレーボールの魅力」だという齊藤選手。
床にお尻をつけたまま動く、という動作は、健常者であっても障害を持っていても、生活の中でやることはないので、スタートラインはみんな一緒。
それに、座るだけなら難しくはないし、バレーボールのレシーブやスパイクは体育の授業で一度はやったことがあると思うので、「自分がどう動けばいいか」という事がある程度想像できる。頭の中で想像できると、体で表現するのもそんなに難しくないと思うので、みんなができるというのが一番いいところ、だと語ります。
中学から大学までバレーボールに熱中していた真野会長は、試合の中でぐるぐるローテーションするバレーボールは、「人生の縮図のようなスポーツ」だと話します。
自分たちのコートに来たボールを、はじめに取った人が、また次も取れるかというと、そうではない。ボールを受け止め(下積みをやって)、誰もがそれを次に繋ぐことができ、最後に相手コートに返す(決める)のも誰もができる。
それは、立ってやっても座ってやっても一緒だし、さらに、シッティングバレーはジャンプをしなくてもいいので「誰でもできる」と思ったといいます。
競技用のボールは当たると痛いですが、それをやわらかいボールに代えれば、子供でも高齢者でも、障害があってもなくてもできるので、学校で、障害のある子どもたちにもバレーボールの教育が受けられるようにしたいというのが、真野会長の想いです。
真野嘉久会長のリクエスト曲:ハナミズキ / 一青窈
真野会長が障がい者スポーツをやることに対して、反対する人もたくさんいるそうですが、そんな中、いつも応援してくれたのがお母さまでした。2年前に他界されたそうですが、そのお母さまが一番好きだったという曲をリクエストして頂きました。
次回も、真野嘉久会長と齊藤洋子選手をゲストにお迎えしてお送りします。
どうぞお楽しみに。