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2018年8月22日
2018車いすバスケットボール世界選手権レポート vol.3

ドイツ・ハンブルクで開催されている『2018車いすバスケットボール世界選手権大会』

今回は、予選リーグ・日本の第2戦(vsトルコ)と第3戦(vsブラジル)の戦いを振り返ります。

 

8月18日(大会3日目)には、予選リーグの2試合目となるトルコとの一戦が行われました。

会場は、トルコの大応援団により、まるで”アウェイ”のような雰囲気。

初戦のような硬さはなかったものの、会場の雰囲気にのまれるように、日本は第1Q立ち上がりから、なかなか得点を重ねることができません。

トルコのローポインターがインサイドに切り込んで得点されるパターンが続きます。

しかし、何度も何度もリバウンドを拾ってゴールを狙い、徹底的なディフェンスをやり続ける日本に対し、トルコの選手たちに苛立ちが現れ始めます。

日本は自分たちのペースを崩さず戦い続け、前半を終えて23対29。

リードは奪われましたが、その差はわずか6点差。

後半になると、香西選手、秋田選手のシュートが次々と決まり、じわりじわりと点差が縮まります。
第3Q、5分を過ぎたあたりで、古澤選手が得意の3ポイントシュートと決め、ついに日本が逆転します。

45対45の同点で迎えた第4Q。

トルコが“アンスポーツマンライクファウル”の反則を取られ、日本にフリースローが与えられる等、ざわつく場面も見られましたが、日本は集中力を切らすことなく、よく走って、よくリバウンドを取り、落ち着いてシュートを決めます。

徐々にトルコを引き離し、一時は10点差まで日本がリードするも、ヨーロッパチャンピオンのトルコも3ポイントシュートを決め意地を見せます。

63対60と、試合時間残り2分を切ったところで3点差にまで詰め寄られますが、ローポインター・川原選手のショットが決まり65対60。

その後、トルコにフリースロー2本を決められ、65対62。

そして、残り7.2秒。

集中力を妨げようとトルコ応援団の大ブーイングがコートに向けられる中、最後は、秋田選手がフリースロー2本をきっちり決め、62対67で日本が初戦に続き勝利を収めました!

アジアのチームが、ヨーロッパチャンピオンを破った、この日本の歴史的快挙に対し、国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)はFacebookで、『日本がヨーロッパチャンピオン・トルコを破り、番狂わせを起こした』『(世界選手権の)これまでの試合の中で、最もエキサイティングな試合だ』と伝えました。

 

 

そして、8月20日(大会5日目)

ここまで、予選リーグ2戦2勝の日本は、2敗しているブラジルとの一戦に臨みました。

「オーーー、1. 2. 3. 日本!」と、日本は士気を高めます。

地元・ドイツの小学生が「ニッポン!ヤーパン!」と旗を振って応援する中、日本は香西選手、秋田選手を中心に得点を重ね、緋田選手らのいいボールプレッシャーもあり、第1Qは12対8で日本のリード。

第2Qに入ると、ブラジルのシュートが入り出し、ついには逆転されます。

日本が得点すれば、ブラジルもすぐに返す・・・

24秒バイオレーションやパスカットから失点を許し、25対29の4点ビハインドで前半を終えます。

ここまでの2試合では、後半にかけて追い上げ、勝利を勝ち取っていただけに、後半に期待が高まります。

第3Q、「(自分たちのバスケを)やり続けるぞ!」と香西選手がコートの中でチームを鼓舞します。

鳥海選手、古澤選手らのスチールでチャンスを作りますが、流れを引き寄せるまでには至らず、44対47で、勝負の行方は第4Qに。

50対57と点差が開く中、日本は選手交代で最後の追い上げを試みますが、ブラジルの勢いを止めることができず、日本のバスケができないまま、61対69で試合を終えました。

 

予選リーグ3試合の結果、日本は2勝1敗、プール戦C組1位(同じく2勝のイタリアとは、直接対決での結果により日本が上位に)で決勝トーナメントに進みました。

「ここからが本番」という及川ヘッドコーチの言葉に象徴されるように、この先は、負ければ終わりのトーナメント戦。

ベスト4以上を狙う日本にとっては、絶対に勝たなければならない試合が続きます。

 

決勝トーナメント、最初の相手は、プールD4位のスペイン!

次回は、このスペイン戦をレポートします!

2018年8月22日
車いすバスケットボール・諸岡晋之助選手 (1)

今回のゲストは、車いすバスケットボールの諸岡晋之助選手です。

 

実は、諸岡選手と鈴木亮平さんは車いすバスケで”対戦”したことが。

昨年4月に行われた、ニッポン放送リスナー感謝イベント「ラジオパーク in日比谷」での
『三菱電機 Going Up キャンペーン全国キャラバン in 東京』で、デモンストレーションとして行ったミニゲームで勝負しました。

「あの頃の僕から成長してますから、またやってみたいですね。今、僕のチェアスキル半端ないですよ」と大きく出た鈴木さん・・・また、対戦のチャンスが訪れるといいですね!

 

さて、諸岡選手は『東京ファイターズBC』という東京のクラブチームに所属し、24歳という若さで、チームの副キャプテンを任されています。

車いすバスケットボールを始めたのは3年程前。

大学生の時、ハンドボールの部活の帰りにバイクに乗っていて交通事故に遭い、足を怪我しました。

何かできる競技はないかと探していた時に、車いすバスケットボールと出会いました。

中学から大学2年生まで、ずっとハンドボールをやっていたこともあり、ドリブルをついたり、フィジカル面などでは生かせてる部分はあるものの、一番苦労したことは車いすの操作。

同じチームに所属する元日本代表選手の指導のもと、車いすに乗って動かすというところからスタートしました。

ただ、それが難しかった事でもあると同時に、楽しかった部分でもあると諸岡選手は話します。

 

車いすバスケットボールでは、障害の程度により、選手ひとりひとりに『持ち点』が与えられていますが、諸岡選手の持ち点は、障害がやや軽いとされる3.0。

チームでは、攻守にわたり貢献するオールラウンダーのプレーが求められています。

現在は、チームの中でしっかり仕事できることを目指すと同時に、日本代表に選ばれるような得意なプレーを身に付けたいと考えています。

 

車いすバスケを始めたことで、毎日の生活に活気がでたという諸岡選手。

入院している時は何もやることがなくて、覇気のない毎日だったといいますが、いざ体を動かすと「やっぱり体を動かすのが好きなんだな」と改めて感じ、「何か頑張れることがあるっていうのが、すごく楽しいっていうのもわかった」と、自分が変わっていくのも実感しています。

 

車いすバスケの魅力は”単純に楽しいところ”。

「障害のある、なしではなくて、みんなが車いすに乗って楽しめる競技だし、初めてやった人も、何年やってても、試合になると熱くなれる。健常者のバスケとは違うところも、チャレンジする難しさがあり、そういうところがすごく楽しいと思う」と、熱く語りました。

 

諸岡晋之助選手のリクエスト曲: IT’S  SHOWTIME!! / B’z
家族でドライブする時にこの曲がよく流れていて、中学のハンドボールの試合の時には、試合前にこの曲を聞くのがルーティーンだったそうです。それから、大学生の時も今も、試合前にはこの曲を聞いているそうです。

2018年8月18日
2018車いすバスケットボール世界選手権ニュース vol.2

8月16日、『2018車いすバスケットボール世界選手権大会』がドイツ・ハンブルクで開幕しました!

4年に一度行われる世界選手権。男子16か国、女子12か国が熱い戦いを繰り広げます!

 

試合会場でもあるedel-optics.de Arenaで華々しく開催された開会式。

日本代表選手たちも堂々と入場しました!

各国代表の選手たち、そして、多くの観客が訪れた会場は熱気に包まれました。

 

 

8月17日(現地時間)、初戦となるイタリア戦を迎えた日本。

立ち上がり、第1Qでは固さも見え、パスミス等により思うように得点を伸ばすことができません。

流れを変える何かが欲しい日本は、選手交代などを効果的に行い徐々に得点を重ねていきます。

前半を終え25対28の3点ビハインド。

ハーフタイムでは「前半での(ディフェンス面での)ミスを徹底してできるようにポイントを話し合った」とキャプテン・豊島選手が言うように、後半に入ると、イタリアに24秒バイオレーションを何度も与え(※)スピードを活かしたプレーにより、日本はリズムを取り戻します。

※攻めているチームは、ボールを取った時点から24秒以内にシュートをうたなければいけない

 

第3Qで、豊島選手のフリースローにより同点となった日本は、ローポインター・岩井選手が積極的にインサイドに切り込んで奪ったシュート、そして、香西選手のレイアップや3ポイントシュートも決まり、一気に引き離しにかかりますが、イタリアも3ポイントシュートを決め、粘り強さを見せます。

44対41で第4Qを迎えると、スチールなどアグレッシブなプレーを見せ続けた鳥海選手の得点や、藤本選手がフリースローをきっちり決める等、終始リードを守り切り、58対50で初戦を白星で飾りました!

初戦での勝利について豊島選手は「やるべきことをやって勝ち切った」と充実感をのぞかせていました。

会場には、日本からかけつけた応援団の声援が鳴り響き、ドイツ在住の日本人の方々、そしてドイツの小学生からも「ヤーパン(Japan)!」という大きな掛け声がコートに向けられていました。

プールCの日本は、8月18日にトルコ戦、20日にブラジル戦を迎えます。

『ベスト4以上』を目標に戦う、車いすバスケットボール男子日本代表選手たちに、日本から熱いエールを送りましょう!!